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えんどう豆は、シャキシャキとした食感が特徴の緑黄色野菜です。実は、豆苗、キヌサヤ、グリーンピース、スナップエンドウなども、実は全てえんどう豆の一種で、収穫時期によって名前を変えて出回っています。
今回は、生長してもさやが柔らかくて甘く、スナックのように食べられるスナップエンドウの育て方をご紹介します。
えんどう豆(スナップエンドウ)は、中央アジアから中近東地域が原産のマメ科の野菜です。とても歴史の長い野菜で、古代ローマから栽培されてきたとされる野菜です。
えんどう豆は、晩秋に種をまいて春に収穫します。栽培期間は長いですが、育て方はそこまで難しくないので、初心者にもおすすめの野菜です。
えんどう豆は、日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。寒い場所を好む一方、暑さには弱い野菜なので、晩秋〜春にかけての気温が低い時期に栽培します。
株元が混み合い、水はけが悪くなると根腐れを起こすので気をつけましょう。
えんどう豆の種まきの時期は、10月中旬〜11月上旬です。えんどう豆は畑に直播きしても育てられますが、育苗ポットである程度の大きさまで育てても良いでしょう。
早まきすると、冬越しするには株が大きくなりすぎるので、種まきの時期はずらさないように注意してください。
プランター栽培のえんどう豆は、市販の野菜溶媒亜用土を使用すれば良いでしょう。えんどう豆は水はけの悪い場所が苦手なので、肥料はあまり施さなくても大丈夫です。
えんどう豆は、植え付けの2週間前から土壌の準備をしておきます。酸性の土壌を嫌うので、地植えで植え付ける場合は、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌を中和しておきましょう。
プランター栽培のえんどう豆は、深さが20cm以上、幅が30cm以上のプランターか8号以上の鉢を使いましょう。
プランター栽培のえんどう豆は、土の表面が乾いてコンテナが軽くなったら、たっぷりと水をやります。水やりは朝夕の涼しい時間帯に行いましょう。
えんどう豆は加湿が苦手なので、地植えの場合は自然に降る降雨で十分です。ただし、植え付けから根付くまでの期間は土が乾かないようにたっぷりと水をやりましょう。
冬の時期や、花が咲いたあとに土がかなり乾燥している場合は、暖かい日の午前中に水を与えます。
えんどう豆は、植え付けの翌年の3月中旬ころ、草丈が20〜30cmになれば支柱を立てて行きます。
プランター栽培の場合は、市販のプランター用支柱を使用すれば良いでしょう。
地植え栽培の場合は、支柱の立て方は以下の通りです。
えんどうを含むマメ科の植物は、根についている根粒菌が窒素をつくります。肥料を与えすぎると根粒菌が働かなくなるので、枝葉が大きくなり実がつきにくくなります。
追肥は、基本的に化成肥料を与え、植え付けの翌年の春に2回行います。1度目の追肥は3月中旬〜4月上旬です。支柱立てと同時に化成肥料を施しましょう。
2度目の追肥は4月上旬〜4月下旬ごろ、花が咲き始めたら施します。追肥の方法は以下の通りです。
えんどう豆は、収穫時期によって違った食感や風味を味わえます。
スナップエンドウは、花が咲いてから1カ月ほどで収穫適期を迎えます。収穫の目安は、さやが大きく膨らんでた頃です。
さやが膨らむ前に早採りにすれば、「絹さや」として収穫できます。また、さやが膨らみ切ってしわができた頃に収穫すれば、グリーンピースが収穫できます。
収穫したえんどうは、さやの上の部分をハサミで切り、さやのままポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
えんどう豆の葉に白い粉をまぶしたような斑点模様ができたら白いカビのうどんこ病です。低温が続き、乾燥しているときにできる病気で、そのままにしておくとカビが広がり、ほかのえんどう豆にも移りので、早めに薬剤散布をしましょう。
褐斑病は3〜6月の雨が続く時期に発生しやすく、褐色で凹凸の模様が葉や茎、さや、種にできます。これもカビの一種で、早めに薬剤散布をして広がらないように食い止めます。
株の上の方が黄色く枯れていたら立ち枯れ病です。土壌の中にあるカビが原因で、4年以内の連作や酸性土壌のときに起こりやすい病気です。他の株に移る前に薬剤を散布します。
葉に白い線を描いたような模様が見られたら、線の先にハモグリバエ(エカキムシ)がいる可能性があります。天敵なので、見つけたら指でつぶします。葉全体に広がっているなら、その葉も処分します。収穫が始まるころに発生するので見つけ次第駆除しましょう。
えんどうは越冬するので、冬には防寒が必要です。防寒対策には株元にもみ殻パークやわらを置くか不織布で覆います。ただ、わらからつるが出てくると、寒さで枯れるので2月には、株元に堆肥などを敷くか、あぜにわらを立てます。
えんどうのつるが伸びる前に2mほどの支柱を垂直にたて、ネットを張ります。つるが伸びてきたら、つるをネットに絡ませます。そして、追肥を施し、土寄せをします。
えんどう豆は、収穫する時期によって名前が変わります。熟しきらない早採りの状態で食べる場合は「絹さや」、さやも実も食べるスナップエンドウ、実のみ食べる実えんどう(グリーンピース)などの種類があります。
絹さやは、さやが若く実が小さいうちに食べます。「絹さや」は主に関東の呼び方で、関西では「さやえんどう」と呼ばれています。代表品種には成駒三十日、美笹、ニムラ赤花絹さや2号があります。
スナップエンドウは、実を大きくして、さやがパンパンになったときが採り時です。実もさやも茹でてマヨネーズや辛し和えなどであえて食べます。代表品種には、グルメ、スナック、ホルンスナックがあります。
実エンドウは、実が大きくなり、さやにシワがよって丸くなったら収穫します。さやは食べず、実を取り出して豆ごはんやカレーや肉じゃがなどに入れて食べます。
実エンドウの中で、和歌山でほとんど生産されているウスイエンドウは、豆ごはんによく使われる品種です。成分により品種が分けられています。
ほかに実に糖質が多い南海緑、久留米豊や実にでんぷん質が多い滋賀改良白花1号があります。ウスイエンドウや白竜は中間品種です。
春の香りと味、シャキシャキとした食感のえんどう豆を、ぜひ食卓で楽しんでくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部