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バジルは、鮮やかな葉色とさわやかな風味が特徴で、イタリア料理に使われる代表的なハーブのひとつです。バジルは生育旺盛で育てやすいので、家庭菜園が初めての方でも簡単に育てることができます。地植えはもちろん、プランターや鉢植えを使って室内で栽培するのもおすすめです。
今回は、そんなハーブの定番であるバジルの育て方を、地植えとプランター栽培に分けて、それぞれ詳しくイラストを用いて詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
バジルは家庭菜園初心者にも育てやすいハーブの一つです。
ただし、発芽率がとても高いわけではないので、初心者の方は「種まきから」ではなく「苗から」育てる方が安心です。
また、花芽がつくと葉の栄養が不足します。そうなると収穫できる葉が少なくなるだけでなく、バジルの風味も落ちてしまうため、定期的に「敵芯」「摘蕾」を忘れずに行いましょう!
おいしいバジルを長く栽培するためにも、枝分かれした部分の先をこまめに摘芯してください。
多年草のバジルは、地植えのほか、プランターや鉢植えを使って室内で栽培することもできます。
ただしバジルは寒さに弱く、霜に当たるとすぐに枯れてしまいます。そのため、地植え栽培の場合は、冬に枯れる、つまり「一年草」として育てることを前提としておきましょう。
寒冷地に住んでいる方や家庭菜園初心者の方は、管理がかんたんな「プランター栽培」の方がおすすめです。
バジルの栽培には、日当たりがよく、肥沃で水はけの良い場所が適しています。
日照不足になると、ひょろひょろと伸びて葉が小さくなってしまうので、日当たりがよく暖かい場所で育てましょう。
ただし、真夏の強い日差しに当たると葉焼けを起こすことがあります。プランター栽培の場合は室内に入れ、地植え栽培の場合は日除けをしてあげるときれいに育ちますよ。
バジルは、有機質を多く含んだ水はけの良い土を好みます。
プランター・鉢植え栽培の場合は、「市販のハーブ用培養土」もしくは「野菜用培養土」を使用すれば良いでしょう。
地植え栽培の場合は、植え付けの2週間前から土壌の準備をします。地植え栽培の土づくりの方法は、以下の通りです。
1㎡に対して苦土石灰を100gまいてよく耕す。
1㎡に対して堆肥2Kg、化成肥料100gを畑の全面にまいてよく耕す。
幅70cm〜80cm、高さ15cmの畝をつくる。
バジルの種まきの時期は、4月下旬〜5月下旬です(北海道などの寒冷地では5〜6月頃)。バジルは寒さに弱いので、霜が降りる心配がなくなってから種まきしましょう。
バジルの発芽に必要な温度は20℃以上(最適な温度は25℃)といわれています。暖かな日が続くようになってからの播種がおすすめですよ。
気温が不安定な場合には、種をまいた土にビニールを被せて、地温を安定させる方法がよいでしょう。
プランター・鉢植え栽培のバジルは、植え替えずにそのまま育てることができます。なお、プランター栽培の場合は、「すじまき(列状に種まきする方法)」が基本です。
バジルを地植え栽培にする場合は、育苗ポットである程度の大きさまで苗を育ててから畑に定植しましょう。育苗に使用する用土は、市販の野菜用培養土など、肥料が入っていない無菌のものを使用しましょう。
ちなみに、バジルの種は「バジルシード」と呼ばれ、食用として楽しむことができます。水で戻すと、まるでタピオカのような食感になりますよ。また、間引いた芽も食べられるので、本格的な収穫前もバジルの栽培を楽しみましょう。
バジルの種が発芽して芽が混み合ってきたら、適宜間引きをして大きさや株間を調整して植え付けていきます。バジルの苗の植え付け時期は、5月上旬〜6月下旬頃が目安です。
なお、市販のバジルの苗を購入して植える場合は、以下のポイントを押さえた苗を選びましょう。
葉の裏に虫がついていないかチェック&ポットの裏から覗いて白い根が見えている苗がおすすめです。
ただし、ポットを乱暴にさかさまにしたりは厳禁。売り物の苗を傷めないように工夫してチェックしてくださいね。
地植え栽培の場合は、本葉が6〜7枚出てきた頃が目安です。
バジルは乾燥を苦手とします。乾燥が続くと、葉っぱが硬くなり味にも影響が出てしまうため、とくに春〜夏にかけての生育期にはしっかりと水やりをしましょう。
表土が乾いたら、鉢底からたっぷりと流れ出るまで水をやりましょう。プランター栽培の場合は、地植えよりも土の乾燥が早いため、水切れにより注意が必要です。
地植え栽培のバジルは、植え付け直後の1〜2週間以降は基本的に水やりの必要はありません。
ただし、真夏の季節に晴れ間が続き、葉っぱ全体が萎れているようであれば、涼しい時間帯にたっぷりと水やりしてあげましょう。
プロの農家は敷きワラなどで、乾燥予防のマルチングを施すこともあります。
バジルの追肥は、植え付けから2週間後から始めます。バジルは肥沃な場所を好むので、5〜9月の生育期には規定量のハーブ用肥料を定期的に与えましょう。
緩効性の固形肥料の場合は製品表示にある効果持続期間が切れたら与えます。株のまわりの土を軽くほぐして、土と肥料をよく混ぜてあげましょう。
液肥の場合は10〜14日に1回、水やりの代わりに与えてください。
バジルの収穫時期は、6月上旬〜10月頃が適期です。株の高さが20〜30cm程度になった頃に収穫を始めましょう。
何度も収穫したい場合は、草丈が30cm程度になったら一度摘芯して脇芽を育てましょう。脇芽が育つことによって長期間の収穫が可能になります。
バジルは葉を食べる野菜なので、剪定と同じ感覚で、カットしながら定期的に収穫をしていくことができます。
カットする位置によって収穫量も変わるので、収穫量をあげたいときは敵芯をしてあげるといいでしょう。詳しい敵芯の方法や収穫についてはこちらの記事を参考にしてください。
バジルは秋が最後の収穫期とされていますが、冬越しができれば一年中栽培・収穫が楽しめるハーブです。
地植えの場合は冬に枯れてしまうことが多いですが、プランター栽培の場合は、冬の間は室内で管理し、室温を20℃以上に保つことで冬越することができます。
バジルは20℃以下でも枯れることはありませんが、気温が10℃を下回るようになると葉の先が黒くなって枯れていくので、冬は窓際などの温度が下がりやすい場所には置かないようにしましょう。
そのほか、サーキュレーターを回して風通しをよくしたり、プランターごと発泡スチロールに入れて管理するのもおすすめです。
バジルは、苗が生長しているうちはいつでも挿し木で増やすことができます。室内で育てている場合は一年中できますが、真夏は水が腐る可能性があるので、避けた方が良いでしょう。
なお、挿し木の方法は以下の通りです。
バジルはハーブの一種なので、虫が寄ってこないように思われがちですが、新芽や茎にはアブラムシがつきます。
アブラムシは養分を吸い取って株を弱らせるので、見つけたらすぐに駆除します。ハーブか野菜用の薬剤を使ってもいいでしょう。
また、バジルには青虫がつきやすいので、防虫ネットをかけておくのも効果的です。蒸れた状態も害虫や病気の発生原因となるので、風通しのいい場所に置くか、株間を開けておくと予防にもつながりますよ。
バジルは、爽やかな香りと風味で、様々な洋食に利用できるハーブです。プランター・鉢植えで栽培すれば、いつでも気軽に収穫できますよ。たくさん収穫できたら、葉っぱを潰してバジルソースにするのもおすすめです。
種を収穫すれば、翌年もまた育てることができるので、ぜひバジルを栽培してみてくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部