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身近な植物や食材から色をとりだして、布や糸を染めるのが楽しい草木染め。
今回は、なすの皮とアボカドを使ってフエルトと毛糸を染めてみようと思います。
どんな色に染まるのか? お楽しみにしてくださいね。
草木染めとは植物から色素を抽出して布や糸などの素材を染める方法です。葉っぱや枝、コーヒー豆やカレー粉、野菜や果物の皮など天然の色で染めていきます。
工程は「染め液をつくる」「染める」「媒染する(発色効果・色止め)」だけ!
見たままの色で染まるもの、化学反応で違う色に染まるものなどもあり、雰囲気のいい色合いが魅力的なんです。
用意する材料の注意点
豆乳は綿や麻の布・系を染めるときにのタンパク処理に使います。
Tシャツなどの綿素材を染めるときは、染液に浸す前に【水1:豆乳1~2】くらいの割合で混ぜた液体に30分ほど浸し、天日干しをしてください。たっぷりとした液に浸すとムラなく染まりますよ。
植物の色素はタンパク質に染まるので、もとからタンパク質の多い絹や毛を染めるときには不要です。
草木染めの媒染とは、化学反応で色を鮮やかにし、色素を繊維に定着させる色止めの作業のことです。
焼きミョウバンのかわりに、銅(銅媒染)や鉄(鉄媒染)を使ったり、色を変化させるために、クエン酸や重曹を使う方法もあります。
媒染剤によって色の変化もまったく異なるので、早速ナスで実験してみましょう。
ちなみに、染める前に媒染する前媒染と、染めた後に媒染する後媒染がありますが、ミョウバンの場合はどちらでもOKです。
ここからはミョウバンとクエン酸の2つの媒染剤を使ってどのくらい色が変わるのか実験しつつ、フエルトと毛糸を染める草木染めのやり方をご紹介していきます。
ナスは染まりにくいのでタオルハンカチサイズのフェルトと毛糸を染めるのに3本分の皮が必要です。
ナスの皮を3本分、ピーラーでむきます。ヘタも使うので取っておいてください。
フェルトはムラなく染めるために、水か湯で洗ってしぼっておきます。今回はフエルトと毛糸を使うので、タンパク処理はしません。
まず、ナスの皮とヘタを鍋に入れ、ひたひたに浸かるくらいの量の水をいれて沸騰させます。その後、弱火で20分くらいゆっくりと煮だし染め液をつくります
熱いうちにザルなどでこしてナスの皮などを絞ったら、染液のできあがりです。
少し冷ました染液(40度~60度くらい)にできた染液に、下処理の段階でムラなく湿らせておいたフエルトと毛糸をいれます。染液は温度によって染まっていくので、熱すぎると一気に濃く染まってしまいます。お風呂くらいの温度にして、後で熱して調整するといいですよ。
また、染液の量は軽く素材が泳ぐくらいの量が理想です。足りなければお湯を足しましょう。
15分~30分ほど、ごくごく弱火で煮て、好みの色に染まったらそのまま冷ましてください。
ちなみにナスの皮のような紫色ではなく、ねずみ色のような色合いに染まりました。
ナスの皮で染めた布を、水1ℓに焼きミョウバン5gほどを溶かしたお湯にいれます。お湯の量は素材が軽く泳ぐほどのたっぷりめの量が理想です。
布をいれた途端、写真の左側のボウルのように、パッと鮮やかなブルーへと変化しました。ムラにならないように、ときどき菜箸などでかきまぜて20分~30分つけおくか、10分ほど煮ると、しっかりと色が定着します。
色の変化が落ち着いてきたら、水洗いして乾燥させ、完成です。
クエン酸を媒染剤とするときは、あらかじめ染液にクエン酸をいれてから、素材の布などをいれてつくります。
クエン酸の量はお好みです。少量ずつかきまぜながら入れていくと、染液自体がワイン色に変化するので、お好みの色味のところで調整してください。
ワイン色の染液に布(フエルトと毛糸)をいれ、15分~30分ほど弱火で煮てそのまま冷ますと、写真右のボウルのようにキレイな薄ピンク色になりました。
このあと、焼きミョウバンで媒染すると色が戻ってしまうので、水洗いしそのまま乾燥させます。
同じナスで煮だした染料ですが、化学変化がおもしろいですよね。染料・媒染の濃度・回数や、先媒染か後媒染なのか、使う野菜や染める素材によっても色合いがかわってくるので、何回もつくってみると楽しいですよ。
ほとんど同じ方法で、アボカドでも草木染めをしてみました。一体どんな色になると思いますか?
アボカドの皮を適当にちぎり、種をスライスします。手を切らないように注意してくださいね。
布はムラなく染めるために、水か湯で洗ってしぼっておきます。今回もフエルトと毛糸を使うので、タンパク処理はしません。
アボカドの皮とスライスした種がかぶるくらい水をいれ20分ほど煮ていきます。
これで、1個分のアボカドです。
20分ほど煮て皮や種をとりだすと染液ができました。
空気を含ませるとほんのりと色がかわってきますが、変化が少なかったでクエン酸を少量ずつ変化を見ながら足していきます。
空気をふくませるようにかき混ぜながら、好みの色に調節していきます。ほんのりとピンクになりました!
できた染液に布(フエルトと毛糸)をいれ、15分~30分ほど弱火で煮てそのまま冷まします。桜色のかわいらしい色になりました。
今回は焼きミョウバンで媒染します。
お湯1ℓに5gの焼きミョウバンを溶かしたものに、布を20分~30分つけおくか10分ほど煮ます。その後、媒染液から布をだしてしぼり、再度染め液に浸してから水洗いし乾燥させたら完成です。
草木染めをする前のフエルトとナス、アボカドで染めたフエルトを並べてみました。
乾燥させると色が少し薄くなりますが、みんな草木染めらしい柔らかな色合いになりましたね。
とはいえ、ナスの草木染めの項目でおわかりのように、媒染剤によってかなり色がかわったり、染液の濃度や温度などでかなりばらつきがあります。
何度も試して、理想の色を研究してみるのも面白いかもしれませんね。
いかがでしたか?
身近でみつけられるもの、捨てちゃう食べ物の皮や種、スーパーで手に入るもので簡単にできる草木染め。染めたあとに色がうつろいでいくのも草木染の不思議なところです。
まずはおおらかに色を楽しんで、お好みの方法をみつけていきましょう。
hana (a piece of dream*)