今回は持っているけど使いにくい、こんな形はどうも…というような器を使い、苦手を克服します。
Linda(リンダ)さんの作品
お母様の形見という黄色い変形花器です。使いにくい理由は明るい黄色と器が浅すぎること。水を多めに入れて運ぶと、すぐに勢いよくこぼれます。最初はいつも通りに好きに生けてもらいました。
紫のアスターを1番高くして、さらにその後ろにはモクレンを入れていました。アルストロメリアは淡い色のピンクを使っていました。大きなアスターのせいで、花の部分が重く黄色い花器と分離して見えました。
アドバイス:
まずは何をメインに見せたいかを決めます。スナップドラゴンだというので、それらを高く入れます。アスターと黄色の器の色のコントラストが強すぎるので、アスターは最小限にとどめます。
ピンクのアルストロメリアを黄色に取り替えます。それで器と花の分離感が薄れますし、ピンクのスナップドラゴンがより目立ちます。
枯れそうでしたが、可愛い丸い菊を入れたいというので後ろに入れました。
Stefan(ステファン)君の作品
濁ったピンクはこんなときでないと手に取らない、と断言する彼の苦手色。私のコレクションから選びました。
枝物を使うのが好きな彼ですが、今日もやはりウンリュウヤナギに手が伸びました。
アドバイス:
両側の同じ高さに出ていた、右のウンリュウヤナギを抜いてユーカリを入れ、アクセントカラーにレンギョウを足しました。ハナナシを低くして、少し白がガーベラにかかるようにしました。ステファン君のスタイルを壊さず、差し色を入れた感じの手直しです。
Margulite(マルガリータ)さんの作品
持参の花器はとてもユニーク。地元の無名の作家さんの焼き物です。紙袋に捻りを入れたようなデザインでした。
見た目より重いですが、安定感のあるデザインだし、色も中間色に近いので、いろいろに使えそうな気がします。
彼女は数ヶ月前に参加しました。私より年上ですが、熱心な生徒さんで、いつも最後まで片付けを手伝ってくれる、真面目な生徒さんです。
アドバイス:
花器はどっしりしているので、いろいろな花を入れて盛りたくなります。
このアレンジにははじめ赤や紫色が多く使われていました。そうすると全体のトーンが重くなり、せっかく入れたハナナシの白が死んでしまいます。器の手前の白っぽい部分と花材を繋げるようにピンクを、少し影を作るように、紫を入れます。トーンダウンを吹き飛ばすために、黄色のアルストロメリアを入れました。左に入っていたウンリュウヤナギを抜いて、班入りピットの葉物に入れ替えました。形は元のままですが、花材はほぼ入れ替えてしまいました。
生徒さんも納得してくれました。
Heidi(ハイジ)さんの作品
しばらく国外の実家へ里帰りしていて、久々のお稽古でした。私のコレクションから、ボートのような変形花器を選びました。大昔、日本でお稽古に通っていた時に、生花の先生を通して購入したものです。無傷ではありませんが、まだ使えているのはすごいです👍
アドバイス:
さてシンプルな生け花が好きで、仕事で東京に19年も住んでいた彼女は、日本文化が大好き❤生け花の心得はないそうですが、なかなか形はしっかりと基本的なことは知っているような…
3種で生けるというのはこの花器にはいいと思います。花材が多すぎるとまとまらない感じになります。日本の菊の後ろに、もう1本菊が高く入っていましたが、そうすると、左に入れたまだ咲いていないシジミバナが目立たなくなるので抜きました。
普段は枝物の長さを変えるよう、注意するのですが、3本の流れるラインが花器とよく合っているので、そのままでよしとしました。
Penni(ペニー)さんの作品
私のコレクションからユークな花器を選びました。
菊とクリスマスローズで、写真よりは少し高めに生けてありました。ややバランスが悪い印象でした。
アドバイス:
バランスを良くするために、全体の高さを低くしました。左右に細葉ユーカリを足します。理由は広がりを出すためです。
またこのお稽古の時に豊富にあったスイセンを加えます。単調さを改善します。数種の形状の異なる花を使うことによって、繋がって単調に見える花器に変化をつけました。
Anita(アニータ)さんの作品
私のコレクションのスマイルフェイス花器を使いました。
ハナナシを高めに並べて使い、季節感を出していました。他の部分にピンクのアルストロメリアを入れていましたが、白っぽい色では引き締まらないなあ、と悩んでいました。
アドバイス:
花木を入れるには使いにくい花器なので、ここは枝を落として軽くします。濃い色のアスターで足元を引き締めます。一色では平坦になるので、菊を足します。
左にカットしたモクレンの葉を入れます。
かなり最初の形から変えてしまいましたが、アニータさんは手直し後のアレンジをとても気に入ってくれました😮💨
Ruth(ルース)さんの作品
持参の花器はビンテージでゴールドが入っています。サイズはやや小さめ。モクレンの葉が気に入ってガーベラと組み合わせました。作品には更に赤いアルストロメリアが右に入っていました。
アドバイス:
花器があまり大きくなかったので、ガーベラの他に濃い色が入ると、全体が重く見えてしまいます。そこで、アルストロメリアを抜いて、空いた場所にユーカリを入れて動きを出します。数カ所に白を入れることで器とのつながりを出しました。
ガーベラとモクレンは、彼女が生けたそのままの形です。
Joan(ジョーン)さんの作品
とても面白い、厚みのない器を持参してきました。器の色に合わせたスナップドラゴンを選び、左右に話して入れてありました。器をよく見ると、鳥が飛んでいる形になっていました。白鳥?カモ?
同色の花材を組み合わせ、落ち着いた雰囲気になっています。
アドバイス:
鳥の形を見ると、自然な流れにした方が花器の良さを引き出せるので、スナップドラゴンは同じ側に入れます、でも平凡にならないように花先は別方向にします。
緑に選んでいたレザーリーフが重たげなので、軽やかな動きのあるユーカリに入れ替えました。
Elaine(イレーン)さんの作品
黄緑色のビンテージ花器です。イレーンさんは長く生け花をやっているので、花器も豊富に持っています。
タイトにまとめた作品になりました。
アドバイス:
花器の面白さは、良く出せていない気がします。菊の花先はもう少し手前がよく、高さもちょっとあり過ぎるような気がします。
この赤はどうかなとも思いましたが、他にしっくりくる花材がなく、よしとしました。左右に対して入れてあったユーカリは立てるように入れ直しました。もう一捻り必要です。次回に同じ花器を使う時の宿題です。
Valerie (バレリー)さんの作品
早いもので新人だった彼女も、1番新しいメンバーではなくなりました、
私の白い器を使います。
ガーベラと白いバラ、薄いピーチカラーの カーネーションを選んで生け始めます。
この白い花器は使いやすいような、使いにくいような…使いにくい原因は挿し口が小さいことです。白いながらも存在感があるので、インパクトの強い花が必要になります。花材選びの部分は成功です。
アドバイス:
本人の選んだ花材はそのままに、差し色にアスターを入れるよう指導しました。手前の低いカーネーションは必要なかったのですが本人が入れたかったので、よしとしました。できれば葉物を加えたかったのですが、挿し口にスペースがありませんでした😅
Aurie(オーリー)さんの作品
私のコレクションからシンプルな、イキアの花瓶を選びました。
やや小さめですが、キッチン周りに置きたいのだとか。これが好きと選んだのは、ピンクの大きめの菊と、細葉のユーカリです。仕上がると何だかぼんやりして見えて、今一つ気にいらないとのことでした。
アドバイス:
ぼんやりして見えるときは差し色を足します。アルストロメリアの濃い赤を入れて、全体を引き締めます。葉も適度に付いているので、重くなりがちだった右とのバランスも、良くなります。さらに少しだけユーカリを左に入れ自然さを出します。目立ちすぎないように、スイセンも2本足します。これで花瓶との色のつながりが生まれました。
Irma(アルマ)さんの作品
昔の子供の遊具パチンコ(Yシェイプ)のような花器を持ってきました。いただきものだそうです。
小さいので何ができるのか、と心配げでした♪
アドバイス:
器に対して垂れ下がる分量で入れていたアルストロメリアを抜き、ひとつづつそれぞれに挿しました。長く入れたハナナシの枝は重く見えないように切り詰め、代わりにウンリュウヤナギの枝で動きを出しました。ちまちまとした形にならないよう、ヤナギのカーブがいい仕事をしてくれました。
まとめ
持っているのになかなか使えない花器が、あるものです。頂き物にその傾向があります。苦手を克服して、生けてみる。お稽古ではグループなので、生徒さん同士が持ってきた花器のストーリーを、シェアします。手元にまだあったというのは、縁や理由があるはずです。なんでもとっておくことはできませんが、数回か使ってみるのも大事なことかもしれません。
今回、私もこのバッグ型花器を図書館のイベント商品として手放しました。誰かがどこかで、楽しんでくれればいいな、と思っています。
最後まで、お付き合いありがとうございました。