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シュンギク(春菊)の育て方|種まき時期や収穫方法は?プランターで栽培できる?

  • キク科

シュンギクは、菊に似た独特の香りとほのかな苦味が特徴の野菜です。春と秋に栽培ができ、栽培期間が短くとても育てやすいので、初心者にもおすすめの野菜です。

今回は冬が旬の葉物野菜、シュンギクの育て方についてご紹介します。

シュンギク(春菊)はどんな野菜?育て方は簡単?

連作障害
あり(1〜2年空ける)
栽培期間
3月中旬〜6月中旬、9月〜12月
生育適温度
15〜20度

シュンギクは地中海沿岸部が原産の葉物野菜です。秋〜冬が旬ですが、栽培シーズンは春まき・秋まきと年に2回あります。

生育適温は15〜20℃ほどと比較的冷涼な気候を好み、秋は病害虫が発生しにくいので、初心者は春まきで栽培を始めるのがおすすめです。シュンギクの後作には、ほうれん草や小松菜がおすすめです。

シュンギク(春菊)の栽培環境

シュンギクは、日光が当たらない日向で、風通しの良い場所を好みます。長時間日光が当たったり、高温の環境が続くと、とう立ちしてしまいます。ですので、夏場の栽培には適しません。

寒さには比較的強く、寒冷紗などで保護してやることで冬越しが可能です。春まきのシュンギクはとう立ちしやすいので一度に株ごと収穫しますが、秋まきのシュンギクは下葉から順番にかきとって収穫できるので、長期間収穫を楽しむことができます。

シュンギクのコンパニオンプランツは?

シュンギクは菊科の野菜なので、菊に似た独特の香りがします。この香りには虫除けの効果があるので、アブラナ科やシソ科の野菜と寄せ植えにすると害虫を避けてくれます。また、土中の養分をお互いに利用し合うので、生育にも良い影響がありますよ。

育てるシュンギク(春菊)の種類を確認しておこう!

春菊 種類 株立ち型 株張り型

シュンギクは葉の大きさによって、大葉、中葉、小葉の3種類に分かれます。その中で、家庭菜園で育てやすいのは「中葉」の品種です。

中葉には株姿が異なる「株立ち型」品種と「株張り型」品種の2系統がありますが、それぞれに間引きと収穫方法が異なるので、注意しましょう。

種まきをする品種がどのような系統なのかを調べてから栽培を始めてくださいね。

株立ち型シュンギクの特徴

株立ち型のシュンギクは、一本の太い茎が伸び、そこから分岐してわき芽が伸びていく株姿をしています。

収穫方法ははわき芽を剪定も兼ねて切り落とすように行う、摘み取り収穫です。一回の収穫量は少ないですが、長期間収穫ができるので、栽培適温が続く秋まき栽培に向いた品種です。

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家庭菜園士 七尾びび
プランターで栽培するなら、どちらかといえば株立ち型がおすすめですよ。

株張り型シュンギクの特徴

株張り型のシュンギクは、地面から複数の茎が伸び上がる株姿をしています。

収穫方法は根っこからそのまま引き抜く、抜き取り収穫です。全て抜いてしまうので継続して収穫はできませんが、1回の収穫量は多いです。シュンギクはそもそも暑さでトウ立ちしやすいので、株張り型は春まき栽培をして一気に収穫するのが向いています。

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家庭菜園士 七尾びび
株張り型のシュンギクは「菊菜(きくな)」と呼ばれることも。株ごと収穫のこのタイプは葉が柔らかくて美味しいですよ。

シュンギク(春菊)の土づくり

シュンギクは酸性土壌に弱いので、種まきの前にしっかりpH調整をしてあげましょう。適正pHは6.0〜6.5ほどの、中性に近い弱酸性を好みます。

プランター栽培の土づくり

イラスト:プランターの場合の野菜の土づくりの方法

シュンギクをプランターで栽培する場合、深さが15cm以上あるものを選ぶといいでしょう。標準サイズの600〜650サイズのプランターで十分に育てられます。自分で用土を配合する場合は、以下の要領で用意しておきましょう。

  1. 植え付け2週間前:赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1+化成肥料20〜30リットルを混ぜ合わせる
  2. 植え付け1週間前:pH調整のため用土1リットルあたり苦土石灰を2gほど混ぜる
  3. さらに1週間寝かせ、土をなじませれば完成

地植え・畑栽培の土づくり

イラスト 畑の土づくり 苦土石灰 堆肥

地植え栽培のシュンギクは、種まきの2週間前から土壌の準備をしましょう。

  1. 植え付け2週間前:1㎡に対して苦土石灰を100〜200gまいてよく耕す
  2. 植え付け1週間前:1㎡に対して堆肥2kg、化成肥料100gを畑の全面にまいてよく耕す
  3. 植え付け直前:幅60cm〜80cmの畝をつくる

シュンギク(春菊)の種まき

シュンギクは、種まきから育てるのが一般的ですが、市販の苗からでも育てられます。種まきの手間を省きたい方はホームセンターなどで市販されている苗を購入してきましょう。

春まきの場合は、育苗ポットに種まきをして、ある程度の大きさまで育てた苗を植え付けても良いでしょう。

種まきの時期

シュンギクの種まきに適した時期は、3月中旬〜4月中旬と、9月上旬〜10月中旬の2回です。ただし、シュンギクは冷涼な環境を好み、30℃以上になると生育が鈍るので、初心者は秋まきがおすすめです。

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家庭菜園士 七尾びび
シュンギクの種子は「好光性」なので、覆土は薄くしましょうね。種が隠れる程度にごく薄く。その後、土と種が密着するように手で押さえましょう。

プランター栽培での種まき

イラスト:プランターでのほうれん草の種まきの方法

  1. プランターに鉢底石を敷き、用土を入れる
  2. 指などで深さ1cm弱の溝をつくる
  3. 1cm間隔でタネを筋まきしていく。※二条とるときは間隔を15cmほど開ける
  4. 土を軽くかぶせ、たっぷりと水をやる

地植え・畑栽培での種まき

イラスト:畑の畝 畑に種を直まきする方法

  1. 畝にマルチを敷き、高さ15cm、横幅60cm〜80cmの畝をつくる
  2. 板などを使い、深さ1cmほどの溝をつける。条間は15cm開ける
  3. ネを重ならないように筋まきする
  4. 土を軽くかぶせ、たっぷりと水をやる

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家庭菜園士 七尾びび
水やりは種と土の密着度をあげる作用があるのでしっかりと行いましょう。発芽まで濡れた新聞紙を載せておく方法もおすすめです。これは、種と土が乾かないために行うので、分厚く被せてはいけません。発芽までの日数は約1週間ほどです。

シュンギク(春菊)の水やり

シュンギクの種まき後、発芽するまでの期間は水を切らさないように管理しましょう。この時期に水が切れると、のちの生育に影響が出ます。発芽地温は約20℃です。だいたい1週間ほどで発芽します。

プランター栽培の水やり

プランター栽培のシュンギクは、表土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。シュンギクは乾燥に弱いので、水切れには注意してください。朝夕の涼しい時間帯に水やりをすると良いでしょう。

地植え・畑栽培の水やり

地植え・畑栽培のシュンギクは、基本的に水やりは必要ありません。ただし3〜4日ほど雨が降らなかった場合は、朝夕の涼しい時間帯にしっかりと水やりをしましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
どちらの方法も共通して、水やり後、表面だけではなく、土の中まで濡れているか確認してみてくださいね。

シュンギク(春菊)の間引き

春菊 間引き

シュンギクの間引きは、株張り型なら収穫までに2回、株立ち型なら3回ほどおこないましょう。

  • 1回目:本葉が1〜2枚になったころに、株間が2〜3cmになるよう生育の悪い株を間引きします。
  • 2回目:本葉が4〜5枚になったころに、株間5〜10cmになるように間引きします。
  • 3回目:株立ち型シュンギクのみ、本葉が6〜8枚になったころに、株間10〜20cmになるように間引きします。株間はあければあけるほど一株あたりのサイズが大きくなります。

間引きするときは残したい株の根を傷つけない(周りの土を極力動かさない)ようにしましょう。間引く株を人差し指と中指で挟んでゆっくり引き抜きます。間引きをした後は、株が倒れないように軽く土寄せしてください。

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家庭菜園士 七尾びび
間引きした葉もちゃんと「シュンギク」ですよ。お味噌汁に入れるなどして食べてみてくださいね。

シュンギク(春菊)の肥料・追肥

シュンギクの追肥は、株の様子を見ながら収穫までに2〜3回ほど行うといいでしょう。それぞれ間引きをした直後に施肥をするようにします。

1㎡あたり20〜30gほどの化成肥料を、列の間に均等にまいたら、表面の土をほぐしながらよく混ぜ、株が倒れないように土寄せします。

シュンギク(春菊)の収穫

春菊 収穫方法 株立ち型 株張り型

収穫時期

シュンギクの収穫時期は、種まきから30〜50日ほど経ったころです。草丈が15〜20cmほどになったころが収穫の目安となります。

株立ち型品種の収穫方法

株立ち型のシュンギクは、最初の収穫のときに下葉を3〜4枚残してハサミで摘み取りましょう。数週間後、残した3〜4枚の下葉から新しくわき芽が伸びてきて再び収穫できます。

2回目以降の収穫では、新しく生えたわき芽の葉を2〜3枚残して、それ以外の葉を摘み取りましょう。

株張り型品種の収穫方法

株張り型のシュンギクは株ごと根元からハサミで刈り取るか、引き抜いて収穫します。引き抜いたシュンギクは、根をその場でカットしておくといいです。

シュンギクの種取りはできる?

シュンギクは、花が咲き終わった後にしばらく放置し、茶色くカラカラに枯れたら、種を取ることができます。枯れた花を切り取り、種を強く握ると種が出てきますよ。採取した種は、封筒などに入れて冷暗所で保管しましょう。

シュンギク(春菊)の防寒

シュンギクは比較的寒さに強い野菜ですが、5度以下の気温になると生育が衰えてしまいます。寒さで葉が痛みやすくなるので、冬場は寒冷紗などをかけて防寒をしてやりましょう。

そうすることで、長期間収穫が可能になります。

シュンギク(春菊)の栽培で注意する害虫・病気

シュンギクは比較的病害虫の被害が少ない野菜です。ただし、べと病、炭疽病は湿度が高くなりがちな時期に発生しやすいので、高畝にして水はけをよくしたり、薬剤散布で防除しましょう。

害虫は春はアブラムシ、秋はヨトウムシやネキリムシに注意してください。

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家庭菜園士 七尾びび
秋まきのシュンギクの場合、冬場の霜に要注意です。0度以下になると葉が黒くなって傷んでしまいます。
ホウレンソウは霜にあたると味がよくなりますが、シュンギクは霜にあたると葉が硬くなったり、枯れたりしますから、霜対策は必須ですよ。

シュンギク(春菊)の栽培のコツを抑えよう!

種まきから1カ月ほどで収穫できるほど栽培しやすいシュンギクは、まさに家庭菜園の入門野菜にぴったりです。とう立ちしたあとは、マーガレットに似た黄色い可愛い花も楽しむことができます。

プランターでも簡単に育てられるので、みなさんもぜひシュンギクの栽培に挑戦してみてくださいね。

この記事を監修した人

七尾びび

家庭菜園士・ベランダ菜園士。株式会社マイファーム松戸農園、松戸千駄堀農園の農園アドバイザー。 循環型の野菜栽培(コンポスト、たい肥づくり)に特化したアドバイザー。 化成肥料の栽培、完全有機栽培まで指導。日本園芸協会会員。同時に農業系、菜園系ライターとして活動中。

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春菊の基本情報

ジャンル
野菜
形態
一年草
学名
Glebionis coronaria
別名
原産地
地中海沿岸

春菊の性質

栽培難易度
易しい
耐寒性
やや強い
耐暑性
やや弱い
耐陰性
あり

時期

種まき
3月 、4月、9月、10月
肥料
4月 、9月
収穫
5月 、6月、7月、10月、11月、12月

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