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シソ(紫蘇/大葉)は、古くから日本で栽培されてきた歴史のある植物です。爽やかな味と香りから「和ハーブ」として親しまれ、身近な香味野菜としても人気の高いシソは、家庭菜園で栽培するのにもとてもおすすめの植物ですよ♪
今回はそんなシソの育て方を詳しくご紹介します。
シソは、古くから薬効があるとして重宝されてきた香味野菜です。生命力が非常に強く、多少日当たりが悪くてもよく育ち、こぼれ種だけで毎年育つほど丈夫なので初心者にもおすすめの野菜です。
庭先に数本あれば、ちょっとしたお料理に1〜2枚摘んできて使えてとても便利。殺菌効果や防腐効果にも優れているので、お弁当の彩りにも使えますよ。
シソは半日陰でも栽培できますが、日光が足りないと徒長したり葉色や香りが薄くなることもあります。基本的には日当たりの良い場所で育てましょう。
ただし、真夏の強い日差しに当たりすぎると、香りがよくなる一方で葉が厚く固くなってしまい、歯触りが悪くなります。夏は寒冷紗をかけるなどして、直射日光を遮ってあげるなどの工夫をしましょう。
シソを種から育てる場合、気温が安定してきた4月下旬〜6月中旬頃までに種まきをしましょう。シソの発芽温度は25~30℃です。セルトレイなどを使わず、畑にそのまままく場合は、暖かくなって地温が安定した時期に種まきするのがコツです。
シソを苗から育てる場合、苗を植える時期は4月下旬からが適しています。
シソの苗は、茎が太くてしっかりしたものを選ぶのがポイントです。茎が細かったり、徒長してひょろひょろしているものは避けましょう。また、葉が元気で生き生きとしているものを選ぶと良いでしょう。傷んでいたり、萎びているものは避けてくださいね。
シソの種は水分を吸収しにくい性質を持つため、発芽を促すためにも、種まきの前に水に浸しておきましょう。また、シソの種子は「好光性」といって、発芽に光を必要とします。種まきのあとは、薄く土を被せるくらいで大丈夫です。
種まき方法は、以下の通りです。
シソの種まきのコツは「育てる年に買った種を播種すること」です。
シソの種は短命種子、つまり発芽する寿命が短いのです。市販の種の場合は、購入の翌年には発芽しないといわれますので、買ってすぐに播種してください。
種の寿命が短いので長期間保存した種は発芽しません。ちなみに自家採取した種は、採取直後は種が休眠していますので、すぐに発芽しないことがあります(およそ3か月は発芽しないともいわれます)。
シソは、基本的には土質は選ばずに育ちますが、やせ地では、生長しても葉が硬く香りも弱くなってしまうので、食用には向かなくなります。腐葉土や堆肥等をたっぷり含んだ、水もちがよく肥沃な土を使うことで、香りが良くて柔らかい葉が育ちやすくなります。
地植えならば、シソを植える土壌に堆肥を多く混ぜ込んでおくのがコツです。シソは多湿の環境に弱いので、できる限り水はけのいい土を作りましょう。シソは肥料をよく吸収するので、植え付け前には土の準備が必要です。
シソは、株間30cmで2列に植え付けましょう。苗の植え付け方法は、以下の通りです。
シソは移植に弱いので、基本的に定植後の植え替えは行わないようにしましょう。
シソは乾燥が苦手なため、常にやや湿り気の土壌を好みます。そのため、土の表面が乾きかけたらたっぷりと水やりをしましょう。水切れ状態になると、葉が傷むので注意が必要です。真夏は朝と夕方の2回ほど水をしっかりとあげてください。
また、夏は乾燥しがちになり、ハダニが発生する可能性も高くなります。葉の乾燥を防ぐためにも、土だけでなく、葉水をやると良いでしょう。
なお、シソは基本的に一年草として扱われるため、冬の水やりは不要となります。
シソを植え付けたあとは、1ヶ月に1〜2回ほど追肥を施します。
肥料を与えるときは、ひと握り程度の発酵油かすを株の周辺にまき、軽く土と混ぜ、最後に株元に土寄せします。また、液体肥料を与えるのでも良いでしょう。
ただし、シソは肥料を与えすぎると、虫がつきやすくなるので、状況を見て判断してください。
シソの草丈が15cm〜30cm程度まで生長したら、株の先端を摘み取る「摘心」を行いましょう。そうすることで、わき芽の生長を促して一株からより多くのシソを収穫することができます。
シソの収穫時期は、6〜10月頃です。本葉が10枚ほど出て、草丈が30cmほどに育った頃が収穫の目安です。
収穫するときは、下の方から順にやわらかい葉を摘み取っていきます。茎の先の葉や若い葉を収穫していくと、その後もわき芽が伸びてきて、しばらくの間繰り返し収穫を楽しむことができます。
シソは、葉だけではなく、穂、花、実の部分まで食べることができます。葉以外の部分は、スーパーなどでも手に入れにくい食材です。珍しい部分を味わえるのは、家庭菜園の醍醐味かもしれませんね。
収穫時期 | タイミングの目安 | 収穫方法 | 食べ方 | |
芽ジソ | 4〜5月 | 発芽して本葉が出始めた頃 | ハサミで切り取る | お刺身の添え物・料理の彩り |
花穂 | 9月上旬頃 | シソの花穂下部の実がふくらんできた頃 | 穂の下から3割くらい咲きかけた状態で切り取る | お刺身の添え物・天ぷら |
実 | 9月中旬〜10月中旬まで | 穂先に花が2〜3個残っている時がベスト | 手でしごいて実を収穫する | 塩や醤油に漬けて佃煮にする |
シソは「種まき」で増やすのが一般的です。こぼれ種から毎年新しい芽が生えますが、種は周囲に飛び散ってはくれないので、一箇所から大量に芽吹き、その後間引くことで、収穫量が減ってしまいます。
そのため、収穫後に種を採取して、翌春にまた種まきするのがおすすめです。花が咲いたあと1〜2ヶ月ほど経つと、種を採取することができます。種まき方法については前述の通りです。
香味野菜は基本的に虫がつきにくいのですが、シソは虫に食べられやすい野菜です。バッタや蛾の幼虫、ハダニ、アブラムシ、ハマキムシなど多くが寄ってきます。
ただ食用として食べるために、農薬を使えないので、発生してしまうと手作業で取り除くことになります。
予防策としては、虫よけネットや防虫ネットなどがあるでしょう。日に当たりすぎると葉が固くなることもあるので、ネットをかければ一石二鳥かもしれません。
シソは香りが強いため、虫除けとして活用できると思われることもありますが、実は一部の虫が寄りつきやすいのです。そのため、シソを植えてはいけないという噂が立つのかもしれません。
あまり害虫被害に遭う印象はないかもしれないシソですが、意外と虫に食べられやすいので栽培時には注意が必要です。
あともう一点、栽培の注意点があります。「交雑」です。そばで赤シソや青シソなどを栽培しているとすぐに交雑しますよ。味も落ちるのでこれも注意してくださいね。
シソが育たないときは、肥料不足や水分不足、逆に水のやり過ぎが考えられます。また、そもそも芽が出ない時は、種を深くに植え過ぎたことが原因だと考えられるでしょう。
土が痩せていると、大きく元気に育たないので、肥料を適切に施しましょう。一日に何度も水やりする必要はありません。土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをするのがポイントです。水をやり過ぎると、根腐れを起こしてしまうので注意しましょう。
家庭菜園士 七尾びび
シソは一年草なので、越冬はできません。
秋に花を咲かせたあとは枯れてしまうので、越冬の対策は必要ありません。花が咲き終わったあとそのまま放置していると、茶色く枯れて種ができます。この種を採取して、保管しておくと翌年も育てられますよ。
家庭菜園士 七尾びび
爽やかな味と香りが特徴のシソは、丈夫で育てやすいので家庭菜園にぴったりです。春から夏にかけて春を迎えるので、そうめんや冷奴など、夏の料理を際立ててくれる薬味としても万能です。
家庭で育てれば、いつでも新鮮なシソが味わえます。生長段階によっても様々な楽しみ方ができるので、ぜひシソの栽培に挑戦してみてくださいね♪
七尾びび
GreenSnap編集部