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醜男
牛蒡(ゴボウ) キク科ゴボウ属の二年草。原産地はユーラシア大陸。起源ははっきりしないが、自生種はヨーロッパ、リベリア、中国東北部などに広く分布する。日本には中国から伝来した。初期には薬草として利用された。野菜としての利用は平安時代以降とされる。なお、縄文時代初期の貝塚からゴボウの存在が確認されており、縄文時代に既に存在したとする説もある。根を食用としているのは日本及び、かつての名残でわずかに台湾及び韓国である。中国では薬草として、また若葉は少しではあるがヨーロッパでサラダとして利用されている。葉身は心臓型で、表面は淡緑色、裏面に白い淡毛がある。葉柄は30〜50㎝以上と長く、根生葉である。越冬後の春、高さ100〜150㎝ほどの花茎を出し、アザミ状の花茎をつける。根は30〜150㎝ほどに伸び、外皮は灰黄〜淡褐黄色、内部は極淡黄色を帯びた灰白色である。花期は7~8月。春に種子を撒くと翌年の夏に枝を分枝してその先にアザミに似た花を開く。 ゴボウといえば金平ごぼうが馴染み深い。元禄時代(江戸時代中期)にできたという。他に、煮物、天ぷら、鍋物などにされる。近年では細切りにした根を湯掻いてサラダにもする。ゴボウの根はあくが強く、変色しやすいので切ったあとによく水にさらして利用する。長時間の水さらしによるクロロゲン酸流出に留意する。香り・旨味と歯触り、魚肉の消臭効果を活かすのが調理のポイントとされる。栄養価の高い皮部の除去は最小限に留める。切り口などの黒化はメラニン色素の形成によるもので、水にさらすか酢などで防ぐことができる。鉄鍋を用いると酸化で黒化するので使用しない。ゴボウの根を多食するとニキビができやすく、種子や葉を食べるか煎じて飲むとニキビを治してくれる。 牛蒡は牛旁とも書き、中国から伝来した時の日本語読みが和名となった。『蒡』は『丸い葉が両側に広がる菜』のことといわれている。『牛』は一説には形がウシの尾に似ているため。かつては牛蒡を『牛房』、つまり『牛の房(ふさ)、牛の尾』とも書かれていたという。別説では、牛は単に大きいものを形容するもので、大きい菜類という意味だという。別名の一つ『悪実(アクジツ)』は、トゲの多い果実の様子が『格好の悪い実』とみなされたため。他の別名『馬蕗、旨蕗(ウマブキ)』は、葉が同じキク科のフキに似ていて、馬が好んで食べることにちなんでいる。古くは岐太岐酢(きたきす)や宇末不々岐(うまふふき、馬蕗とも)と呼び、いずれも『強い根』を意味するとされる。 栽培品種にはいくつかの分類がある。 ①短根型 京野菜として知られる堀川ゴボウがある。中心部にできる空洞に肉などを詰めて煮物としたりする。他に、近年増加しているサラダゴボウは長さ30〜40㎝ほどで播種後100〜120日くらいに収穫される。 ②長根型 現在の一般的な品種。晩生の『滝の川』とこれがさらに改良されたいくつかの品種がある。 ③葉ゴボウ型 若ゴボウとも称する。根は15〜20㎝と短く、通常は若い根と葉柄を利用するが、葉も利用する。 出典『野菜・山菜ハンドブック』『食材図典』『生薬単』『薬草の呟き』
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