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パクチーは中国料理やタイ料理には欠かせないハーブです。独特の香りからカメムシソウやコリアンダーとも呼ばれています。最近ではその認知度も高まり、育てやすいことからも、家庭でパクチーを楽しむ方も増えているようです。
今回はパクチーの育て方について、ご紹介いたします。
パクチーはニンジンやパセリと同じ、セリ科の一年草です。葉をサラダにしたり、コリアンダーシードとして親しまれている種をスパイスとしても利用できます。
地中海が原産のハーブなので、夏は涼しく冬は温暖、湿度は乾燥気味の環境を好みます。病害虫の被害が少なく、とても育てやすいです。
パクチーの種まき時期は3月中旬〜5月上旬です。
種まきの方法は、まず育苗ポットかセルトレイに育苗用培養土を入れて水で湿らせます。指先でくぼみを作ってセルトレイには1粒ずつ、ポットには種が3粒以上重ならないようにまきます。最後に土をかぶせて、軽く土を押さえて種と密着させてください。
パクチーの種まき後は、1日1回霧吹きで十分に土を湿らせて、乾燥させなようにビニールをかぶせて管理します。発芽温度の15℃前後を保ち、順調に育てばおよそ1週間ほどで発芽します。草丈が5〜8cmほどになったら植え付けのサインです。
パクチーの種は硬い外殻に覆われており、なかに2つの種子が入っています。パクチーの種の発芽率を上げるために外殻を指で割ってから種まきをすると、発芽率90%ほどになるといわれています。
一方で、そのまま種まきをした場合、発芽率が60%程度といわれています。
パクチーの植える時期は、種まきから1ヶ月ほど経った4月中旬〜5月下旬が適期です。晴れた日の午前中に、根鉢を崩さずに植え付けましょう。
株間は20〜30cmほどとり、植え付けが終わったらたっぷり水やりをしてください。
パクチーを鉢植えやプランター栽培にする場合は、一株につき直径15cm、深さが20cm以上あるものを選びましょう。また、4株植える場合は土容量5L、5株以上植える場合は10Lほどのプランターがおすすめです。
パクチーは適度な日当たりと、水はけの良い場所を好みます。直射日光、西日を避けた、風通しのよい場所で育てるようにしましょう。
栽培適温は20〜25℃ほどで、真夏はとくに室内や涼しい場所に移動させてください。基本的に鉢やプランター栽培にして、季節ごとで栽培場所を変えられるようにするといいでしょう。
鉢やプランター栽培の場合は、土の表面が乾燥していたら鉢底から水が溢れるくらいたっぷり水やりします。基本的に午前中にして、とくに真夏は朝8時以前に水をあげるようにし、やや乾燥気味に育てるといいです。
なお、過湿に弱いので、土が湿っていたら水やりはせず、梅雨時期は注意しましょう。
地植えでの場合は、基本的に水やりの必要ありません。長期間、雨が降らずに乾燥しているときは、たっぷりと水をあげましょう。
パクチーは水はけ・保水性がともに優れた土を好みます。またpH6〜6.5ほどの中性に近い弱酸性の土壌が適しています。
鉢やプランター栽培の場合は、用土の配合は赤玉土5:腐葉土3:堆肥1:バーミキュライト1の割合がおすすめです。また、市販のハーブ培養土を使用するのもいいでしょう。
地植えの場合は、種まき・植え付け2週間前までに土作りをして弱酸性の土壌にしておきましょう。苦土石灰を1㎡につき100gほどまいて、よく耕しておきます。その1週間後、腐葉土もしくは堆肥を1㎡につき2kg、元肥として化成肥料を1㎡につき100gまいて耕しておきます。
パクチーは植え付け時の元肥のみで、成長に必要な養分をまかなうことができるので、追肥の必要はありません。
ただし、種とりをしたい場合は、植え付けしたあと1〜1.5ヶ月に1回ほど追肥をしましょう。
1株につき2gほどの緩効性化成肥料、もしくは10gほどの発酵油かす、または発酵鶏ふんを株周りに施して、土を軽くほぐしながらよく混ぜ合わせてください。
パクチーの増やし方は、種まきが一般的です。パクチーは移植を嫌うため、株分けで増やすのには向いていません。また、挿し芽も成功率が低いです。
パクチーの種を採取したら紙袋や封筒にいれて、冷蔵庫に保管したら、秋または来春に種まきをしましょう。
パクチーの種を取らない場合は、5〜6月ごろに伸びてくる花芽は取り除きましょう。一年草のパクチーは花を咲かせて種を残すことに栄養をまわすため、葉の育ちが悪くなってしまいます。
パクチーの花芽は通常の葉とは違って、太めの茎にセリのような細い葉をつけます。花芽はなるべく根元から取り除いてください。
パクチーの収穫時期は6〜8月下旬ごろです。植え付けから40日ほど収穫でき、必要な分を株元から摘み取るか、株ごと引き抜いて収穫してください。
収穫が遅くなり成長しすぎると葉が細くなって、味や香りが落ちるので見逃さないようにしましょう。
収穫したパクチーは、水をいれた容器にパクチの根元をつけ、濡らしたキッチンペーパーなどで株全体を包んで野菜室に入れと長持ちし、2週間ほど保存ができます。
さらに長期間保存したい場合は、根をカットして茎葉を刻んで冷凍しておくと、一ヶ月ほどの保存ができます。
パクチーの種は9月上旬〜10月下旬ごろ、植え付けから120日ほど採取できます。
パクチーの種の取り方は、花芽を取り除かずに育て、種が茶色くなったら株ごと刈り取りましょう。刈り取ったパクチーを新聞紙に包んで風通しのよい日陰で乾燥させ、株全体が茶色くなったら、株の先端についている種をふるい落として収穫できます。
パクチーには、βカロテン、食物繊維、カリウム、鉄、カロテン、ビタミンC・E・K、カルシウムなどが豊富に含まれています。
効能としては、消化促進や、整腸効果、デトックス効果、リラックス効果などがあると言われています。
パクチーは夏場の管理さえ気を配れば、ほとんど手間がかからず旺盛に育ってくれるので、初心者の方にもオススメです。キッチンで育てるキッチンハーブにもぴったりなので、ぜひパクチーを育てて日頃の料理に役立ててみてくださいね。
GreenSnap編集部