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ゴボウ(牛蒡)はユーラシア大陸を原産とする、キク科ゴボウ属の野菜です。秋冬の味覚として古くから愛されていて、栄養価の高さから、一目置かれた存在です。長らくゴボウを食用とするのは日本のみといわれていたものの、近年ではアジア諸国でも普及してきており、注目を集めています。
今回は料理で大活躍、ゴボウの育て方や栽培のコツをご紹介します。
ゴボウは日当たりのよい場所で栽培するのが適しています。耐暑性、耐寒性ともに高く、栽培しやすい野菜です。しかし、過湿を苦手としているので、排水性がよく、耕土の深い土壌を選びましょう。
ゴボウは水はけのよい土壌を好みます。さらに酸性土壌を嫌う性質があるため、酸度調整が必要です。
地植えでゴボウを栽培するときの土づくりは、植え付ける2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり150gほどまき、土壌酸度を pH5.5〜6.5にします。1週間前になったら元肥として、完熟堆肥を1㎡あたり2kg、緩効性化成肥料を1㎡につき150gを施しましょう。
そのあとは、空気を含ませるように土を深く耕し、幅50~60cm、高さ10~30cmの畝をつくれば完了です。
プランターでゴボウを栽培するときの土づくりは、「赤玉土小粒6:バーミキュライト2:砂2」の配合土がおすすめです。または市販の野菜用培養土を使用します。
ゴボウは、春まきであれば3月、秋まきであれば9月に種まきします。種は植え付ける前日に、一晩水に浸けておくと、発芽しやすくなります。
ゴボウを地植えで栽培する場合は、土づくりのときにつくった畝に、直径5cm、深さ1cmのまき穴をあけます。ひと穴につき4〜5粒をすじまきしましょう。ゴボウの種子は好光性種子であるため、くれぐれも深植えしないように注意してください。
発芽がそろったら、中耕と土寄せを忘れずに行います。
ゴボウをプランターで栽培する場合、深さが限られている容器では、通常サイズのゴボウは栽培できません。ミニゴボウなどの短根種を選びましょう。また容器のかわりに30cm以上の深さがある袋を使用してもかまいません。
プランター植えでは1cm間隔ですじまきを、袋栽培では2〜3箇所に3〜4粒ずつ、種をまいていきます。
ゴボウの水やりについては、乾燥に弱い幼苗のうちは、極端に乾燥に気をつけます。プランターでは表土が乾いたら水をたっぷり与えてください。やがて本葉4~5枚になったら、乾燥させてから水やりまでの時間を徐々に長くしていきます。地植えは水やり不要です。
地植えでゴボウを栽培している場合、緩効性化成肥料を1㎡あたり150g、完熟堆肥は1㎡あたり2kg施します。プランターでゴボウを栽培する場合は、土10L当たり10gを土と混ぜておきましょう。
追肥は本葉2~3枚のころ、本葉5~6枚のころ、間引いたあとに、それぞれ緩効性化成肥料を株周りに施しましょう。1株あたり10g、または1㎡につき120gあたえます。
ゴボウの収穫は種まきから2〜3ヶ月後、直径1cm以上に生長していれば適期となります。根元にスコップを挿し込んでから、葉柄をつかんで引き抜いて収穫しましょう。
地上部を刈り取り、そのまま地中に残しておくと、春に芽が生えて繰り返し収穫できるようになります。
ゴボウの栽培で注意したい害虫や病気は、苗立枯病や黒斑病、コガネムシです。
病害虫は発見したらすぐに、薬剤を使用したり、払い落としたりして駆除してしまいましょう。
ゴボウは一度切ったり乾燥すると、早くに傷んでしまう野菜です。収穫したら土のついたまま新聞紙で包み、根の先が下になるようにして冷暗所に保存します。すでに洗ったゴボウは、濡らした新聞紙のうえからラップで包み、冷蔵庫に保存しましょう。
さらに1ヶ月ほど長期保存したい場合は、根元を2cm出した状態で土に埋め戻します。
ゴボウは、シャキシャキとした特有の食感から、きんぴらごぼうはもちろん、サラダなどと合わせて楽しめます。さらにゴボウの皮には、豊かな香りやうま味が含まれているので、ごぼう茶をはじめとした、だしを活かした料理で楽しむこともできます。
ゴボウは、食物繊維やミネラルなどの栄養を多く含んでいます。なかでもイヌリンやセルロース、リグニンといった栄養素は、野菜のなかでもトップクラスの含有量を誇ります。いずれも腸管機能を活性化したり、がんや動脈硬化予防に効果があるといわれているので、積極的に摂取したいものです。
ゴボウは夏の7〜8月頃になると、紫色で筒状の花を咲かせます。花の見た目は、アザミに少し似ています。
ゴボウは万能食材であるとともに、私たちの健康も支えてくれる栄養がたくさん含まれています。家庭菜園であれば、数粒の種から収穫、調理を一通り楽めるのでおすすめですよ。
GreenSnap編集部