warning
error
success
information
レモンに似たさわやかな香りが特徴のレモングラスは、エスニック料理やカレーの香り付けに使われたり、ハーブティーとして人気のハーブです。
今回はレモングラスの栽培方法や収穫の方法、増やし方や冬越しの方法について、詳しくご紹介していきます。
レモングラスは、スラリとした細い葉が特徴のイネ科のハーブです。熱帯性の植物なので、暑さに強く、鉢植えでも簡単に育てることができます。
フレッシュ(生葉)でもドライ(乾燥した葉)でも使うことができ、良い香りを楽しむことができます。葉には殺菌・抗菌作用があり、胃腸の調子を整える効果が期待できます。
心身を元気づける効果をもつ「シトラール」というレモンと同じ香り成分が含まれているハーブです。姿はススキに似ていることで知られていますね。
レモングラスは、種からでも苗からでも育てることができます。毎年5月ごろから市販の苗が多く出回るので、手間をかけたくない方は苗から育てるのがおすすめです。
市販の苗を選ぶときは、葉色がよく葉に勢いがあって、ポットの中で根が回っていないものを選びましょう。
レモングラスは、水耕栽培でも育てられますが、発根したら土に植え替える方が良いでしょう。レモングラスの水耕栽培は、茎の部分から切り取り、水に挿すだけで完了です。水が汚れないように、毎日水を替えましょう。
レモングラスの種まき時期は、4〜6月頃です。種の発芽には気温20度程度必要となります。
レモングラスは、日当たりと水はけさえ良ければ土質を選びません。ただし、地植え栽培の場合は、土壌が酸性に傾かないように調整しましょう。植え付け2週間前に苦土石灰を施して、しっかりと耕しておきましょう。
鉢植え栽培の場合は、市販のハーブ用培養土を使用すれば良いでしょう。
レモングラスの苗の植え付けは、5月上旬〜6月中旬が適期です。苗の草丈が10cmほどになれば、植え付けましょう。植え付けの際は、土に元肥をすき込んでから植え付けるのがポイントです。
鉢植えのレモングラスは、深型の鉢やプランターを使って植え付けるのがポイントです。深さ30cm以上のサイズを選んで植え付けましょう。
鉢植えの場合は、ひとつの鉢に一株、横長のプランターの場合は、株間を30〜40cmほど空けるとよく育つでしょう。
地植え栽培のレモングラスは、草丈が1mを超えるほど生長します。大きく育つことを想定して、株間は広めにとっておくのがポイントです。植え付けの時、苗と苗の間は、50〜60cmほど確保しましょう。
霜がおりなくなってから植え付けてあげましょう。
レモングラスは、熱帯性の植物なので、日当たりの良い場所を好みます。寒さに弱いので、収穫期が終わった秋以降はベランダの陽だまりなど、できるだけ暖かい場所で管理するか、マルチをかけて寒さ対策をしましょう。
レモングラスは葉が茂りやすいので、葉が多くなれば適度に剪定しましょう。葉の量を調整して蒸れを防げば、夏の暑さにも十分耐えられるほど強いハーブです。
ただし、夏場の強い直射日光に当たりすぎると葉焼けすることがあります。鉢植えの場合は半日陰の環境に移動させ、地植えの場合は遮光ネットを使って日差しを遮ってあげましょう。
強い風には弱いので、日当たりがよく風通しがほどほどよい場所での栽培が適しています。
暑さには耐えられますが寒さに弱いハーブなので、地植えの場合も冬場は掘り上げて屋内で管理してあげたいですね。
鉢植えのレモングラスは、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやることが基本です。冬場のレモングラスは地上部が枯れますが、根は生きています。週に一回の頻度で水やりを続けましょう。
地植えレモングラスは、根がしっかりと根付いた後は、ほとんど水やりは必要ありません。夏場に日照りが続いて地面が割れてくるなど、極端に乾燥が進んでいる時はたっぷりと水をやりましょう。
また、水切れを起こすと葉が細くなるので、注意してくださいね。
レモングラスは、新芽が伸びてきたら収穫を開始しますが、そのとき同時に追肥をスタートさせましょう。春〜秋の生育期には1ヶ月に一度の頻度で追肥を施します。
食用のレモングラスは、有機肥料を選んで追肥すると安心です。一株につき軽く一握りの油かすを株の周りに施し、周囲の土と混ぜて軽く土寄せします。
肥料不足になると葉先が細くなります。色も悪くなってきますので、元肥・追肥ともに重要です。元肥には「緩効性肥料(ゆっくりと長く効く肥料)」がおすすめですよ!
鉢植え・プランター栽培の場合は、水やりや雨で流れ出しやすいため元肥は多めに入れてください。
鉢植えのレモングラスの根がいっぱいになれば、植え替えを行いましょう。地植えのレモングラスは、植え替えは必要ありません。ただし、地植えのままでは冬越しができないので、翌年も育てたい場合は、根を掘り上げて鉢植えに植え替えましょう。
レモングラスの収穫時期は、5月上旬〜10月下旬頃までです。1株あたりの葉が15枚生えたら、外側の葉から順番に、根元を10cmほど残してハサミで切り取って収穫します。
秋になり、根元が紫色になったら、緑の葉の部分だけを収穫し、ザルに乗せて乾燥させます。
レモングラスは原産地では多年草ですが、耐寒性が低く寒さに弱いので、日本での冬越しは難しいハーブです。気温を管理できれば冬越しできる方法もあります。
鉢植えで栽培しているレモングラスは、冬場は室内に入れて管理しましょう。地植え栽培のレモングラスは、掘り上げて鉢植えに植え替え、室内で冬越しするのが一番安全な方法です。
外で管理するしかない場合は、以下の方法で冬越しにチャレンジしてみましょう。
レモングラスの増やし方は「株分け」が一般的です。株分けの時期は、植え付け時期である春先か、冬越し前の時期が適しています。
レモングラスは生のままフレッシュハーブとして使う方法と、乾燥させてドライハーブとして楽しむ方法があります。フレッシュとドライでは風味が違うので、好みの方法を選んで保存し、使ってみてくださいね。
フレッシュの場合も、ドライの場合も、ハーブティーにしたり料理に使ったりして楽しむことができます。
生のままのレモングラスはあまり日持ちしません。フレッシュハーブとして使用するときは、収穫したあとに、葉を軽く洗って冷蔵庫の中に入れて保管しましょう。
地際の茎の部分は、球根のように膨らんでいて柔らかいことから、薄く刻んで料理の材料として使われます。茎の部分は冷凍することで、2〜3ヶ月ほど保存できます。
ドライハーブとして使用する場合は、葉を適度な大きさにカットし、ザルに移して乾燥させましょう。
また、細かくカットせず、長いままドライフラワーのように壁から吊るして保存する方法もあります。
レモングラスは生長が早いので、地植えにすると草丈が1mを超えるほど生育旺盛によく育ちます。また、鉢植えの場合もすぐに鉢全体に根が回ってしまう場合があります。
鉢植えのレモングラスは、根が回ったらひと回り大きな鉢に植え替えるか、株分けをして適度なサイズに切り分けて育てましょう。
地植えのレモングラスは、葉が茂りすぎた場合は収穫の予定がなくても適度に間引きを行いましょう。適度に剪定することで、風通しがよくなり元気に育ちます。
レモングラスは南インドやスリランカ、東南アジアに多く生息し、数十種類ほどが存在しているといわれています。中でも有名なのは、西インド種(西インドレモングラス、ホワイトグラス)と東インド種(東インドレモングラス、レッドレモングラス)でしょう。
日本で販売されているレモングラスのティーのほとんどは西インド種が用いられています。今では西インドで育てられているらしい東インド種は、茎が赤く柑橘系の香りだけでなくバラのような香りが強烈です。
一方の西インド種は、スリランカが原産だと考えられており、西インド諸島からアジア、アフリカといった熱帯地方で栽培されており白い茎を持ち柑橘系の爽快な香りをしています。
香りの質自体は西インド種の方が高く評価されていますが、ただ精油としては東インド種の方が多く用いられているようです。
なお今現在の栽培はインドだけでなく、ネパールやブータン、エジプト、オーストラリアなどでも、その生命力の高さを発揮してかなり広くで行われているようです。
レモングラスは、様々な用途に使える便利なハーブです。他のハーブにブレンドしてハーブティーとして楽しんだり、日本茶にブレンドすることで爽やかな風味をプラスすることもできますよ。
スッキリとした香りは、リフレッシュにも最適。料理や虫除けなどとしても使える便利なハーブなので、ひとつあれば重宝します。
初心者でも簡単に栽培できるので、ぜひ自宅で育ててみてくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部