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とうもろこしの育て方|種まき時期や生育条件、追肥のタイミングは?

  • イネ科
  • トウモロコシ属

とうもろこしはもぎたてが美味しい夏の定番の野菜ですね。荒地でも育つほど丈夫な野菜ですが、家庭菜園で育てる場合は追肥や除穂など、少々手間がかかります。

ですが、栽培自体は簡単ですので、ポイントを押さえれば初心者でも育てることができますよ!今回はとうもろこしの育て方についてご紹介します。

とうもろこしの育て方はかんたん?プランター栽培もできる?

連作障害
あり(1年空ける)
栽培期間
3月〜8月上旬
生育適温度
22〜30℃

とうもろこしはアメリカ大陸原産のイネ科の野菜です。追肥や除穂など栽培に手間はかかりますが、丈夫な野菜なので、意外と初心者でも比較的かんたんに育てることができます。

地植えはもちろん、プランターでも栽培可能です。ただし、プランター栽培する場合は、深さ30cm×幅70cm以上の大型プランターを用いて、3株(最低でも2株)以上育ててください。

とうもろこしの栽培に適した環境と土づくり

とうもろこしは高温の環境を好むので、直射日光がよく当たる乾燥気味の土地で栽培しましょう。日陰を嫌うので、日の当たりやすい南北の方角で育てるのがおすすめです。

地植え栽培の場合

とうもろこしは、種まきの2週間前から土づくりを行いましょう。とうもろこしは直根性で根を深く張るので、耕土は深めにつくります。

  1. 植え付け2週間前:1㎡に対して苦土石灰を100gまいて耕す
  2. 植え付け1週間前:1㎡に対して堆肥2Kg、化成肥料100gを畑の全面にまいて耕す
  3. 植え付け直前:幅70cm〜80cmの畝をつくる。この時点でマルチを敷いておくと、地温が高くなり育ちやすい
七尾びび

とうもろこしは乾燥した軽い土を好みます。市販の培養土からスタートしてもOKです。

プランター栽培の場合

とうもろこし 植え付け プランター イラスト
プランターでとうもろこしを育てる場合は、市販の野菜用培養土を使うと良いでしょう。自分で配合する場合は、赤玉土小粒7:腐葉土2:バーミキュライト1に苦土石灰を10ℓあたり10g、緩効性化成肥料を20gほど混ぜ合わせておきます。

七尾びび

雌の穂を順調に生長させるために土が乾いていたらたっぷりと水やりをしましょう。とはいえ、多湿を好みませんのであげすぎにも注意です。

とうもろこしの種まき時期と植え方

とうもろこしは根が弱いので、種まきから育てるのが一般的です。3〜5月上旬までに畑の畝に直接種まきして育てましょう。

気温が安定したころに種まきをするとうまく育ちやすいですが、まだ肌寒い3月頃に種まきをすると、害虫の被害を避けながら育てることができます。まだ寒いうちは、ポットに種まきして、暖かい環境で育苗するのもおすすめです。

地植え栽培の場合

とうもろこし 種まき イラスト

とうもろこしの苗の草丈が15〜20cmほどになり、本葉が3枚ほど出てきた頃が畑に植えるのに適した時期です。根鉢を崩さず、根を痛めないようにして植えてくださいね。

  1. 育苗ポット、マルチに指先で1cmほどくぼみをつける
  2. 種を3粒ずつまいて、土を寄せてかぶせる
  3. 土を軽く押さえ、種と土を密着させる
  4. たっぷりと水をやる
  5. 寒冷紗やホットキャップをかけて害鳥被害から守る

プランター栽培の場合

プランターにとうもろこしの種まきをする場合、幅が60cm以上のプランターであれば、間隔を20cmほどあけて種まきしましょう。種まきの手順は以下の通りです。

  1. プランターの深さ1cmほどくぼみをつける
  2. 種を3粒ずつまいて、土を寄せてかぶせる
  3. 土を軽く押さえ、種と土を密着させる
  4. たっぷりと水をやる
  5. 寒冷紗やホットキャップをかけて害鳥被害から守る

とうもろこしの水やり頻度は?

とうもろこしは、種まきをして発芽するまでの1週間程度は土が乾燥しないように毎日水やりをします。

七尾びび

乾燥気味の状態を好む野菜なので、水やりのしすぎ、保水性の高い土などで、常に土が湿っているのはNGです。とはいえ、雌穂の生長には水を必要としますので、水切れもダメですよ。

地植え栽培の場合

とうもろこしを地植えで育てる場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。雨が降らず、土が乾燥している状態が3日ほど続くようなら、水やりをします。開花時期と成熟時期は、特に乾燥に注意が必要です。水が足りないと実入りが悪くなるので、常に土の表面が軽く湿っている状態を保つようにしましょう。

プランター栽培の場合

とうもろこしをプランターで育てる場合は、表面の土が乾いたらたっぷりと水をあげます。開花期から収穫までは、水やりの回数を増やすというより、一回の水やりの水量を増やしてあげてください。

とうもろこしの間引きのタイミングは2回ある!

とうもろこしを植えてから収穫するまでの期間に2回間引きをします。生育の良い株を残し、根元からハサミで切り取りましょう。

また、間引きと追肥はセットの作業です。追肥の方法は、次の章を参考にしてくださいね。

  • 1回目の間引き:草丈10〜15cmほど、本葉が1〜2枚がでた、5月上旬〜中旬ごろの時期に2本立ち
  • 2回目の間引き:草丈が30cmほど、本葉が4〜5枚でた、5月中旬〜下旬ごろの時期に1本立ち

とうもろこし栽培は追肥と土寄せが重要!

とうもろこし 追肥 イラスト
とうもろこしは野菜のなかでも1、2を争う肥料食いともいわれています。生育期間に2〜3回の追肥を施しましょう。しっかり施肥をして、良作につなげてくださいね。

1回目の追肥は、5月中旬〜下旬の2回目の間引きが終わった直後に行いましょう。2回目の追肥は、5月下旬〜6月上旬です。2回目の追肥の1ヶ月後、6月下旬〜7月上旬に3回目の追肥をしてもいいでしょう。

追肥の方法は以下の通りです。

  • 畝の脇側のマルチを少し外して持ち上る
  • 畝の両脇に1㎡あたり20〜30gほどの化成肥料を均一にまいていく
  • 指先で土をほぐしながら混ぜ合わる
  • 株元に土を寄せて、マルチをもとに戻す
  • マルチは、草丈50cmを目安に、2回目、もしくは3回目の追肥のタイミングで剥がす

また、とうもろこしは生長にしたがって「不定根」と呼ばれる株を倒れにくくする根が生えてきます。2回目の追肥の際に、株元に小高く土を盛って土寄せをすることで不定根が増え、株がより安定します。

七尾びび

プランター栽培の場合、追肥のかわりに培養土を与えるという方法もおすすめですよ。(肥料は与えず、プランター内に新しい培養土を足すという方法です。)

とうもろこし栽培は人工授粉も欠かせない?

家庭菜園でとうもろこしを栽培している場合、育てている数が少ないと自然には受粉しません。6月下旬〜7月中旬を目処に人工受粉を行いましょう。

受粉の方法は、関連記事を参考にしてくださいね。

とうもろこしの雌穂を1つだけ残すといい?

とうもろこし 除穂(じょすい) イラスト

とうもろこしは一株につきひとつしか収穫できないので、6月下旬〜7月中旬に生えてくる余分なわき芽(雌穂)は折り取りましょう。

基本的には一番上についた雌穂を残し、下の部分の雌穂は、根元から折り取るかハサミで切り取ります。一番上の雌穂の生育が悪いときは、一番大きい雌穂を残しましょう。取り除いた雌穂はヤングコーンとして、サラダなどに利用できます。

とうもろこし栽培は病害虫と鳥害被害に要注意!

とうもろこし 害虫・害鳥避け イラスト
とうもろこしは、アブラムシやアワノメイガの幼虫の被害にあいやすい野菜です。アブラムシを避けるには、銀のラインがついたマルチを使うのが有効です。

アワノメイガは厄介な害虫で、雄穂がで始めた時期に、柔らかいヒゲの先から入り込みます。実ひとつひとつに防虫ネットをかけて防除するか、専門の農薬を使うことで、予防ができます。

また、実がつき始めたら鳥害の被害にもあいやすくなります。とうもろこしの周囲にテグス(魚釣り用の透明な糸)を張るなどして予防しましょう。

七尾びび

特に雌の穂は甘くて美味しいため、鳥たちが楽しみに狙っているので注意。雌穂にストッキングを被せておくなどの裏ワザもありますよ。工夫してみてくださいね。

とうもろこしの病害虫について、詳しくは関連記事を参考にしてくださいね。

とうもろこしの収穫時期はいつ?

とうもろこし 種まき イラスト

とうもろこしの雌しべの先にあるヒゲが枯れてきたら、収穫の合図です。ヒゲが濃い茶色に枯れた頃に収穫をしましょう。茎と実をしっかりと掴み、手で下に折り取るように収穫してください。

とうもろこしは鮮度が落ちやすいので、収穫してすぐから甘さが落ちていきます。とうもろこしを保存する場合は、枯れたヒゲ部分を切り落とし、皮をはがさずに1本ずつラップに包んで冷凍してください。一ヶ月ほど保存可能です。

とうもろこしを種まきから栽培してみよう!

とうもろこしは、生長の段階に合わせていくつかの手入れが必要です。しかし、強い野菜なので、初心者でも簡単に育てることができますよ!鮮度の落ちやすいとうもろこしは、もぎたてが一番美味しい野菜です。

とうもろこしの栽培方法を覚えて、家庭菜園で美味しいとうもろこしを楽しんでくださいね。

この記事を監修した人

七尾びび

家庭菜園士・ベランダ菜園士。株式会社マイファーム松戸農園、松戸千駄堀農園の農園アドバイザー。 循環型の野菜栽培(コンポスト、たい肥づくり)に特化したアドバイザー。 化成肥料の栽培、完全有機栽培まで指導。日本園芸協会会員。同時に農業系、菜園系ライターとして活動中。

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トウモロコシの基本情報

ジャンル
野菜
形態
一年草
学名
ZeamaysL
別名
原産地
メキシコ~南米北部

トウモロコシの性質

栽培難易度
普通
耐寒性
弱い
耐暑性
強い
耐陰性

時期

種まき
4月 、5月、6月、7月
肥料
5月 、6月、7月、8月、9月
収穫
7月 、8月、9月、10月

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