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甘くてねっとりした食感が特徴のイチジクは、生食はもちろんドライフルーツやジャムなどで食べられています。
イチジクは品種が多く海外原産の品種が多くの割合を占めていますが、最近では国内産のイチジクも誕生していることをご存じですか?イチジクの種類について詳しく紹介していきましょう!
イチジクはクワ科イチジク属に分類される落葉高木で、西アジア~アラビア半島が原産の果実です。樹高は約3~6mにもなり、地植えと鉢植えどちらでも育てられます。
イチジクは漢字で「無花果」と書き、花が咲かないように見えていることから名付けられました。実際にイチジクは枝の先に花をつけず、実の中に花が咲くという大変珍しい果樹です。
イチジクには食物繊維のペクチンやカリウム、ビタミンEなどを多く含み、栄養価が高い果実として知られています。温暖な気候を好むため、北海道のような寒い地域では残念ながら育てることができません。
育て方は難しくないため、園芸初心者の方でも育てることができますよ。
イチジクは国内だけでも約100種類以上の品種があり、日本の主な名産地は和歌山県や愛知県、そして兵庫県などです。
イチジクは年に1〜2回収穫できる果実で、夏の時期に収穫するイチジクを「夏果専用種」、秋に収穫するものを「秋果専用種」、そして夏と秋に収穫できる品種は「夏秋兼用種」と呼ばれています。
また、イチジクは熟すと表皮が赤くなるのが一般的と思われていますが、これは蓬莱柿という日本で昔から流通しているイチジクがそうなるだけであり、なかには熟しても表皮が黄緑色のもの(青イチジク)や、白っぽいもの(白イチジク)、黒くなるもの(黒イチジク)があります。
イチジクを栽培するときは品種選びが重要です。とくに初心者の方が家庭で栽培するときにおすすめしたいのは、収穫が2度あって育てがいのある夏秋兼用種のイチジクです。次点で秋果専用種もおすすめです。
夏果専用種がダメというわけではありませんが、収穫時期が梅雨と重なるため、病害虫のリスクが高まり、初心者にはやや栽培難易度が高くなります。
人気のイチジクの品種を紹介する前に、まずは収穫タイプなどをそれぞれ簡単に表にまとめました。詳しい品種の特徴は次項からご紹介します。
桝井ドーフィン | 夏秋兼用種 | 大果100〜200g | 赤イチジク |
とよみつひめ | 夏秋兼用種 | 中果80〜100g | 赤イチジク |
バナーネ | 夏秋兼用種 | 大果120〜200g | 白イチジク |
蓬莱柿 | 秋果専用種 | 大果80〜120g | 赤イチジク |
ビオレソリエス | 秋果専用種 | 小果50〜80g/td> | 黒イチジク |
コナドリア | 夏果専用種 | 小果50〜80g | 白イチジク |
ホワイトゼノア | 夏果専用種 | 小果60〜80g | 青イチジク |
ザ・キング | 夏果専用種 | 小果40〜80g | 白イチジク |
国内では約8割を占める品種で、初心者の方でも栽培しやすく家庭菜園でも育てられます。夏秋兼用種で、夏果は約100~200g、秋果の場合は約50~110gとやや小さめです。
果皮は淡い赤色で果実の形はしずく型なのが特徴で、甘みはありますが後味はさっぱりしていますよ。収穫時期によって味などが変わり、夏果の方が味に定評があります。
福岡県が開発したとよみつひめは2006年に品種登録され、現在では市場に多く出回っています。糖度が17度以上とメロンのように甘く後味はさっぱりしていて、皮が薄いので丸ごと食べられことが特徴です。
とよみつひめは夏秋兼用種の品種なので、10月下旬頃まで収穫できます。果汁が多く味がよいことで有名な品種ですよ。
フランスが原産の白イチジクで、やや細長い形をしています。バナーネは夏秋兼用種で、夏果の重さは最大280gにもなり秋果も130gと大果なことが特徴です。
どちらの時期のバナーネも糖度が高く、濃厚な味わいで酸味はほとんどありません。秋果は甘さが濃厚なので、味においては秋果の方をおすすめします。
日本には江戸時代に渡来したと伝わる品種で、当時は薬用植物として利用されていました。見た目が海外の柿のようであることから「蓬莱柿」と呼ばれ、日本に長く定着していることから現在では「日本イチジク」とも呼ばれています。
味はほのかな酸味があり、イチジク特有のねっとりした食感が特徴です。夏果は9月上旬~11月上旬に収穫できますよ。
原産国のフランスでは昔から有名な品種で、国内では流通が少ないことから「幻の黒イチジク」とも呼ばれています。国内では佐賀県を中心に生産され、果皮は全体的に黒紫色で果実の大きさは約50~80gとイチジクの中でもやや小ぶりです。
秋果専用種の品種で、果肉は赤い部分が多くねっとりした食感で甘みも楽しめますよ。
アメリカ生まれの白イチジクで、1957年に初めて公開されました。コナドリアは果肉が柔らかく甘さは控えめで、ドライイチジクにするのに向いています。
国内では富山県にて栽培が盛んに行われ、収穫時期は8~9月頃なので夏果専用種ですが温暖な地域では年に2回実がなることが特徴です。
イチジクの中でも日持ちする品種で、耐寒性が優れているので秋田県や岩手県を中心に栽培されています。ホワイトゼノアは夏果専用種で果皮は黄緑色なことが特徴で、果肉はしっかりしていて皮ごと食べられますよ。
原産国のアメリカでは、ケーキに使用される品種として有名な品種です。
イチジクの中でも品質が高いことで知られ、生食だけでなくドライフルーツとしても利用されることが多いです。国内では本州~九州地方まで広範囲で栽培され、果実は卵型の白イチジクで夏果専用種なので6月中下旬~7月中旬頃に収穫されます。
味は滑らかで、程よく食べやすいイチジクです。6月下旬から収穫できます。味は「極上」といわれていますよ。
今回は8種類のイチジクの種類や品種を紹介してきましたが、それ以外にもイチジクの品種はまだ沢山あります。
品種によって味や形などが変わるので、まずは興味がある品種から試してみてイチジクの種類や品種を覚えてみてはいかがでしょうか?
七尾びび
GreenSnap編集部