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フェンネルはハーブの一つで、葉や茎、種を食すことができます。甘さを含んだ爽やかな香りがして、魚料理の臭み消しや、サラダにあえて食べることもできるので、使い勝手の良さもありますね。
今回は、使い勝手の良さと高い薬効をもつ、フェンネルの育て方についてご紹介します。
フェンネルはパセリやパクチーと同じ、セリ科の多年草のハーブです。草丈 は1.5m〜2mほどと高く育ちます。ヨーロッパ原産のハーブなので、基本的に夏は涼しく冬は寒く、湿度は乾燥気味の環境を好みます。
よく似たハーブのディルと混同されがちですが、属性も違い、フェンネルのほうが甘みと苦味が強いはっきりした味わいです。見た目の違いには、フェンネルの方が葉の茂り具合が薄いです。
フェンネルはパクチー(コリアンダー)やトマト、豆類の成長を遅らせるので気をつけましょう。また、ディルとニンジンは近くに植えると交雑しますので控えてください。
フェンネルは適度な日当たりと、水はけのいい場所を好みます。直射日光、西日を避けた、風通しの良い場所で育てるといいでしょう。栽培適温は15〜25度ほどですが、耐暑性も耐寒性もやや強いので、鉢植え、地植えともに、容易に栽培可能です。
フェンネルは大型の植物かつ、直根性で移植が苦手なので、苗の植え付けの段階から6号以上の通気性の良い深型の鉢に植えるようにしてください。
フェンネルはヨーロッパ原産の植物ですので、基本的に乾燥気味に育てても問題ありません。冬場は地上部が枯れますが、地中で生きていますので、水やりの回数を控えながら育ててください。
鉢やプランターでフェンネルを育てている場合は、土の表面が完全に乾燥したら、底穴から水が漏れ出るほど、たっぷりあげてください。真夏の日中の水やりによる過湿には注意しましょう。夏場は朝8時以前の涼しい時間帯に水やりするようにしてください。
地植えでフェンネルを育てている場合は、基本的に水やりは必要ありません。ただし、長期間雨が降らずに、乾燥が続くようであれば、たっぷりと水をあげてください。
フェンネルは水はけと水もちの良い用土が適しています。また、pH7〜8ほどの、中性よりの弱アルカリ性の土壌が適しています。
鉢やプランターでフェンネルを育てる場合、配合は赤玉土(大粒)4:腐葉土3:バーミキュライト2:ピートモス1などの比率がおすすめです。市販の野菜培養土やハーブ培養土でも問題ありません。
地植えでフェンネルを育てる場合は、種まき・植え付け2週間前までに弱酸性の土壌にしておきましょう。苦土石灰を1㎡につき120gほどまいて、よく耕しておきます。その1週間後、腐葉土もしくは完熟堆肥を1㎡につき3kg、元肥として化成肥料を1㎡につき100gまいて耕しておきます。
フェンネルの種まきの適期は年2回あります。3月上旬〜4月下旬にまく春まきと、9月上旬〜10月上旬にまく秋まきです。
育苗ポットやセルトレイに育苗用土をいれて、湿らせて、指で軽くくぼみをつけます。フェンネルは発芽率がいいので、1ヶ所につき1粒ずつまいていきましょう。ごく薄く土を被せたら、手で押さえて種と土を密着させ、たっぷりと水やりをします。
フェンネルの種をまいた後は、1日1回霧吹きなどで十分に土を湿らせて、乾燥させなようにビニールをかぶせましょう。発芽温度は20度前後なので、保てるように心がけましょう。順調に育てば、およそ1週間程度で発芽します。
フェンネルの植え付けは、本葉が2〜3枚になったら行います。時期としては種まきから3週間後くらいの、3月下旬〜5月下旬、もしくは9月下旬〜10月下旬です。育てすぎると、植え付け後の育成に支障がでるので、なるべく早めに植え付けましょう。
フェンネルは直根性で、根が痛むと育たないので、根鉢を崩さないように優しくポットから取り出します。そのまま根鉢は崩さず、同サイズのくぼみをつけた土へと、植え付けします。大型の植物なので、株間は50cmと広めにとります。
フェンネルは直根性なので、植え替えを嫌います。しかし、根詰まりなどを起こしていたり、止むを得ない場合は、植え付け時と同じような時期、方法で、根鉢を崩さず、2〜3まわり大きい鉢に植え替えしてください。
フェンネルへの肥料は、春まきの場合は5月から、秋まきの場合は3月から、1ヶ月に1回追肥します。一株あたり10gほどの発酵油かすなどの即効性のある肥料をまいて、土とよく混ぜてください。
もしくは春と秋に緩効性の肥料を株元に施します。
フェンネルは最高2mほども伸びる、高性の大型植物です。そのため、風の影響を受けやすいので、花芽が伸びる5月中くらいには、支柱を立ててあげたほうがいいでしょう。支柱の長さは
フェンネルは株元が肥大化していきます。ゆくゆくは白く柔らかくなっていきますが、その前に土がこんもりとしてきたら、株元に土寄せをしてあげましょう。
フェンネルを増やすには種を採取する方法がいいでしょう。しばしばフェンネルシードとも呼ばれるその種は、夏の開花期後から結実していきます。採取方法は後述の収穫の仕方を参考にしてください。とはいえ、生育旺盛なのでこぼれ種でも成長していきます。
フェンネルの葉は植え付けから1〜2週間後、しっかりと根付いた4月〜11月下旬に、必要に応じて都度収穫できます。風通しをよくする意味合いもあるので、適宜、枝先を摘み取って収穫しましょう
フェンネルは株元に、茎が白く肥大化した球茎ができます。とくにこの球茎を収穫の主とする、フローレンスフェンネルという品種は、球茎が大きくなったら、そのすぐ下で根を切って、株ごと収穫します。
フェンネルシードの収穫時期は開花後の夏〜秋にかけての期間です。花茎の部分がだんだんと膨らんで果実が実ります。その果実に筋が入って黄色みかがってきたら、花茎ごと収穫しましょう。そのまま紙袋に花を頭にしていれ、風通しのいい日陰で乾燥させます。
1週間後、果実が乾燥しきったら、スパイスのフェンネルシードとして使うことができます。
フェンネルにはキアゲハの幼虫、カメムシ、青虫類が発生します。見つけら殺虫剤や木酢液などで駆除しましょう。
フェンネルには、カリウム、鉄分、ビタミンC、食物繊維が豊富に含まれています。
効能としては消化促進や、利尿発汗作用によるダイエット効果が期待されています。また、植物性エストロゲンが豊富なので、更年期障害にもよいとされています。
フェンネルの花言葉は「称賛」「力量」「精神の強さ」などがあります。フェンネルが持つ、甘くスパイシーな香りや、その効能からつけられたとされています。
フェンネルは葉、茎、種など、株全体を食することができるので、あますことなく、育てて食べる喜びを実感できますよ。適度な日当たりさえあれば、強健に育っていくので、初心者にもおすすめのハーブです。みなさんもぜひフェンネルを栽培してみてください。
GreenSnap編集部