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里芋(サトイモ)は、ねっとりとした触感の独特な味わいで、芋煮をはじめとした和食の主役になる野菜です。栽培期間はやや長めですが、育て方は簡単で、畑だけでなくプランターで育てることもできるので、初心者の方もぜひ栽培にチャレンジしてみてください。ここでは里芋の育て方を、植え付け時期や植え方、水やり、肥料、土作り、収穫の項目に分けて詳しく解説していきます。
里芋はサトイモ科サトイモ属の根菜で、東南アジア原産のタロイモの仲間です。株の中心に親芋と呼ばれる大きめの地下茎がつき、その周りに子芋が複数つきます。また、サトイモの葉柄はズイキ(芋茎)と呼ばれ、こちらも食用に使われます。
また、里芋は初心者でも育てやすい野菜で、乾燥に弱く、水はけの悪い場所を好むので、他の野菜が作れない場所にも植えられます。
里芋は昔は田んぼのふちで栽培されることが多かった野菜です。乾燥を嫌い、水持ちのよい土を好みますよ。里芋栽培成功のポイントは「土を乾燥させない」「追肥した土を寄せる作業(土寄せ)」の2点です。早生種も晩生種もあるので、好みの品種を育ててみましょう。
サトイモは日当たりと風通しの良い場所で栽培します。半日陰~日陰でも育ちますが、丈夫な株を育てたいなら日がよく当たるところで育てましょう。
生育に適している気温は25~30℃と高めの野菜です。地温を高めると生長が早いので、畝にマルチを敷いて温めておくと良いでしょう。
日当たりは好みますが、土の乾燥に注意が必要です。サトイモは雨が多い夏によく育ちますよ。
里芋の植え付け時期は、4月上旬〜5月上旬頃が適しています。種芋から育て始めるので、種まきと同じように、種芋を植え付けます。
里芋の種芋は、ふっくらとふくらんでいて、形が良いものを選びましょう。すでに芽が出始めているものを選んで植えると育ちやすくなります。芽が出ていない場合は、芽出しの作業をしてから植え付けましょう。
里芋は、植え付ける2週間前から土作りを行います。
サトイモの種芋は、芽出しをしてから畑に植え付けましょう。芽出しの方法は次の章を確認してくださいね。芽が出ていない状態で植え付けても、うまく発芽しないことが多いので、必ず芽出しをしてから植え付けましょう。
プロからのアドバイス!
マルチシートを張ると地温があがり生長がよくなります。ひと手間かけることで栽培の成功率があがるのでチャレンジしてみてもよいと思います。マルチを張る場合には、土寄せ作業ができなくなりますので、少し深めに穴を掘りタネイモを植えてください。追肥した土を寄せるのが成功の鍵ですが、マルチシートを張ると追肥がしづらいため、タネイモとタネイモのあいだに元肥を多めに入れます。マルチングシートを利用する場合は、以下の2点を実行しましょう
里芋の種芋に芽が出ていない場合は、芽出しをしておくと良いでしょう。芽出しの方法は、以下の通りです。
里芋の種芋は「子イモ」を使用すると生育や収量が落ちると言われています。生育旺盛、収量があがるのは「孫イモ」なので、できれば孫イモを使用するとよいでしょう。
里芋は、植え付け後に追肥を2回以上与えます。肥料の量と与える手順は、以下を参考にしてください。
1回目の追肥は、5月下旬~6月中旬頃の、本葉が3枚出た時期が目安です。
里芋の株元に一株あたり、軽くひと握り(10~20グラム)の化成肥料を均一にまきます。少し離れた場所にまくのは、根を傷めないためです。
肥料と土を混ぜて株元にしっかり土寄せをしましょう。土寄せが足りないと子芋の芽が地上に伸び出てしまうため、小さい芋ばかりになってしまうので注意してください。
1回目の追肥と同じように、株元に一株あたり、軽くひと握り(10~20グラム)の化成肥料を均一にまきます。肥料と土を混ぜて株元にしっかり土寄せをします。
2回目の追肥以降は、里芋の生育に合わせて、1か月に1〜2回ほど、追肥と土寄せを繰り返しましょう。実の生長を促すため、小芋から出たわき芽は取り除くか埋めてしまいます。
里芋は乾燥にとても弱い野菜です。乾燥してしまうと収穫量も減ってしまうので、注意しましょう。特に、夏は気温が高くなるため水切れしやすくなります。この時期は必要であれば、1日3回の頻度で水やりする場合もあるでしょう。
基本的に、里芋へは収穫直前まで水やりしましょう。
サトイモは、育つのに比較的温度の高い環境が必要です。植え付ける前に畝にマルチを敷いておくと、地温が上がって育ちやすくなるほか、乾燥予防、雑草・害虫予防などの効果があります。
マルチを敷く場合は、マルチシートの上に水たまりができないように畝をしっかりとつくるのがポイントです。種芋の芽が出て、マルチを破ってきたら、マルチに穴を開けて芽を外に出してあげてください。大きく育てるためには、6月中旬にマルチを剥がすのがコツです。
サトイモの収穫は10月上旬~11月中旬ごろです。葉が枯れ始めたら収穫の合図です。霜が降りる前に収穫を終わらせましょう。
サトイモは、基本的にプランターで育てるのは適していません。サトイモは乾燥に弱いので、粘土質で湿っている土壌を好みます。プランター栽培では、土壌の水分が確保しにくいので、乾燥しやすくなります。
ただし、深さ30cm以上のプランターを使用し、常に水分量を管理できるようであれば、地植えと同じ方法で栽培できます。
サトイモは病害虫の被害を受けにくい植物ですが、アブラムシやヨトウムシの被害を受けることがあります。害虫は殺虫殺菌剤で駆除できますが、収穫する野菜には使うのを控えたいところです。
手間はかかりますが葉を1枚ずつ調べて見つけ次第粘着テープで駆除する方法が良いでしょう。予防として、株元に敷きわらやマルチシートを張り害虫を寄せ付けない環境をつくっておきましょう。
サトイモは、種芋から増やすことができます。種芋は収穫したサトイモから選別します。収穫した種芋の中から、傷みやキズのないきれいなものを選びましょう。このとき、親イモと子イモを切り分けずに株全体を保存しましょう。
サトイモを植えっぱなしにして畑の中で保存する方法もありますが、土の中で上手に越冬できないと凍って腐ってしまうことがあるので、おすすめしません。
里芋栽培のポイントは以下の4つです。この4つに注意して、丈夫で元気な株を育てましょう。
サトイモは、栽培期間は長いですが、意外と簡単にできるので初心者にもおすすめの野菜です。追肥を忘れないことで、ねっとり実の詰まった美味しいサトイモを収穫できますよ。
秋の収穫で土を掘る感触はとても気持ちの良いものです。ぜひ皆さんも収穫の喜びを味わってみてくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部