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イチゴは普段の食生活でも果物として食べられていますよね。ビタミンCや食物繊維で人気のイチゴですが、実は観賞用イチゴも存在していることはご存知でしょうか。今回は、そんな観賞用イチゴとして知られる、オランダイチゴの育て方について特集していきます。
夏の気温が高いときは、観賞用イチゴを涼しい場所で管理するようにしてください。本来イチゴは寒さに強い植物ですが、強い霜には負けて枯れてしまいます。
強い霜は大体マイナス5度で発生します。冬は霜に当たらないよう、観賞用イチゴを軒下などに移すのが良いでしょう。
観賞用イチゴを育てるに当たって、水やりは重要なポイントとなります。観賞用イチゴは水分の大好きな植物ですが、やりすぎて過湿になってしまうと根腐れを起こしてしまいますので注意しましょう。
ただし、乾燥させてしまうと生育に支障をきたしてしまいますので、夏はとくに水切しないよう、よく見ながら育ててください。土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えます。
観賞用イチゴに窒素分の多い肥料を与えると、葉や茎は大きく生長することができます。その反面、良質な実を育てにくくなるので、あまり多くの肥料を与えない方が良いでしょう。
植えつけを行ってから3週間が経ったときと、2月下旬にさしかかったときに追肥を行います。与える肥料は、ホームセンターなどで販売している野菜用の肥料やイチゴ専用の肥料がおすすめです。
観賞用イチゴを地植えで育てる場合、堆肥や石灰を植え付ける場所の土に混ぜておきましょう。
観賞用イチゴの栽培に使う用土は、市販の「花と野菜の培養土」で十分です。よりイチゴに適した土を目指す場合は、アルカリ性の土を選ぶと良いでしょう。
配合土で育てるのであれば、赤玉土と鹿沼土と腐葉土を5:3:3でつくって植えてみましょう。特に鉢植えするときにおすすめです。赤玉土は小粒のものを使用するようにします。
観賞用イチゴの植え替えには、苗づくりが面倒であったり、地植えする場所がなくてプランターなどでお手軽に育てたい方には、深めのプランターや鉢を購入しておきましょう。
イチゴの苗は10月に入ると販売する時期になります。イチゴにはランナーと呼ばれる茎が株の根元から伸びて生長します。
植え付けを行う際は、株元の生長点に土が被さらないように植えていきましょう。この生長点に土がかぶっていることで生長を止めていしまい、最悪の場合枯れてしまいます。
高さ20cm前後で幅が65cmで奥行きが23cmほどのプランターであれば間隔を開けて3つの苗を植え付けることができます。プランターの底には軽石を敷いて、その上から花と野菜の培養土を注ぎましょう。
種まきの代わりにもなる苗づくりをするためには、4月か5月に花がついた苗を購入して、植え付けていきましょう。初夏に差し掛かった頃に、ランナーがアーチ状に伸びます。葉が4枚以上付いた頃に、ランナーを切らずに植え付けます。
親株や1番目の株ではなく、2番目以降の株を育てていきます。親株や1番目の株は、病気が進行していたり、大きくなりすぎて生長できないことがあります。
子株が大きく育ち8月に入ったら、ランナーを切り離して仮植えを行いましょう。それから2か月ほど経ったら定植を実行しましょう。
イチゴは種子から繁殖させると思いがちですが、栄養系繁殖で増やすことができます。栄養系とは、種子以外で増やしたもののことを指します。ランナーが土に触れることでその部分から根を生やします。そしてその根が新しい株に生まれ変わります。
子株は最初にできたものをー次株と呼び続けて二次株、三次株と伸ばしていきます。株が増えれば増えるほど小さくなっていくので、農家で育てているイチゴには、三次株のときに出荷するように定められています。
栄養繁殖とは要はクローンをつくっているようなものなので、子株でも同じ甘さのイチゴがつくということになります。
また、イチゴの実に付いている種子を剥がして土に撒いてでも増やすことができます。発芽率は8割を占めているので簡単に繁殖させられます。
イチゴの葉は手などでむしることができますが、根は簡単に掃除できないため、古い株や根は捨てましょう。老化した株を取り除けば、翌年以降に若い株が出てきます。
株が古いとウイルス病などに感染している確率が高いので、子株にも影響が出ます。
観賞用イチゴがかかりやすい病気には、灰色かび病やウドンコ病があります。
ウドンコ病は、実が全体的にうっすら白くなっていたものが次第に濃くなってうどん粉がまぶしてあるように見えることから付けられた病気です。葉が白くなると、光合成を妨げたり、栄養を吸収することができなくなります。
その影響で花が咲かない、果実が肥大しないという問題が置きます。
観賞用イチゴの栽培では、アブラムシに注意しましょう。アブラムシは葉にくっつき汁液して栄養を阻害してしまいます。また、ウイルス病の媒介もする厄介な虫です。
病気や害虫以外にも気をつけておいてほしいのが、「鳥」です。ベランダなどで育てていると甘い香りに誘われて鳥が食べてしまいます。ネットを張って鳥が入ってこられないよう対策しておきましょう。
イチゴは観賞用のものも含め、生育するのに必要な温度が17度〜20度と、やや涼しい気候が適温となっています。
イチゴは秋の低い気温と、日照時間が短いという条件で花芽が複雑化したり異質化します。その後にやってくる春から夏の初めあたりの高温と、日照時間の長さで開花や結実します。実ができると受粉します。受粉した後の結実には5度〜6度の温度が必要不可欠です。
観賞用イチゴの品種には、クワンシェ・ミランシェ・桜香・ワイルドストロベリー・蛇イチゴなどのあくまでも鑑賞するための果物です。
イチゴにはオランダイチゴ属に分類されています。オランダイチゴ属には、記載種や雑種及び栽培品種を合わせて20種類以上が存在しています。
現在でも育てられている栽培イチゴは18世紀のオランダでバージニアイチゴとチリイチゴをそれぞれ交配させたことで生まれた品種とされています。
有名なあまおうやさちのかなどのイチゴに比べて、観賞用であるため酸っぱい味がします。ただし、絶対に食べられないというほどではないので、気になる方は収穫してみてもいいかもしれません。
観賞用イチゴの収穫をする場合は、花が咲いてから30日ほど経った頃に、実を収穫していきましょう。
収穫するタイミングの見分け方としては、ヘタの当たりが赤く色が付いていると食べごろです。ヘタのすぐ上の部分をはさみで切ります。朝か夕方に収穫を行いましょう。
観賞用イチゴは実を楽しむというよりも、花を楽しむイチゴと思っておいてください。
先程も紹介した、桃の花のような桜色の花を咲かせる観賞用イチゴ「クワンシェ」は、1年を通して鑑賞することができます。「ミランシェ」は「クワンシェ」よりも、より濃いピンク色の花を咲かせます。
観賞用イチゴの苗を10月に植え付けたなら、春になると花が見られます。主に薄いピンク・赤(濃いピンク)・白色の花を咲かせます。
可愛らしい実をつけるイチゴ全体には、「尊敬と愛情・完全なる善・先見の明・幸福な家庭・あなたは私を喜ばせる」という西洋の花言葉があります。
春の暖かい季節にどこでも見かけることができるイチゴにつていご紹介しました。
今回はイチゴの観賞用では身を食べることよりも花を見ることを楽しんでもらいたいです。
中には実を食べることができる品種もあります。5〜6個食べれば1日分のビタミンCを補えるイチゴをプランターや鉢で育ててみてかいかがでしょうか。
GreenSnap編集部