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小松菜は、関東地方を中心に日本で古くから栽培されてきた野菜です。カルシウムや鉄分などの栄養が豊富で、野菜の中でもトップクラスの栄養を誇ります。
真冬以外なら一年を通して、いつでも栽培でき、収穫までの期間も短いので、ぜひ家庭菜園で育ててみてくださいね。今回は小松菜の育て方を詳しくご紹介します。
小松菜は栽培期間が短く育てやすいのが特徴です。暑さ寒さに強く、とても丈夫な野菜なので、真冬以外なら季節を問わず栽培できます。地植え栽培はもちろん、プランターでも簡単に育てることができます。種まきから1カ月ほどで収穫できるので、栽培期間を少しづつずらしていけば常備野菜になりますよ。
小松菜をプランターや鉢植えで育てる場合、容器は幅40cm以上、深さ15cm以上あるものを選ぶようにしましょう。標準650型とも呼ばれるサイズのプランターを用意しておけば問題ありません。
種を播けばほぼ100%発芽するといわれている小松菜は、ほったらかしても育つ強い野菜ですが、注意が必要なのは「害虫被害」です。露地栽培でもベランダ栽培でも、害虫対策は必須です。虫に食べられる被害さえ乗り切れば、小松菜の栽培は何も難しいことはありませんよ。
長時間の直射日光や、西日が当たる場所は避けましょう。短期間で収穫できるので、ほかの野菜の間に植えたり、混作でも栽培できます。
街灯の明かりで「長日(ちょうじつ)」状態になり、早めにトウ立ちすることもありますので、プランター栽培の場合は置く場所を工夫してくださいね。
小松菜は水はけと水もちのバランスのとれた用土を好みます。
プランター栽培の小松菜は、市販の野菜用培養土を使用すれば良いでしょう。プランターの底には鉢底石を敷き、水はけの良い状態をつくりましょう。
地植え栽培の小松菜は、種まきの2週間前から土壌の準備を始めます。
初心者でしたら、培養土で栽培を始めるのが一番簡単です。有機栽培を実践中の方は鶏ふんや油かすを元肥とすればOKです。
スジ播き後、あまり深く土をかけないように注意しましょう。とはいえ、浅すぎると水やりの際にタネが流れてしまうこともあるので、ほどよく。発芽までは特に、水やりは丁寧に!
小松菜の種まきの時期は、2月下旬〜10月下旬が適しています。発芽温度は15〜25度が目安です。
基本的に真冬以外の時期であれば一年を通して種まきができますが、初心者は害虫がつきにくい秋口に種まきして育て始めるのがおすすめです。春まき、夏まきは生育がより早いですが、虫がつきやすいので、寒冷紗などをかけて防虫を意識しましょう。
小松菜の種まき後、発芽するまでは土が乾かないように湿った状態をキープしましょう。
プランター栽培では、発芽するまでは新聞紙をかぶせて乾燥を防ぎ、芽が出たら日のあたる場所へ移動させるといいでしょう。
プランター栽培の小松菜は、表土が乾いたら、底穴から水が漏れ出るまでたっぷりと水やりしましょう。加湿には注意し、朝か夕方の涼しい時間帯に水やりしましょう。
地植え栽培の小松菜は、発芽してからは、基本的に水やりは必要ありません。自然の降雨で十分ですが、数日乾燥が続くようであれば、午前中の涼しい時間帯に、たっぷりと水をあげましょう。
小松菜は、種まきから収穫までに2回間引きを行います。プランター栽培では1回目の間引きだけでもいいでしょう。間引いたものは間引き菜として、食べることもできます。
1回目の間引きは、種まきから2週間ほど経ち、本葉が1〜2枚出た頃です。2回目の間引きは、本葉が3〜4枚出た頃が目安です。
小松菜の追肥は、間引きを同じタイミングで行います。プランター栽培の小松菜は、一株あたり5gほど、地植え栽培の小松菜は、1㎡に対して25gほどの化成肥料を、列の間にそってまきましょう。
肥料をまいた後は、土の表面をかるくほぐしながら混ぜ、株元に土を軽く寄せて押さえてください。
有機栽培を実践中の方は、追肥は「鶏ふん」もしくは「油かす」を与えるのが簡単です。葉のふちが黄色くなった場合には、カリウム不足の合図なので、「草木灰」の追肥がおすすめです。化成肥料でも鶏ふん、油かすでも与えすぎは厳禁です。窒素分が過剰になると葉が苦くなりますよ!
小松菜の収穫時期は、春まきでは種まきから30〜40日、夏まきでは25〜30日、秋まきでは50〜70日が目安です。草丈が15cm〜20cmで収穫します。とくに春夏は、生育スピードが早いので、収穫が遅れないように注意しましょう。取り遅れると、葉が硬くなり、味が落ちるので注意してくださいね。
小松菜は、株元を握って引き抜きぬくか、根元をハサミなどで切って収穫します。
越冬して春に花を咲かせると、菜花として食べることもできます。菜花は、花が咲く直前に手で取れるくらい柔らかい部分を収穫しましょう。
小松菜はアブラナ科の植物なので、アブラムシやヨトウムシ、アオムシ、コナガなどの害虫が頻発します。特に春先と夏場は害虫が発生しやすい時期です。寒冷紗や防虫ネットで覆って、害虫が卵を産み付けるのを予防してください。
防虫ネットをかぶせていないと、すぐに害虫に食べられてしまうので、注意してくださいね。
また、小松菜に発生しやすい病気は、白さび病、炭疽病などです。天候が不純な春と秋に発生しやすく、梅雨の長雨など過湿が原因となるので、しっかり間引きをし風通しがよくなるように管理しましょう。
小松菜は連作障害がおきやすいので、同じ場所で連続で育てるのは控えて、1年ほどは時間をあけるようにしましょう。小松菜自体の連作も避けたほうがよいですし、同じアブラナ科の野菜の栽培も避けたほうがよいですよ。小松菜の栽培後は、同じ場所で別の科の野菜を育ててみましょう。
連作障害が起きると、枯れやすくなったり病気が発生しやすくなるので注意してください。
プランター栽培なら土を変えれば問題ないと思われがちですが、プランター自体をきれいに洗浄しなければ菌や微生物が付着している場合があるので、連作障害が起きる可能性があります。
家庭菜園士 七尾びび
育ってきた小松菜に黒い斑点があることがありますが、これは「ゴマ症」という病気によるものです。病気とはいえ病原菌が原因ではなく、窒素分が過剰になることが原因ですので、ゴマ症によって小松菜が枯れたり、味が落ちたり、人体に影響がでるということはありません。白菜にもよく出やすい症状です。
ですが、窒素過剰は害虫被害にも遭いやすくなったり、食味が悪くなったり、あまりよいことがありません。小松菜栽培は追肥の量に注意が必要です。追肥なしの栽培をする方も多いほどです。
家庭菜園士 七尾びび
小松菜は、食べ終わった部分から再生栽培できるリボーンベジタブルでもあります。茎が枝分かれしている根元を捨てずに、根が生えるお尻の部分に水につけておくと、ぐんぐんと葉が伸びていきますよ。ある程度伸びたら培養土に移植して、収穫まで育てましょう。ただし、リボべジの小松菜は葉が少しかたくなることもありますよ。
家庭菜園士 七尾びび
間引きをしないで小松菜を育てると、栄養が届かず弱々しく味の悪い小松菜になってしまいます。美味しい小松菜を収穫したいのであればしっかり間引きをしましょう。
間引いたものも、間引きなしで食べられるので、もったいないと感じなくても大丈夫ですよ。
また、間引きをしないと、風通しが悪くなって病害虫の被害に遭う可能性も高くなります。間引きした小松菜は「つまみ菜」として食べることができます。みそ汁などに入れて食べるのもよいでしょう。
家庭菜園士 七尾びび
小松菜は、プランターを使うことで、ベランダや軒先など、限られたスペースでも栽培できます。栽培のポイントは、害虫を防ぐこと!春先と夏場は特に害虫に注意が必要です。唐辛子やにんにく、お酢などの自然に優しい自家製防虫スプレーも効果的ですよ。
収穫まで1カ月と期間が短く、常備菜としても活躍するので、ぜひ小松菜栽培に挑戦してくださいね!
七尾びび
GreenSnap編集部