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イチジクは不老不死の果物といわれ、女性に嬉しい美容成分がふんだんに含まれている果物です。
庭に地植えしても、鉢植えにしても育てられるので、育て方を覚えて美味しいイチジクをご家庭で楽しみましょう。
こちらの記事ではイチジクの育て方や、実がならない原因・対策などをふまえてご紹介しますので、ぜひご参考ください。
イチジクは他の果実と比べて、比較的初心者の方でも育てやすい果樹類です。落葉低木に属する果樹なので、収穫以外にも四季の変化を感じられて育てがいがあります。
樹高は自然に伸ばしても2〜3mで、剪定に不慣れな初心者でも育てやすいでしょう。
地植え、鉢植えともに栽培可能で、ベランダなどの狭いスペースでも育てられます。
果樹の中には異種株を2株育てないと受粉・収穫できないものもありますが、イチジクの一部の品種は、受粉をしなくても果実が大きく実る「単為結果」という性質を持つ品種もあるので、初心者はそちらがおすすめです。
また、イチジクには6月下旬〜7月下旬に収穫期を迎える夏果専用種と、8月下旬〜10月下旬に収穫期を迎える秋果専用種、そして夏秋兼用種の3種類があります。
夏果専用種は収穫期が梅雨時期と重なり、病害虫の被害にあいやすくなるので、初心者は秋果専用種か夏秋兼用種がおすすめです。
イチジクは、地植えでも鉢植えでも日光を好むので、日当りのいい場所を選びましょう。
地植えなら、南向きに日が当たる所がベストです。強風を嫌うので、風の当たらない場所に植えましょう。
鉢植えなら、大きくなりすぎないように、伸びてくる枝などきっちり剪定すれば、1mほどの高さに収まって収穫できるので、マンションやベランダなどでも、十分育てることができます。
なお、寒冷地での栽培は保温が必要になる場合があります。もともと亜熱帯地方に原産する植物なので、寒さにはやや弱い傾向があります。地植えした冬場で、翌年も収穫を見込みたいならば、保温対策をするべきです。
鉢植えならば、寒風の当たらない室内に移動させます。あまり暖房のきいた場所より、無暖房の室内がよいです。
イチジクの苗木を植え付けする時期は3月で、休眠期があける少し前くらいの時期がベストです。
イチジクの生育適温は15〜30度なので、気温が15度付近まで上がってきたら植え付けるようにしましょう。
なお、苗木の樹高が50cm以上伸びている場合は、主幹を地面から50cmの高さで切りましょう。こうすることで枝が分岐して、あとで樹形づくりがしやすくなります。
鉢植え栽培のイチジクは、1〜2年に1度の頻度で植え替えを行います。長年育てていると土の栄養分が失われたり、排水性も落ちてくるので、1〜2年に1回の頻度で植え替えをしましょう。
イチジクの植え替え時期は、3月です。ポットに入った苗木を購入した場合も、新しい鉢に植え替えてください。なお、3月をすぎて苗木を購入した場合は、真夏と収穫期を避けた時期であれば植え替えできます。
また、苗木が樹高30cm以上ある場合は、地面から30cmのところで切りましょう。枝が分岐して樹形づくりが進みます。
鉢植え栽培のイチジクは、1年を通して、表土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るようにたっぷり水やりをしましょう。多湿の状態が続くと根腐れを起こす可能性があるので、過度な水やりは必要ありません。
とはいえ、イチジクは水が足りないと果実が割れてしまうことがあるので、水切れには注意が必要です。
夏場は日差しが強く、土の表面が乾きやすくなります。水切れが起こらないように、表土の状態をチェックし、乾いていたら朝夕の涼しい時間帯に水をやりましょう。
地植え栽培のイチジクは、品種にもよりますが、とくに水やりはしなくて大丈夫です。自然の雨に任せましょう。
ただし、夏場に10日以上日照りが続く場合などは、水をあげてもかまいません。その辺りの調節は、お天気との相談になります。水切れしないように心がけましょう。
イチジクは新梢を伸ばしていきながら実をつけるため、生長のために肥料が多く必要になってきます。肥料が切れてしまうとイチジクの体力がなくなってしまうので、肥料切れしないよう、定期的に肥料を施しましょう。
地植えのイチジクの場合、12月〜1月の時期と、9〜10月の時期に追肥を施します。時期と追肥の方法は以下の通りです。
肥料の与え方は、株の周囲30cmのところに、深さ10cm程度の穴を数カ所掘って肥料をいれ埋め戻す方法がおすすめです。
鉢植えのイチジクの場合は、12〜1月の時期と、5・7・9月の奇数月に追肥を施します。水やりによって栄養が流れ出るので、地植えよりも回数を多めに定期的に与えます。
与える肥料は緩効性化成肥料で構いません。鉢の大きさと製品の規定量に合わせて肥料を施してください。水やりと一緒に溶け出して浸透するので、表土の上に置き肥しましょう。
イチジクは12〜3月の間に剪定をします。
とくに苗木から育てている場合は、栽培5年までの若木のうちに樹形づくりのための剪定や整枝をしっかりとすることで、その後数十年にわたって安定的な収穫ができるので、栽培するスペースや好みに合わせて樹形をつくっていきましょう。
イチジクは枝がやわらかいので、枝を誘引しながら育てていきます。あまり短く剪定せずに不要な枝のみ剪定する透かし剪定がメインの作業となります。
詳しい方法は関連記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
イチジクの収穫時期は品種にもよりますが、6月下旬〜7月下旬、もしくは8月下旬〜10月下旬の夏か秋です。
収穫時期になってもイチジクの実がならない場合は、下記の可能性が考えられます。
特に、イチジクは種まきから実がなるまでには2〜3年かかります。すぐに収穫をしたいという場合は、苗を入手する時点で3年生の苗を選ぶようにしましょう。
先述のとおり、受粉の必要がない品種を選ぶことも、確実に収穫するには大切な観点です。
また、イチジクは他の果樹よりも水分と栄養を多く必要とします。とくに鉢植えで育てている場合は土が乾きやすかったり、水やりによって栄養分が流れ出ていくので、定期的に与えましょう。
日照不足でも実がつかなかったり、味も落ちてしまうので注意しましょう。
イチジクは、摘果の必要はありません。ただし、小さい実や形が悪い実、病害虫の被害にあった実は摘果すると良いでしょう。
木が若くまだ小さいうちは、葉8〜10枚につき、1果を目安に摘果します。そうすると実が大きく育ちますよ。
イチジクは比較的病害虫に強い樹木ですが、カミキリムシには対策をしておかなければいけません。
カミキリムシは幼虫が枝や幹の中へと侵入して、木全体を枯れさせていってしまうことがあります。
株元におがくずのようなものがある場合は、それがカミキリムシの幼虫の糞です。それを見つけた時には、穴の開いている幹や枝に殺虫剤を吹きかけて駆除していきましょう。
イチジクの増やし方には、種まきや挿し木、もしくは取り木という方法があります。
種まきは育苗の湿温管理が手間だったり、取り木は作業工程が多いので、一番手軽なのは挿し木で増やす方法です。
どの方法にしても、増やした苗から収穫までには2〜3年かかるので、長い目で見て育てましょう。挿し木の方法は、関連記事を参考にしてくださいね。
イチジクが日本に伝来したのは江戸時代に入ってからで、その昔は薬の木として重宝されていました。現代でも栄養価が高く、美容効果が高いので、ドライイチジクなど女性好みの商品が売られていたりします。
果樹を家で育てるというのは難しいと思われますが、イチジクは初心者でも育てることができる果樹です。
品種によって収穫時期が変わってくるので、植え付ける際にどういった品種なのかを確かめておく必要があります。
実をつけたイチジクは毎日少しずつ収穫していくことができるので、長期間に渡ってイチジクの収穫ができるようになっています。
ジャムなどにも利用できるので、ぜひ自宅で育ててみてください。
七尾びび
GreenSnap編集部