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落花生の育て方|種まき時期や種を植える向きは?プランター栽培もできる?

  • マメ科
  • ラッカセイ属

殻の中の実が「ピーナッツ」と呼ばれ、おやつやおつまみとして様々な食品に使われる落花生。千葉県が名産地として知られるマメ科の野菜です。

落花生は栽培が難しそうなイメージがありますが、実は家庭菜園でも気軽に育てることができます。今回は、そんな落花生の育て方を、プランター栽培と地植え栽培に分けてご紹介します。

落花生はどんな野菜?育て方は簡単?

連作障害
あり(2〜3年空ける)
栽培期間
5月中旬〜10月中旬ごろ
生育適温度
15〜25℃

落花生は、マメ科ラッカセイ属に分類される一年草です。夏になると黄色い花を咲かせ、花が落ちた後に根元から出る「子房柄(しぼうへい)」が、土にもぐって実をつけます。

落花生は、栽培期間は長めですが、難易度は低く、初心者でも簡単に収穫できます。落花生は地下に実をつけるため、土をしっかり耕して、土壌の成分を整えてあげることが栽培のポイントです。

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家庭菜園士 七尾びび
砂質の土でも上手に育つマメ科の落花生。根についている”根粒菌(こんりゅうきん)”が空気中のチッソ分を固定し、根から吸収しますので、元肥(チッソ分)は控え目にするのがコツですよ!
栽培期間はちょっと長めですが、栽培の工程で難しい作業はありません。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

落花生の栽培環境

落花生は、日当たりがよく、暖かい環境を好みます。15~25℃の気温でよく育ち、15℃以下では生育しません。軽い火山灰土や砂質土でよく育ち、極端に粘土質な土壌では育ちにくくなります。

落花生は背丈が低く、栽培期間が長い野菜なので、家庭菜園では、周囲の野菜が生長しても日陰にならないような場所を選ぶのがポイントです。

落花生の土づくり

落花生は、石灰分を豊富に含んだ土を好みます。石灰分が不足すると、実入りや実つきが悪くなったり、必ず石灰分を施すのがポイントです。

プランター栽培の土づくり

プランター栽培の落花生は、市販の野菜用培養土を使用すれば良いでしょう。

地植え栽培の土づくり

地植え栽培の落花生は、水はけがよく、柔らかくふかふかした土を作ることがポイントです。落花生は土の中に実をつけるので、粘土質で多湿な土ではうまく育ちません。植え付けの2週間前には土壌の準備を始めましょう。

  1. 植え付け2週間前:1㎡に対して苦土石灰を100〜150gをまいてよく耕す
  2. 植え付け1週間前:1㎡に対して堆肥2Kg、化成肥料100gを畑の全面にまいてよく耕す
    幅70cm〜80cm、高さ15cmの畝をつくり、保温のために畝にマルチを敷く

落花生の種まき

地植え栽培では、株間45cm、条間50cmで苗を植え付けていきましょう。
落花生は、育苗ポットに種まきして苗を育ててから、プランターや畑に植え付ける方法と、直播きで育てる方法の2種類があります。種まきのあとは、鳥に種を食べられないように防虫ネットをかけておきましょう。

落花生の種まきの時期は?

落花生の種まき時期は、5月中旬~6月上旬です。落花生は寒さに弱いので、気温が上がって安定してきた時期に種まきを行いしょう。

育苗ポットに種まきする方法

落花生 種まき イラスト

  1. 種は殻から取り出し、薄皮を付けたまま一晩水に浸して吸水させておく
  2. 育苗ポットに土を入れ、1cmほど穴を開ける
  3. 1箇所につき2粒〜4粒ずつ、土に押し込むように種をまく
  4. 土をかぶせ、たっぷりと水をやる
  5. 害鳥対策のため、本葉が出るまでは寒冷紗か虫除けネットのトンネルをかぶせ、あたたかい場所で管理する
  6. 発芽し、本葉が3〜4枚に成育したら、発育の悪い株を間引いて1本立ちにする

直播きで種まきする方法

  1. 種は殻から取り出し、薄皮を付けたまま一晩水に浸して吸水させておく
  2. プランターの場合は、株間20cmの間隔で1cmほど穴を開ける。
    畑の場合は、畝に張ったマルチに株間45cm、条間50cmで深さ1cmほど穴を開ける
  3. 1箇所につき2粒〜4粒ずつ、土に押し込むように種をまく
  4. 土をかぶせ、たっぷりと水をやる
  5. 害鳥対策のため、発芽して本葉が出るまでは寒冷紗か虫除けネットのトンネルをかぶせる
  6. no-img2
    家庭菜園士 七尾びび
    落花生のタネは横にして埋めるのが上手に発芽させるコツですよ!

落花生の植え方

育苗ポットで栽培した苗の本葉が4〜5枚ほど出たら、プランターか地植えに植え付けていきましょう。

プランター栽培の植え方

落花生 植え方 プランター イラスト
育苗ポットで20日ほど育苗したら、地植えかプランターに定植していきます。プランター栽培では、株間20cmの間隔で苗を植え付けていきます。

  1. プランターの底に鉢底石を敷き、用土を入れる
  2. 用土に20cm間隔で植え穴をあける
  3. 根鉢にたっぷりと水を含ませる
  4. 根鉢を崩さないように取り出し、根鉢と同じ大きさの植え穴を掘り、苗を植えつける
  5. 株元に土を寄せ、根と土をしっかり密着させる
  6. たっぷりと水をやる

地植えの植え方

落花生 植え方 地植え イラスト

  1. 畝にマルチを敷き、45cm間隔で植え穴をあける
  2. 根鉢にたっぷりと水を含ませる
  3. 根鉢を崩さないように取り出し、根鉢と同じ大きさの植え穴を掘り、苗を植えつける
  4. 株元に土を寄せ、根と土をしっかり密着させる
  5. たっぷりと水をやる
  6. 気温が安定しないうちは、保温と病害虫を防ぐために寒冷紗をかける

落花生の肥料・土寄せ

種まきから1ヶ月後、落花生の花が咲き始めたら、追肥します。落花生は根から空気中の窒素を取り込むので、窒素成分の多い肥料は必要ありません。カリ成分が多い肥料を選んで追肥を行いましょう。

また、追肥と同時に土寄せを行います。落花生は、花が咲き終わった後に根元の子房柄(しぼうへい)が伸びて土の中にもぐり、実をつけます。このとき、土が固かったり、地面から花の位置が離れていると、土に入ることができません。株元にこんもりと土寄せをしましょう。

プランター栽培の追肥・土寄せ

落花生 追肥・土寄せ プランター イラスト

  1. 株元から離れたプランターの側面に、溝をつくる
  2. 溝に化成肥料をひと握り(5〜10g)施す
  3. 子房柄(しぼうへい)が土にもぐり始めたら増し土をして土にもぐらせる
  4. コンテナからはみ出しそうな枝は、枝ごと押し込む
  5. サヤが日に当たると、実が硬くなるので、しっかりと土をかぶせる

地植え栽培の追肥・土寄せ

落花生 追肥・土寄せ 地植え イラスト

落花生の花はしばらく続き、子房柄(しぼうへい)が出る範囲も広がります。土寄せのときは、ふかふかの土をたくさん寄せ集めて、しっかり土の中へ伸びていくのを手助けしてあげましょう。雑草があれば除草だけしておきましょう。

  1. 花が咲き始めたら、株を傷つけないようにマルチをすべて外す
  2. 畝の両脇にクワで浅く溝を掘る
  3. 溝に1㎡あたりひと握り(20〜30g)の化成肥料を均一に施す
  4. 土を肥料にかぶせるように溝を埋め、柔らかく株元に土寄せする

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家庭菜園士 七尾びび
土寄せ・中耕は花が咲くまでです。子房柄が潜り始めたら追肥だけ行うようにしましょう。

落花生の水やり

地植えの落花生は、水やりはほとんど必要ありません。真夏に晴れ間が続き、乾燥がひどいときは、朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと水やりをしましょう。

プランター栽培の落花生は、地植えよりも土が乾燥しやすいので、1日1回涼しい時間帯に水やりをしましょう。真夏の暑い時期は、朝夕の2回水やりをします。

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家庭菜園士 七尾びび
地植えの落花生は定植(苗を植え付けるとき)のみたっぷりと。あとは乾けば与える程度でOKです。
水を多く与えると子房柄が切れてしまう&病気(白絹病など)が発生しやすくなってしまうので、水の与えすぎに注意です。
とはいえ、土が乾きすぎるとカラの中身ができないこともありますので、乾いたらすぐにたっぷり与える→そしてまた乾かすを繰り返しましょう。

落花生に摘心は必要?

家庭菜園の場合は、落花生の摘心の作業は必要ありません。プロの農家など、たくさん収穫する必要があるので摘心を行いますが、家庭菜園の場合は、しっかりと土寄せをすることを意識しましょう。

落花生の収穫

落花生 収穫 イラスト

10月下旬〜11月上旬頃に、落花生の下葉が黄色く枯れ始めたら、収穫適期です。ひと株抜いてみて、実入りを確認してみましょう。サヤが充実していて、サヤに落花生の網目が出ていたら収穫できます。つる全体を持ち、株ごと引き抜いて収穫します。

収穫が遅れるとサヤのつけ根が傷んでしまい、引き抜いたときに土中に残ってしまうため、採り遅れのないようにしましょう。

採れたての落花生は塩茹でにして食べることができます。落花生は痛みやすいので、茹で落花生にするときは、収穫後すぐに調理しましょう。茹で落花生は、ホクホクの食感と甘味が楽しめ、普通のピーナッツとは違う味わいを楽しめますよ!

落花生の保存方法

落花生を保存するときは、まず天日干しでしっかりと乾燥させます。時間を掛けて乾燥させることで、渋みが抜けて、甘みと風味が増します。

乾燥の方法は以下の通りです。

  1. サヤについた土を払い落とし、株を裏返して広げた状態にする
  2. 鳥に食べられないように、ネットなどをかぶせる
  3. 1週間ほど天日干しにする
  4. 株をゆすってみてカラカラと音がするようになったら、茎はからサヤをとってさらに水洗いする
  5. 再び天日干しにしてしっかり乾燥させる

落花生の育て方で注意すべき病気・害虫

落花生を栽培していると、コガネムシやアブラムシなどの害虫が発生することがあります。病気には、灰色かび病、黒渋病、褐斑病(かっぱんびょう)、白絹病、そうか病、根腐れ病などがあります。

株間は十分に取り、本葉が出たら間引いて1本立ちにする等、風通しをよくする工夫をしてください。早期の発見と防除に努めましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
水のあげすぎで子房柄が切れると白絹病にかかりやすいです。注意しましょう!
また、6月は野菜栽培の敵「ネキリムシ」が多発することで知られています。
発芽した直後の葉を食べられやすいので、直播きの場合、ネキリムシが減る7月から栽培をスタートさせる農家さんも多いですよ!

落花生の栽培ポイント

落花生を上手に育て、実を多く収穫するためには、いくつか栽培のポイントがあります。まとめてみましたので参考にしてくださいね。

  • 実入りをよくするため、苦土石灰を施用する
  • 根粒菌が栄養分を作り出すので、元肥は控えめにする
  • 子房柄(しぼうへい)が土の中に潜りやすくなるよう、しっかり土寄せをする
  • 種用の落花生は殻ごと保存しておくとよい
  • 連作障害を避け、栽培間隔を2〜3年あける

落花生を家庭菜園で栽培してみよう!

落花生は栄養が豊富で、ビタミンやポリフェノールが豊富に含まれているほか、悪玉コレステロールを減らす「オイレン酸」などの脂質もたっぷりと含んでいます。

柔らかく土寄せするなど、栽培のポイントを覚えれば、初心者でも簡単に収穫を楽しめます。病害虫にも強い野菜なので、ぜひ家庭菜園で落花生の栽培に挑戦してみてくださいね!

この記事を監修した人

七尾びび

家庭菜園士・ベランダ菜園士。株式会社マイファーム松戸農園、松戸千駄堀農園の農園アドバイザー。 循環型の野菜栽培(コンポスト、たい肥づくり)に特化したアドバイザー。 化成肥料の栽培、完全有機栽培まで指導。日本園芸協会会員。同時に農業系、菜園系ライターとして活動中。

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落花生の基本情報

ジャンル
野菜
形態
多年草
学名
Arachis hypogaea
別名
ラッカセイ,ピーナッツ
原産地
南アメリカ

落花生の性質

栽培難易度
普通
耐寒性
弱い
耐暑性
強い
耐陰性

時期

種まき
4月 、5月、6月
植え付け・植え替え
4月 、5月、6月
肥料
6月 、7月、8月
開花
7月
収穫
9月 、10月

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