空の青、水の青。自然の中で見る青は花との相性がいいですが、青と言っても色々な濃淡、暗明がありますね。生徒さんが生けた青い花器を使った作品を見ていきましょう
Ruth(ルース)さんの作品
アメリカらしい、大きなゆったりしたサイズのブルーガラス。これはアンティークではなく、今時のデザインの花瓶です。
大きなバラをメインに使った大胆な作品です。
アドバイス:
あれもこれもとも欲張らずに、花材を絞ったことで、大胆で印象的なアレンジになりました。バラの後にピンクのスプレーカーネーションが入っていましたが、それは抜いて代わりにテマリソウで形を整えました。色がぶつからないためです。
スターチ(スカスピア)の分量が多いですが、本人はこれが好きだというので、色の存在感も薄いのでよしとしました。
Audrey (オードリー)さんの作品
フロストガラス(すりガラス)の器は私のコレクションから選びました。この時期だけふんだんに使える芍薬をメインにしました。高さを出すため、リュウカデンドロンを選んだのもいいですね。
アドバイス:
初めに入れた2本の芍薬がかなり大きくて、器とのバランスが悪かったので、片方の色を変えピンクの小さなものに置き換えました。芍薬の葉が入っていなかったので、手前に加えるように指導しました。
スプレーカーネーションが長めに入っていたので、芍薬より下げるよう指導しました。
Irma(アルマ)さんの作品
持参してきたのは、耐熱ガラスのボウルです。
比較的大きいので、何を使うかで印象が変わってきます。
私の想像を裏切ってメインはポンポンマム3本です。
アドバイス:
アルマさんの入れたのは、濃いピンクのポンポンマム、器とどうコントラストをつけるのか興味津々でした。スターチスを足元に使い、色のバランスが改善されました。芍薬の葉をグリーンとして入れるというので、それなら高さを少し加えましょうと、芍薬の花も入れます。左にやや重さが偏るので、レースフラワーを右に加えてバランスをとりました。
Anita(アニータ)さんの作品
アニータさんの素敵なブルーグレーの花瓶は大きさも形もちょうどよく、手元にひとつあると飽きがこなくて、長く使える一品です。
渋めに生けたいということでした。
アドバイス:
この渋めにという言葉は難しい響きがあります。落ち着いて、鑑賞できるようなものを求めているのか?単に色の派手さを抑えたものなのか?アニータさんの意向は見ると心が落ち着く感じに、というものです。
芍薬をメインにスモークツリーと合わせましたが、ややパンチにかけます、もう一色加えましょうと私のアドバイスに、ピンクのスターチスを数本入れましたが、コントラストが強すぎで、葉物も加えたいのでアヤメを入れることにしました。仕上がりに満足してもらえました。
Mary(メアリー)さんの作品
マットなビンテージの青い花瓶を持参してきました。この花瓶も大きさや形が丁度よく、手元にひとつあると重宝します。
アドバイス:
作品に陰影をつけたいということで、芍薬の後ろ、足元に濃い色のナデシコを合わせています。葉物は重くならないように、セントジョンワートを使いました。左には変化をつけるために丸葉ルスカスを合わせています。
私が手直ししたのは、もう少し色の濃淡を付けたいと思いピンクのスプレーカーネーションを加えた部分です。
Elaine(イレーン)さんの作品
持参してきたのは美しい青色の陶器です。
この色に映える黄色の大きなバラをメインに、とそこまではサッと決まります。合わせる小花やグリーンを何にするかで迷います。
イレーンさんは私の生け花クラス当初からの生徒さんなので、自分のスタイルをしっかり持っている人です。また猫を2匹飼っているため、大きな空間には飾れないというハンデ(?)があります。
アドバイス:
花の色をあまり増やさない方が、全体としてはまとまって見えるので、その分グリーンで変化をつけるようアドバイスしました。
せっかく面白いリュウカデンドロンもあるのでスッと横に流し見せ場を作ります。
ここで大葉を入れてしまうと、重く、暑苦しくなるので、イレーンさんは左にイヌツゲを使います。バラの下にナデシコを入れることで、バラがグラグラ動かなくなり、落ち着きます。
私の手直しでは、ナデシコと全体をまとめて、さらに引き締めるため、背後にボケの赤っぽい葉を足しました。
Stefan(ステファン)君の作品
ガラスの薄い青緑の丸い花器を持ってきました。花を挿す部分が小さいので、花材が限られます。彼はとてもセンスがよく、一本一本の花ともじっくり向き合うので、私のクラスの中では、安心して好きに生けてもらえる、生徒さんです。
アドバイス:
Danise(デニース)さんの作品
こちらは忙しいデニースさんが花材だけを教室に取りに来て持ち帰って生けたものの写真です。
最初の出来上がりの時は、ほぼこの形に白い縁取りのあるピンクの菊をたくさん入れていました。何を見せたいにかよくわかりませんでした。
アドバイス:
この写真はの前のアレンジで菊ばかりが多くて目立つので他のものにあまり目がいかない状況でした。
今回のクラスのテーマは何でしたか?
そう、青い器を使って生けるです。青い器を生かさなければなりません。百合は大きくまだ開いていないので高く使うのはいいと思います…それぞれの花材が分離して見えるのが、私個人年上は好きではないのですが、デニースさんは庭の手入れが好きで寄せ植えをよくするので、その感覚が大きいのかもしれません。
強すぎる菊は抜きました足元のカーネーションはもう少し高さがあってもいいです。またアルストロメリアは花を少し落とした方がスッキリと見えるでしょう。
Valerie (バレリー)さんの作品
バレリーさんは私のコレクションからブルーと白のマーブル柄のガラスベースを使います。
この花瓶はやや挿し口が大きめです。
剣山は使わないので、花材は多めが落ち着きます。
アドバイス:
バラはもう少し高さがあっても良かったです。
後方にポンポンマム、カスピア、スプレー カーネーション、が入っています。
このカスピアは少し前に持ってきて、薔薇に添えたら良かったと思います。
使ったグリーンがリュウカデンドロンだけだったので、最後の手直しの時にスケアミントの葉を足しました。
Cherry(チェリー)さんの作品
この花器はやや小さめ、きれいなブルーです。
チェリーさんは盛花やシンプルで静かな和のスタイルを好みます。
縦のラインを生かして、シュッとした印象にしたいそうです。
アドバイス:
和の雰囲気に仕上げるには剣山から出る足元、水際(水際)がとても大切になります。あえて茎を見せて、足元をきゅっと小さくまとめたものが美しいのです。この器をそのまま使うと剣山が下に入るため、器が深くなります。ここでは小石を入れて底上げしてから、剣山を入れています。やや広がりすぎた芍薬を中央に寄せて完成しました。チェリーさんはリュウカデンドロンの高さを決めるのに時間がかかりました。2、3度チャレンジしてこちらの写真の長さに決まりました。長すぎても、短すぎてもしっくりこないから不思議です。
Donna (ダナ)さんの作品
私のコレクションから器を選びました。
のびのびとリュウカデンドロンを挿します。そしてバランスよく芍薬を入れました。
アドバイス:
「芍薬の後ろがスカスカで変なので、先生なんとかしてください」と言われました。
まずは芍薬の葉を加え、丸いつぼみを足します。スカスカの時は奥行きを見せるような箇所を作るのがベストなので、芍薬の後ろに強すぎない色や形の花材、ここではリュウカデンドロン、アルストロメリア、カスピアを足します。たくさん入れても芍薬とはぶつからないようにするのが大切です。
Marguerite (マルガリータ)さんの作品
マルガリータさんはたくさんの花を使った洋風生けが得意な人です。剣山の時には苦労していますが、大きめの花瓶が上手にまとめます。
アドバイス:
使ったお花の種類や色の組み合わせは良かったのですが、やはり茎が20センチ位ありまとまらない花材が放射線状に入っていました。
花だけを見ないこと、器のどこに自分の花を置きたいかそして動かないようにするにはどうしたらいいのかを説明していきます。
どの花の隣にどの色が合うのか?
花と花の間に入れるグリーンは、どんな葉物がいいのか?
ボリュームいっぱいに入れるには、茎を短くしないと花器とのバランスが悪くなることを話しました。失敗してもらえると、そこから具体的に説明して、生徒さんに前に進んでもらうことができます。
Linda(リンダ)さんの作品
リンダさんは私のコレクションから、薄型フロストガラスを選びました。
ピンクが好きなリンダさんは、芍薬もバラも菊も全て使いたいと言います。
アドバイス:
好きに生けてもらったら、ただ切った花が入っているだけ、まるでダメの代表のような形になってしまいました。
そこで横並びに入っている花の茎をすべて花器の高さにしてとアドバイスするとほぼこの形になりました。あとはグリーンをアクセントに加えて出来上がりました♪
Penni(ペニー)さんの作品
持ってきた器はうどんの丼をやや大きくしたような形。確かにブルーです🩵
さあ使うとなるとなかなか大変。
うちのクラスではオアシスは使いません。
環境に悪いこと、再使用はほぼできないことが理由です。テーブルの中央に置いて楽しみたいということです。
アドバイス:
大きめの剣山を入れてバランスを確認しながら花材を入れます。
メインは芍薬で周りを黄色と白で包んでいく感じにします。ペニーさんが完成した時、真上から見ると中央に穴が空いているような空間はありました。
そんな時の強い味方はテマリソウです。グリーンのボールのような丸いお花、中央に落とすように入れ空間を埋めます。すべての角度から見たところに同じ花を入れる必要はありません。ただ、外に飛び出た茎の先に大きな花がついていると重く見えるので、そういう長い茎先にはは軽やかに見えるものを使います。
私が使った青い花器
春に馬酔木(アセビ)と生けたものです。
空と白と薄いピンクが入っており、花器は形に丸みがあり、優しい印象です。
群馬の友人宅で生けた小花アレンジ。
小さな花瓶ですが、きりっととても爽やかな印象の色合いです。
青森の娘の家にあった花瓶に生けました。
きれいな空色の大きな花瓶にはゆったりとコントラストをつけて、スモークツリーを使いました。
まとめ
海も川も湖も水の色は青ではありません。
でも、私たちは水に空が映ることで、水そのものが青いような錯覚をしているのかもしれません。そして、それはそのままでいいと思うのです。花草木には青が似合う、そう思いませんか?
最後までみどりのまとめを見てくださり、
ありがとうございました。