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パクチーは中国料理やタイ料理には欠かせないハーブです。カメムシにも似た独特の香りからカメムシソウ、ほかにはコリアンダーと呼ばれています。最近ではその認知度も高まり、育てやすいことからも、家庭でパクチーを楽しむ方も増えているようです。
今回は近年大注目のパクチーの育て方について、ご紹介いたします。
パクチーはニンジンやパセリと同じ、セリ科の一年草です。葉をサラダにしたり、コリアンダーシードとして親しまれている種をスパイスとしても利用できます。地中海が原産のハーブなので、夏は涼しく冬は温暖、湿度は乾燥気味の環境を好みます。基本的には病害虫の被害は少ないです。
パクチーは適度な日当たりと、水はけの良い場所を好みます。直射日光、西日を避けた、風通しの良い場所で育てるようにしましょう。また、栽培適温は20〜25度ほどなので、真夏はとくに室内や涼しい場所に移動させてください。
どちらかというと鉢やプランターで栽培し、季節によって場所を変えられるようにするといいでしょう。
パクチー栽培の適正な鉢やプランターのサイズは、一株につき直径15cmを目安にしましょう。4株であれば土容量5L、それ以上は10Lほどの容量があるといいです。直根性なので深さが20cm以上あるものが好ましいです。
鉢やプランターでパクチーを育てている場合は、栽培適温の25度くらいの時期には、土の表面が乾燥していたら、午前中に底穴から水が漏れ出るほど、たっぷりあげてください。真夏は朝8時以前に水をあげるようにし、やや乾燥気味に育てるといいです。
なお、梅雨の長雨には弱いので、この時期に土が湿っていたら、水やりはしないで大丈夫です。
家庭菜園など、地植えでパクチーを育てている場合は、基本的に水やりは必要ありません。長期間、雨が降らずに乾燥している場合には、1〜2週間に一度、たっぷりと水をあげましょう。
パクチーは水はけ・保水性がともに優れた土を好みます。またpH6〜6.5ほどの中性に近い弱酸性の土壌が適しています。
鉢やプランターでパクチーを育てる場合は、用土の配合は赤玉土5:腐葉土3:堆肥1:バーミキュライト1の割合で用意するといいでしょう。市販のハーブ培養土を使用するのもいいでしょう。
地植えでパクチーを育てる場合は、種まき・植え付け2週間前までに弱酸性の土壌にしておきましょう。苦土石灰を1㎡につき100gほどまいて、よく耕しておきます。その1週間後、腐葉土もしくは堆肥を1㎡につき2kg、元肥として化成肥料を1㎡につき100gまいて耕しておきます。
パクチーの種まきの時期は3月中旬から5月上旬までに行います。育苗ポットかセルトレイに、育苗用培養土を入れて水で湿らせます。指先でかるくくぼみを作って、ポットには3粒重ならないように、セルトレイには1粒ずつまきます。軽く土をかぶせて、手で押さえて土と種を密着させてください。
パクチーの種をまいた後は、1日1回霧吹きで十分に土を湿らせて、乾燥させなようにビニールをかぶせましょう。1日の置き場所を移しながら、発芽温度の15度前後を保ってください。順調に育てば、およそ1週間程度で発芽します。
パクチーの種は硬い外殻に覆われていて、中には2つの種子が入っています。そのまま種まきをした場合、発芽率が60%程度なのに対して、外殻を指で割って取り除いてから種まきをすると、発芽率90%ほどになると言われています。
パクチーの植え付けは、種まきから1ヶ月ほど経った4月中旬〜5月下旬に行います。草丈が5〜8cmほどになったら植え付けのサインです。晴れた日の午前中を選ぶようにしましょう。
株間は20〜30cmほどとるようにして、根鉢と同じくらいのくぼみをあけて、そこへ根鉢を崩さずに植え付けていきます。土を少しかぶせて、手で押さえて土と根を密着させたら、水をたっぷりとあげましょう。
パクチーの葉は植え付けから一ヶ月半ほどで収穫できます。つまり、植え付け時の元肥のみで、成長に必要な養分をまかなうことができるので、追肥の必要はありません。
パクチーの種が収穫目的の場合は、植え付け後、1ヶ月〜1ヶ月半に1回ほど追肥を与えるようにします。1株につき2gほどの緩効性化成肥料、もしくは10gほどの発酵油かす、または発酵鶏ふんを株周りに施して、土を軽くほぐしながらよく混ぜ合わせてください。
パクチーを増やすには、種を収穫して次回の栽培に使うという方法をとります。なお、パクチーは一年草なので移植を嫌い、株分けで増やすには失敗しやすいです。また、挿し芽も失敗率が高いので、種を収穫して増やしていくのが確実です。
パクチーの種を採取したら、紙袋や封筒にいれて、冷蔵庫に保管してください。採取したその秋か、来春に種まきをして増やしていきます。パクチーの種の採取は、後述の収穫までの期間の項目を参考にしてください。
パクチーの葉を収穫目的をしている場合は、5〜6月ごろに伸びてくる花芽を取り除きましょう。一年草のパクチーは花を咲かせて種を残すことに全力で注力します。したがって、花をつけると葉にまわる養分が格段に減るので、未然に花芽を取り除く必要があるのです。
パクチーの花芽は、通常の葉とは違う、太めの茎にセリのような細い葉をつけるので、見分け方は簡単です。なるべく根元から取り除くようにします。
パクチーの葉はの収穫までの期間は、植え付けから40日ほどです。6〜8月下旬に収穫が可能です。必要な分を株元から摘み取るか、株ごと引き抜いてください。成長していくと葉の幅が細くなり、味や香りが落ちるので、早めに収穫しましょう。
パクチーの保存方法は、水をいれたコップなどに、パクチの根元をつけて、株全体を濡らしたキッチンペーパーなどで包んで冷蔵庫・野菜室に入れる方法がいいでしょう。この方法で2週間ほど保存可能です。
より長く保存したい場合は、根を落として、茎葉を刻んで冷凍しておくと、一ヶ月ほどの保存が可能です。
パクチーの種の収穫までの期間は、植え付けから120日ほどです。だいたい9月上旬から10月下旬に収穫可能です。花芽を取り除かずに育て、結実し、種が茶色くなってから、株ごと刈り取ります。
刈り取った株は新聞紙に包んで、風通しの良い日陰で管理し乾燥させます、株全体が茶色くなったら、株の先端についている種をふるい落として、収穫します。
パクチーには、βカロテン、食物繊維、カリウム、鉄、カロテン、ビタミンC・E・K、カルシウムなどが豊富に含まれています。
効能としては、消化促進や、整腸効果、デトックス効果、リラックス効果などがあると言われています。
パクチーは白い細やかな花をつけますが、花言葉は「隠れた才能」「隠れた長所」などがつけられています。その香りに似つかわしくない、効能があることが由来したそうです。
パクチーは夏場の管理さえ気を配れば、生育旺盛に育っていくので、初心者の方にもオススメです。キッチンハーブにもぴったりなので、ぜひパクチーを育てて、日頃の料理などに使ってみてください。
GreenSnap編集部