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みょうが(茗荷)は東アジアを原産とする、ショウガ科ショウガ属の多年草です。その独特な風味から、料理にさっぱりとした清涼感をもたらしてくれる香味野菜として知られています。豊富な栄養素を含むだけでなく、家庭菜園でも簡単に栽培できる手軽さも魅力のひとつです。
今回は誰でも簡単に栽培できる万能食材、みょうがの育て方をご紹介します。
みょうがは生姜の仲間で、独特の香りと辛味、シャキッとした食感が特徴の香味野菜です。日本には本州から沖縄まで広く自生しており、古くから食用として栽培されてきました。
みょうがは植え付けのあと、ほとんど手がかからないので、初心者でも簡単に収穫することができます。一度植え付けると、3〜5年は収穫を続けられるため、長い期間収穫を楽しめます。
みょうがの栽培環境は、直射日光のあたらない、湿った日陰〜半日陰が適しています。建物の陰や、木の根元などで栽培するとよいです。日当たりの悪い場所でも育てられるので、他の野菜が植えられない場所で栽培するのがおすすめです。
また、みょうがは地下茎を長く伸ばして成長するので、プランター栽培の場合は深さ30cm以上の深めのプランターを選ぶのが良いでしょう。プランターの場合も、木陰や半日陰の日当たりが悪く、少し湿った場所で栽培するのがポイントです。
みょうがは植えっぱなしでも数年間収穫を楽しめる一方、繁殖力が強いため地下茎が増えすぎる可能性もあります。
地下茎が増えすぎると、土質の悪化やほか植物の成長を妨げるリスクもあるため、何年も植えっぱなしにしておくことは避けた方がいいでしょう。2〜3年に1度は株を掘り起こし、土質を整えてから栽培をし直すことをおすすめします。
結論、適切に管理ができれば、みょうがは庭に植えても全く問題ありません。
みょうがを植える時期は、3月中旬〜4月中旬、もしくは9月〜10月です。寒冷地は、暖かくなってきた4月ごろに植え付けるのが良いでしょう。
みょうがの種は市販されていないため、園芸店で球根(みょうがの地下茎)を購入して育てるのが一般的です。みょうがの球根は、太い根っこのようなものが塊になった状態になっています。球根は、太くしっかりしたものを選ぶと良いですよ。
みょうがの球根を購入したら、時間を空けずにすぐ植え付けましょう。地植えのみょうがは、植え付けの2週間前から土壌の準備をしておきます。
プランターに植える場合は、市販の野菜用培養土に完熟堆肥を2割ほど混ぜ込んだものがおすすめです。みょうがは有機質が多く、水はけがよく保水性が高い土を好むので、土壌に完熟堆肥や、腐葉土を混ぜて、有機質の多い土壌を作るとよく育ちます。
株間は10〜15cmほどあけて、深さ10cmほど掘った穴に植え付けましょう。
プランター栽培のみょうがの追肥は、化成肥料なら1カ月に1回、液体肥料なら1週間に1回の頻度で施すと良いでしょう。追肥は、記載されている規定の容量を施してくださいね。
敷きわらを敷いている場合は、わらの上から追肥をしても問題ありません。
地植え栽培のみょうがの追肥は、成長に合わせて2回行います。1回目の追肥は、本葉が3〜4枚の頃です。1㎡あたり30gの化成肥料を株の周囲にまき、土と肥料をよく混ぜて株元に土を寄せましょう。
2回目の追肥は、気温が上がってきた7月ごろに、1回目と同量の肥料を追肥します。
プランター栽培のみょうがは、土の表面が乾いたら水やりを行います。プランターは乾燥しやすいので、できれば毎日水をやりましょう。
地植え栽培のみょうがは、水やりはほとんど必要ありません。よほど乾燥しているときは、たっぷりと水をやりましょう。
みょうがは、長い期間植えっぱなしで育てていると、根が増えて地上部が混み合ってきます。地上部が混み合ってきたら、収穫の後に間引きを行いましょう。
間引きでは、混み合っている部分の葉を茎の根元からカットするか、引き抜きます。
みょうがを、3〜4月に植え付けた場合は、その年の8〜9月が収穫時期です。9〜10月に植え付けを行った場合は、翌年の梅雨明けごろからが収穫時期となります。
ただし、植え付けた最初の年は生育が不安定なので、株の生長を優先してあげてもよいです。1年目は収穫できない可能性もありますが、2年目はしっかり収穫できるので気長に待ちましょう。
なお、みょうがの収穫方法は以下の通りです。
みょうがは、毎年梅雨明けごろから花芽の収穫が始まります。みょうがの花芽は茎の下からぴょこっと顔を覗かせるように生えてきます。
土から顔を出した花芽を、花が咲く前にハサミで切り取るか、手で折り取って収穫しましょう。土がついているので、よく洗ってから食べてくださいね。花が咲いてしまうと風味が落ちるため、花が咲く前に収穫を済ませましょう。
みょうがは、収穫が終わると地上部の葉が枯れていきます。葉は自然に枯れるまで放置しても問題ありませんが、地面の間際で切ってしまっても良いでしょう。
プランターの場合は、そのまま放置していると土が乾いてしまいます。土の上に堆肥をかぶせ、土の表面が乾いたら定期的に水やりをしましょう。休眠期も手入れを続けることで、翌年また収穫ができますよ。また、間引きや株分けなども、収穫の後に適宜行ってくださいね。
みょうがの栽培で注意したい害虫や病気は、根茎腐敗病です。湿気の多い土壌で菌が発生し、根は腐って、葉茎は黄色く変色したのちに枯れてしまいます。
一度感染すると回復は見込めないので、感染した株を引き抜いて処分しましょう。他の株への感染も防ぐため、薬剤散布は忘れずに行います。水はけをよい状態に保ち、予防することが大切です。
みょうがの植え替えの時期は、新芽が出る前の2〜3月が適しています。3〜4年は植えっぱなしにしても問題ありませんが、土の劣化は避けられないため、可能であれば2〜3年に1度の頻度で植え替えるといいでしょう。
土から球根を掘り起こしたら、土を全て落とし、地植えの場合は別の場所へ、プランターの場合はひと回り大きなプランターに植え替えましょう。このとき、球根が増えて大きくなっていたら、古い球根や根を取り除き、新しい球根を残しましょう。植え替えと同じタイミングで、株分けを行うと良いでしょう。
みょうがは、冬場に地下茎の一部を15〜20cmほど切り取って、他の場所に植え付けるだけで簡単に株を増やすことができます。簡単に株分けができるので、育てたい方に贈ることもできます。
みょうがは、そこまで手をかけなくても、苦労せずに毎年収穫できる野菜です。日当たりが悪い庭でも簡単に栽培できるので、家庭菜園初心者の方にもおすすめの野菜です。
みょうがはビタミンたっぷりの野菜なので、夏を力強くのりきるためにぜひ栽培してみてくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部