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濃厚でクリーミーな味わいから、森のバターと呼ばれるほど人気のアボカド。食べる美容液だと言われるほど栄養価が豊富で、低糖質で高エネルギーであることから、ダイエットにもおすすめの果実です。
アボカドは、食べ終わった種から発芽させて育てることができます。今回は、上手なアボカドの育て方について解説していきます。
アボカドは、クスノキ科のワニナシ属に分類される常緑高木の果樹です。実は甘くないので野菜と勘違いされがちですが、野菜ではなく果物に分類されます。
アボカドは、食べ終わった実からとても簡単に発芽させることができます。結実させるには他の品種と混植する必要があるので、実をつけたい場合は異品種を近くに植えると良いでしょう。
アボカドの実がなるまでは5年〜15年ほどかかるので、自宅では観葉植物として育てるのが現実的です。
アボカドの木の栽培は、日当たりがよく、あまり風が強く当たらない場所が適しています。
地植え栽培のアボカドは大きくなると25mを超えるほど大きくなります。鉢植えでも2mほどの大きさになるので、大きめのスペースで栽培しましょう。
株が小さいうちは寒さに弱いので、鉢植え栽培のアボカドは、最低気温が10度を下回ったら室内に取り込みます。
アボカドは、食べ終わった種から簡単に栽培できます。アボカドは、種を水耕栽培にして育てる方法が一般的ですが、一番簡単なのは、鉢植えで発芽させる方法です。
アボカドの発芽には15度以上の気温が必要なので、栽培は5月〜9月頃に始めるのが適しています。冬でも発芽させることはできますが、冬場は屋外ではなく、空調が効いた室内で管理して育てましょう。種の植え方は、植え方の段落を参考にしてくださいね。
また、水耕栽培の方法は、関連記事に詳しく記載しています。
アボカドは酸性で、水はけと水持ちのバランスの取れた土を好みます。市販の果物用培養土を使用すると良いでしょう。
自分で用土を配合する場合は、赤玉土小粒6:ピートモス3:川砂1、もしくは赤玉土小粒7:腐葉土3の割合で配合した土がおすすめです。
アボカドの種の周囲には発芽抑制物質がついています。ぬめりをしっかり洗っていないと、発芽しない原因になっています。
また、アボカドの種は乾燥に弱いので、実を洗った後に放置していると、乾燥してしまい発芽しない可能性があります。種を洗ったらすぐに植え付けましょう。
植え付けの際には、尖った部分を必ず上にして植えてくださいね!植え付けの後は、日当たりの良い場所で管理しましょう。
アボカドは、適切に植え替えながら育てることで2〜3年ほどで1〜2mほどの高さに生長します。日本では10m以上の高さに育つことは稀ですが、手入れをしないと手に負えないほど大きくなるので、管理できるサイズに仕立てましょう。
アボカドは、生長にたくさんの水が必要な性質があります。鉢植えの場合には、表土が乾いていたのを確認したら、たっぷりと水をやりましょう。
特に生育期である3月頃~9月頃には、水切れを起こしやすくなるので、注意が必要です。
地植え栽培のアボカドは、根づいたあとは自然の降雨のみで問題ありません。ただし、雨が降らず乾燥が続く場合は、朝夕の涼しい時間帯にしっかりと水をやりましょう。
アボカドの水やりのサインは、葉が全て下を向いて萎れたような感じになったときです。このような状態になったら水をあげるようにして下さい。
アボカドは、低温期となる冬場に過湿気味にしてしまうと根腐れを起こしやすくなります。そうなると枯れてしまうので、冬場の水やりは控えめを心掛けるようにします。
アボカドの生育期は春〜秋です。3月と9月のそれぞれ一回、緩効性の化成肥料を規定量与えましょう。肥料には有機肥料をたっぷり配合したリン酸が多めの肥料が適しています。
花の開花時期である5月頃には肥料が沢山必要ですので、液体肥料も併せて与えると良いでしょう。
アボカドは、株が小さい幼木のうちは、寒さに弱く枯れてしまう可能性があります。気温が10度を下回ると枯れる可能性があるので、1mほどの高さに生長するまでは、冬の時期は室内に取り込んで管理しましょう。
地植えのアボカドは、株元付近に腐葉土を盛り、根に直接霜が当たらないようにしてください。
冬場に室内で管理した鉢を外に出す場合は、徐々に環境に慣らす必要があります。まずは明るめの日陰に1週間程度置いて慣らし、その後、室外の半日陰で1週間程度管理しましょう。
いきなり日向で管理すると葉焼けしやすくなるので、注意してください。ただし、葉焼けを起こしてしまっても、あまり気にしなくて大丈夫です。アボカドは生命力が旺盛なのですぐに次の葉が生えてきますよ。
アボカドの収穫時期は、11月頃〜3月頃までです。品種によって収穫時期が異なるので、自分が育てているアボカドの品種から、収穫時期を調べてみてくださいね。
西インド諸島系のアボカドは、熟したら自然に何もしなくても下に落ちますが、メキシコ系やグアテマラ系のアボカドの場合には、熟したとしても落下することはありません。熟すと油分も多くなり、濃厚な味となります。アボカドは収穫をした後に追熟できるので、手頃なサイズになったら収穫して良いでしょう。
果実を押して、少し柔らかくなっていたら食べ頃のサインです。早く食べたい場合には、エチレンガスが発生するリンゴなどの果物と一緒に、袋の中に入れて管理しましょう。そうすると、短期間で追熟して柔らかくなってくれます。
アボカドは成長が早いので、1〜2年に一度の頻度で植え替えを行います。鉢底から根がはみ出てくるようになったら植え替えのタイミングです。
アボカドは根がデリケートなので、できるだけ根鉢を崩さずにひと回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。鉢に根が回ってしまうと、根腐れや根詰まりの原因となってしまいます。
定期的な植え替えでアボカドを元気に育てましょう。
アボカドは、種まき以外にも挿し木で増やすことができます。剪定などで出た枝を水挿しにし、発根したら土に植え替えましょう。挿し木にする枝の葉を3枚ほど残し、枝の切り口を斜めに切れば、挿し木用の枝の完成です。
水につけている枝から白いぽつぽつが出てきますが、これは発根するための細胞なので、そのまま放置しておきましょう。
アボカドは「炭そ病」に注意が必要です。炭そ病になると、枝が密集して風通しが悪くなると、葉の部分に黒褐色をした病斑が現れてきます。アボカドは生育旺盛なのですぐに葉が茂ってしまいます。
葉が茂ったら適度に剪定し、できるだけ風通しがよい状態で栽培しましょう。一度この病気に掛かってしまうと、治療ができないといわれています。既に病気に掛かってしまった葉は全て切り取って捨てるようにしてください。
またアボカドによく発生する害虫には、ハダニやカイガラムシです。これらの害虫も、枝が密集して風通しが悪いことが発生原因となるため、炭そ病と剪定を行って風通しをよくします。
また、イモ虫が、アボカドの葉を好んで食べてしまうので、発見次第すぐに取り除くようにして下さい。幼虫だと薬剤を散布することで駆除できますが、殻を被った成虫になるともう薬剤は効かなくなってしまいます。成虫は、歯ブラシなどを使って茎や葉からこすり落として駆除します。
アボカドは世界中に約700以上の品種があるといわれていますが、大きく3種類に分けることができます。
まずメキシコ系と呼ばれるタイプのアボカドです。これはメキシコを原産とする早生系タイプのもので、一番耐寒性のある品種です。耐寒温度は-7℃で、小果で果皮の部分は柔らかくて薄いのが特徴です。また葉の部分はウイキョウの香りを持っているのも特徴です。
次に、西インド系のアボカドです。これは中央アメリカや南アメリカを原産とし、一番耐寒性が弱い品種です。耐寒温度は-2℃で、中果で果皮の部分は粗面で厚く、革質となっていて平滑です。
最後は、グアテマラ系のアボカドです。これは中央アメリカを原産として、メキシコ系と西インド系との中間的な位置づけとなっています。3種類の中では、一番果実のサイズが大きく、果皮も厚くて粗面となっています。
日本で一番流通している品種の多くは、このグアテマラ系の中のメキシコ産の「ハス」と呼ばれる品種の果実です。ハスは皮がゴツゴツとした感じで、その他の主な品種としては、「メキシコーラ・フエルテ・ベーコン・ピンカートン・ズタノ」などがあります。
アボカドの開花時期は5月頃です。つぼ型のような薄黄緑色の小さな花が無数に咲きます。アボカドの花は、「両性花」という珍しい性質を持っています。午前中に雄しべが開花し、午後になると雌しべが開花するものをAタイプ、その逆をBタイプとされています。
アボカドは多様な子孫を残すために、他家受粉を好みます。一本だけではなかなか結実しませんので、長く育てて実をつけたい場合は、近くで異品種を育てて受粉させましょう。
ほっておくとどんどん生育して樹高がびっくりするくらい高くなってしまうので、適度な摘心も忘れない様にして、肥料や鉢のサイズで調整していきましょう。
七尾びび
GreenSnap編集部