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オリーブの木は地中海地域では盛んに栽培されている植物です。オリーブの木の実はオリーブオイルやオイル漬けなどとして盛んに用いられていますが、花の観賞価値も高い植物で、室内の観葉植物や地植えにして庭木として楽しめます。
今回は人気の庭木、オリーブの木の育て方・栽培方法について、詳しくご紹介します。
オリーブの木を育てるときの一番のポイントは日当たりです。オリーブの木は地中海の乾燥地帯に点在しているので、強い日差しと風通しのいい環境を好みます。
ほかの観葉植物や庭木よりも日当たりを好むので、室内でも屋外でも1日6時間以上、日光が当たる環境で育てましょう。育てる前に置き場所のチェックをしておくといいですよ。
室内にオリーブの木を置く場合、できれば置き場所は南向きの窓辺が好ましいですが、なかなか日当たりを確保できないときは植物栽培王のLEDライトなども併用して育てるといいですよ。
オリーブの木の水やりは、基本的にかなり控えめにして乾燥気味に育てます。
鉢植えオリーブの木なら生育期の春から夏の間は土が乾いたらたっぷり水を与えて、冬の間は10日に1回くらいの水やりで問題ありません。
地植えオリーブの木なら、2週間以上晴れの日が続くとき以外は、雨の水分で十分なので水やりの必要はありません。
水やりの頻度や正しい水やりの仕方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
鉢植えや地植えに関わらず、オリーブの木を育てるときは、植え付けや植え替えのときに土に腐葉土や緩効性化成肥料を元肥に施すほか、追肥も必要です。
追肥は6月と9月に、観葉植物用の緩効性化成肥料を置き肥して施しましょう。
どんな肥料がいいのか、肥料の与え方などは、こちらの記事を参考にしてください。
オリーブの木は定期的に剪定をすることで、株自体も健康に育ちますし、樹形も美しく仕立てられます。オリーブの木を剪定する時期は2月頃。基本的には混み合う原因となる不要な枝を間引きしたり、枝を切り戻して樹形を作っていきます。
室内に置く鉢植えオリーブの木なら、より株の風通しがよくなるように枝数を減らしたり、地植えオリーブの木なら電線にかからないように大きさを管理しましょう。
オリーブの木の木の栽培年数によっても剪定の仕方は異なるので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
鉢植えのオリーブの木を植え替える時期は4〜5月頃が適期です。とはいえ、真夏と真冬をのぞいけばいつでも植え替えできます。
オリーブの木は生育旺盛なので、植え替えをしないと根詰まりを起こしたり、根腐れをして枯れることもあります。鉢植えで育てるなら1〜2年に1回の植え替えが必要になるのですが、下記のような状態を目安にしてもいいでしょう。
オリーブの木を育てるときは、市販のオリーブの木専用土がおすすめです。専用土はオリーブの木が育ちやすいように酸度調整がしてあり、通気性や水はけも最適化されています。
もし専用土がなければ、果樹用の培養土か野菜用の培養土を使いましょう。実の収穫を目的とするなら必ず食用前提の土を使ってください。収穫せず観葉植物としてのみ育てる場合は、市販の観葉植物の培養土でもかまいません。
自分で配合する場合は、赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト(もしくは川砂)1の割合で混ぜたものに、緩効性化成肥料を元肥に施して寝かせます。1週間馴染ませたら、用土1ℓに対して2〜3gの苦土石灰を施して酸度を調整してください。植え付けはそのさらに1週間後です。
植え替えしたばかりのオリーブの木は、1週間ほどは明るい日陰で管理しましょう。また、この間水やりは土が乾ききる前に与え、肥料はやらずに育てましょう。
1〜2週間もすると根付くので、徐々に日当たりのいい場所に移動させて、その後は通常の育て方で管理します。
オリーブの木を庭に植え付けする時期は、4〜5月頃がおすすめです。9月に植え付けを推奨する人もいますが、9月以降は台風で強風・豪雨にあおられることが多いため避けた方が無難です。
オリーブの木を植え付けした後は、1〜2週間は土が乾いたら水やりをするようにしてください。しっかりと根付いた後は基本的に水やりの必要はありません。
また肥料は元肥となる有機肥料の効果が切れる、1〜2ヶ月後から追肥し始めます。植え付け後すぐに肥料をやると肥料やけを起こして弱ってしまうので注意しましょう。
じつはオリーブの木はほとんどの品種が一株だけでは結実しません。結実には品種の異なる別の株を近くで育てる必要があるので注意しましょう。
受粉のための株、受粉樹の品種にはネバディロ・ブロンコという品種が花粉の量が多くて最適です。1品種でも実がなる場合もありますが、確実に収穫したいなら2品種育てましょう。
鉢植えの場合は別々の鉢で育ててください。同じ鉢に2株植える生育不良になり弱ってしまうので注意。隣同士で育てればOKです。
地植えの場合はできれば5mほど離して植えるといいです。とはいえ、そこまでスペースが取れないという場合は1〜2m離して植えて、株立ち樹形のような形で合体させるように育てていきます。
オリーブの木は冬の寒さに当てることによって花芽分化が進んで、ゆくゆくはそこに実がなります。
地植えであれば冬の寒さで十分ですが、室内で育てる場合にはたまにベランダなどに出して、寒さにしっかり当てるようにするといいですよ。目安は10℃以下の気温で10日間ほど。しっかりと寒さに当てるようにしましょう。
オリーブの木は5〜6月ごろに開花しますが、このころに人工受粉をしておくと、より確実に実をつけることができます。ちょうどこの時期は日本では梅雨にあたるので、花粉が流れ落ちてしまい自然に受粉するのが難しいのです。
人工受粉のやり方は簡単です。まず開花後なるべく早めの段階で、花の下にコップを添えて筆などを使ってコップ内に花粉を落とします。コップに花粉が溜まったら、別の品種のオリーブの木の花に筆を使って花粉を付着させれば完了です。
摘果とはたくさんついた実の一部を取り除いて、残した実のほうを充実させるお手入れのことです。
オリーブの木に摘果はそれほど必要ありませんが、もしもたくさん実がつきすぎたときは摘果することで大きい実を収穫できるようになります。
7〜8月あたりに結実したのを確認できたら、葉10枚あたり実1個になるように摘果するといいですよ。
オリーブの木の苗を育て始めるなら春ごろに入手するのがおすすめです。オリーブの木の苗には接ぎ木苗と挿し木苗がありますが、初心者におすすめなのは接ぎ木苗のほうです。
接ぎ木苗とは別々の株のオリーブの木を繋ぎ合わせて増やしたもので、病気などにも強いという特徴があります。一方、挿し木苗はオリーブの木の枝の切れ端から発根させて増やした苗のことで、安価ではありますが接ぎ木苗ほど強くはありません。
見分け方は株下の幹・茎の色味を見れば簡単です。接ぎ木苗の場合は色が途中で変わっているはずなので慣れると見ただけでどちらかわかりますが、最初のうちはお店の方に聞いてみるのもいいでしょう。
そのほか、実の収穫を楽しみたいのなら2品種を育てる必要があります。品種の選び方はこちらの記事を参考にしてみくださいね。
ガーデンプランナー 松原真理子
基本的にオリーブの木は屋外での栽培向きですが、次の育て方のポイントを抑えれば、鉢植えにして室内で育てることもできます。
ガーデンプランナー 松原真理子
オリーブの木を地植えで育てる場合、植える場所の選び方と植え付け時に支柱を立てることが育て方のコツです。
オリーブの木の栽培には日当たりがよく風通しがいいところが適しているので、6時間以上日向になるような建物の日陰にならない場所で育てましょう。直射日光があたっても問題ありません。
また、日本では台風やゲリラ豪雨など、自然災害が最近増してきています。このような過酷な環境に耐えられるよう、しっかりと支柱を立てておいてください。
ガーデンプランナー 松原真理子
オリーブの木は寒さにはある程度強く、品種によっては-10℃くらいまでは耐えることができます。むしろ寒さにしっかり当てることによって、花もよくつくようになるのであまり防寒対策も必要ありません。
ただし、-10℃より寒くなる寒冷地で育てる場合、地植えにするなら株下に10cmほど腐葉土をのせてマルチングという防寒対策をしておくと安心です。春になったらそのまま土にすき込むだけでOKなので後処理も楽です。
ガーデンプランナー 松原真理子
オリーブの木の花が咲かない原因のほとんどは、栽培年数が若すぎることにあります。オリーブの木はだいたい5年以上の栽培しないと株が未熟で体力がないので花を咲かせられないのです。品種によっても異なりますが、栽培してから数年は鑑賞目的で育てるくらいの心構えでいたほうがいいですね。
ほかにも実付きが悪い場合には以下のような原因が考えられるので、心当たりがあれば改善しましょう。
ガーデンプランナー 松原真理子
オリーブの木の収穫時期は9〜10月ごろです。成木の場合なら、春に開花してから5ヶ月後くらいに実がつきます。
ただしオリーブの木は結実させるのにちょっとしたコツが必要なので、実つきをよくするためにこちらの項目を確認しておきましょう。
ちなみにオリーブの木は苗の植え付けから実がつくまでには、約3〜5年ほどかかるので、もしも初年度から収穫したいならば、実がついているオリーブの木を購入することをおすすめします。
ガーデンプランナー 松原真理子
オリーブの木は常緑樹ですが、だからといって葉を落とさないわけではありません。
なかでも、オリーブの木は5〜6月ごろがもっとも葉が落ちる時期と言われており、この時期は新芽が伸びる代わりに古い葉がぱらぱらと落ちていきます。
新芽が伸びているようなら葉が生え変わっているだけなので、病気ではないでしょう。
ガーデンプランナー 松原真理子
基本的にはオリーブの木は挿し木で増やします。挿し木用に30cmほどの元気な枝を切り落としましょう。これを用土に埋めていきます。あとは新芽が出てくるので、通常通りに育ててください。
ただしこうした挿し木による増やし方は、オリーブの木の木に負荷を与えるので、剪定などの際に生じた枝などを有効活用して行うのがおすすめです。
また種まきからでも増やすことはできるのですが、かなり発芽率が低い上に成長も遅いのであまりおすすめはしません。
ガーデンプランナー 松原真理子
オリーブの木を寄せ植えするときは、株下にオレガノ・ケントビューティー、ローズマリー、レモンタイムなどのハーブを合わせるのがおすすめです。
ハーブは他の草花よりも丈夫なので、オリーブの木が好むような寒さや日当たりの環境でも丈夫に育ってくれます。とくにオレガノ・ケントビューティーなどは花も可愛らしいですし、収穫して料理に使うこともできますよ。
ただし、ツバキやサザンカ、サツキなどは相性が悪いので、地植えにするときも近くに植えないよう
ガーデンプランナー 松原真理子
オリーブの木にはオリーブの木アナアキゾウムシという、オリーブの木特有の害虫がよく発生します。オリーブの木アナアキゾウムシの幼虫が発生すると幹の内部を食害されます。もしも幹に穴が空いているようならば、オリーブの木アナアキゾウムシが発生している可能性が高いです。
もしも発生したら、棒などを使ってほじくりだしましょう。また、薬剤散布も効果があります。
急に葉が散ってきたり、小枝が枯れ込んで来るような症状がある場合には、幹元をみてみましょう。小さな穴が空いていたり、木屑が散ってたりする場合には、オリーブの木アナアキゾウムシが来ている可能性が高いです。
オリーブは日当たりさえよければ鉢植えでも地植えでも丈夫に育ちます。なかには樹齢2000年を超えるオリーブの木もあるくらいなので、正しい育て方でお手入れをして長く育ててくださいね。
松原真理子
GreenSnap編集部