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シュンギクは、菊に似た独特の香りとほのかな苦味が特徴の野菜です。春と秋に栽培ができ、栽培期間が短くとても育てやすいので、初心者にもおすすめの野菜です。
今回は冬が旬の葉物野菜、シュンギクの育て方についてご紹介します。
シュンギクは地中海沿岸部が原産の葉物野菜です。秋〜冬が旬ですが、栽培シーズンは春まき・秋まきと年に2回あります。
生育適温は15〜20℃ほどと比較的冷涼な気候を好み、秋は病害虫が発生しにくいので、初心者は春まきで栽培を始めるのがおすすめです。シュンギクの後作には、ほうれん草や小松菜がおすすめです。
シュンギクは、日光が当たらない日向で、風通しの良い場所を好みます。長時間日光が当たったり、高温の環境が続くと、とう立ちしてしまいます。ですので、夏場の栽培には適しません。
寒さには比較的強く、寒冷紗などで保護してやることで冬越しが可能です。春まきのシュンギクはとう立ちしやすいので一度に株ごと収穫しますが、秋まきのシュンギクは下葉から順番にかきとって収穫できるので、長期間収穫を楽しむことができます。
シュンギクは菊科の野菜なので、菊に似た独特の香りがします。この香りには虫除けの効果があるので、アブラナ科やシソ科の野菜と寄せ植えにすると害虫を避けてくれます。また、土中の養分をお互いに利用し合うので、生育にも良い影響がありますよ。
シュンギクは葉の大きさによって、大葉、中葉、小葉の3種類に分かれます。その中で、家庭菜園で育てやすいのは「中葉」の品種です。
中葉には株姿が異なる「株立ち型」品種と「株張り型」品種の2系統がありますが、それぞれに間引きと収穫方法が異なるので、注意しましょう。
種まきをする品種がどのような系統なのかを調べてから栽培を始めてくださいね。
株立ち型のシュンギクは、一本の太い茎が伸び、そこから分岐してわき芽が伸びていく株姿をしています。
収穫方法ははわき芽を剪定も兼ねて切り落とすように行う、摘み取り収穫です。一回の収穫量は少ないですが、長期間収穫ができるので、栽培適温が続く秋まき栽培に向いた品種です。
株張り型のシュンギクは、地面から複数の茎が伸び上がる株姿をしています。
収穫方法は根っこからそのまま引き抜く、抜き取り収穫です。全て抜いてしまうので継続して収穫はできませんが、1回の収穫量は多いです。シュンギクはそもそも暑さでトウ立ちしやすいので、株張り型は春まき栽培をして一気に収穫するのが向いています。
シュンギクは酸性土壌に弱いので、種まきの前にしっかりpH調整をしてあげましょう。適正pHは6.0〜6.5ほどの、中性に近い弱酸性を好みます。
シュンギクをプランターで栽培する場合、深さが15cm以上あるものを選ぶといいでしょう。標準サイズの600〜650サイズのプランターで十分に育てられます。自分で用土を配合する場合は、以下の要領で用意しておきましょう。
地植え栽培のシュンギクは、種まきの2週間前から土壌の準備をしましょう。
シュンギクは、種まきから育てるのが一般的ですが、市販の苗からでも育てられます。種まきの手間を省きたい方はホームセンターなどで市販されている苗を購入してきましょう。
春まきの場合は、育苗ポットに種まきをして、ある程度の大きさまで育てた苗を植え付けても良いでしょう。
シュンギクの種まきに適した時期は、3月中旬〜4月中旬と、9月上旬〜10月中旬の2回です。ただし、シュンギクは冷涼な環境を好み、30℃以上になると生育が鈍るので、初心者は秋まきがおすすめです。
シュンギクの種まき後、発芽するまでの期間は水を切らさないように管理しましょう。この時期に水が切れると、のちの生育に影響が出ます。発芽地温は約20℃です。だいたい1週間ほどで発芽します。
プランター栽培のシュンギクは、表土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。シュンギクは乾燥に弱いので、水切れには注意してください。朝夕の涼しい時間帯に水やりをすると良いでしょう。
地植え・畑栽培のシュンギクは、基本的に水やりは必要ありません。ただし3〜4日ほど雨が降らなかった場合は、朝夕の涼しい時間帯にしっかりと水やりをしましょう。
シュンギクの間引きは、株張り型なら収穫までに2回、株立ち型なら3回ほどおこないましょう。
間引きするときは残したい株の根を傷つけない(周りの土を極力動かさない)ようにしましょう。間引く株を人差し指と中指で挟んでゆっくり引き抜きます。間引きをした後は、株が倒れないように軽く土寄せしてください。
シュンギクの追肥は、株の様子を見ながら収穫までに2〜3回ほど行うといいでしょう。それぞれ間引きをした直後に施肥をするようにします。
1㎡あたり20〜30gほどの化成肥料を、列の間に均等にまいたら、表面の土をほぐしながらよく混ぜ、株が倒れないように土寄せします。
シュンギクの収穫時期は、種まきから30〜50日ほど経ったころです。草丈が15〜20cmほどになったころが収穫の目安となります。
株立ち型のシュンギクは、最初の収穫のときに下葉を3〜4枚残してハサミで摘み取りましょう。数週間後、残した3〜4枚の下葉から新しくわき芽が伸びてきて再び収穫できます。
2回目以降の収穫では、新しく生えたわき芽の葉を2〜3枚残して、それ以外の葉を摘み取りましょう。
株張り型のシュンギクは株ごと根元からハサミで刈り取るか、引き抜いて収穫します。引き抜いたシュンギクは、根をその場でカットしておくといいです。
シュンギクは、花が咲き終わった後にしばらく放置し、茶色くカラカラに枯れたら、種を取ることができます。枯れた花を切り取り、種を強く握ると種が出てきますよ。採取した種は、封筒などに入れて冷暗所で保管しましょう。
シュンギクは比較的寒さに強い野菜ですが、5度以下の気温になると生育が衰えてしまいます。寒さで葉が痛みやすくなるので、冬場は寒冷紗などをかけて防寒をしてやりましょう。
そうすることで、長期間収穫が可能になります。
シュンギクは比較的病害虫の被害が少ない野菜です。ただし、べと病、炭疽病は湿度が高くなりがちな時期に発生しやすいので、高畝にして水はけをよくしたり、薬剤散布で防除しましょう。
害虫は春はアブラムシ、秋はヨトウムシやネキリムシに注意してください。
種まきから1カ月ほどで収穫できるほど栽培しやすいシュンギクは、まさに家庭菜園の入門野菜にぴったりです。とう立ちしたあとは、マーガレットに似た黄色い可愛い花も楽しむことができます。
プランターでも簡単に育てられるので、みなさんもぜひシュンギクの栽培に挑戦してみてくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部