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庭木や観葉植物として人気のオリーブの木は、挿し木でかんたんに増やすことができます。ここでは、オリーブの木の挿し木に必要な道具や適切な時期などをご紹介します。
じつはオリーブの木は、種や枝を使って株を増やせます。中でも、オリーブの木の増やし方で一般的とされるのが「挿し木」という方法です。まずはオリーブの木の剪定で切り落とした枝を使って、「挿し木」に挑戦してみるとよいでしょう。
また、オリーブの木は「取り木」という方法で増やすことも可能です。こちらについても、後ほどご説明します。
オリーブの挿し木は適した時期に合わせて作業を行うのもポイントです。オリーブの挿し木の時期は、休眠期に挿し穂をつくる「休眠挿し」と、初夏になり成長が止まった頃に新梢から挿し穂をとる「緑枝挿し」が一般的です。
「休眠挿し」では、剪定時に切り落とした枝を用いて挿し穂をつくります。オリーブの木の休眠期にあたる3月〜5月頃まで(植え付け地でのサクラの開花直前の時期)が適期となります。
また、「緑枝挿し」では、オリーブの枝の成長が止まった6月中旬から7月頃におこないます。
そのほか、栽培用土も用意しましょう。こちらは育苗するための用土です。市販でもオリーブ専用土があります。またはオリーブの栽培に適したブレンド土をつくって植え付けます。
「挿し穂」とは、挿し木に使う枝や茎のことです。挿し穂に使用する枝は、前年に伸びた若くて元気な枝を使いましょう。
剪定で切り落とした枝を使う場合は、乾燥させないように、できるだけ長い枝のまま、湿らせたキッチンペーパーなどで包んでから、冷蔵庫の野菜室など低温の場所で保存します。
オリーブの枝は、芽吹く直前に10cmほどの長さに切り分け、根元に近い方をナイフで斜め切りにする。切り口は乾燥しないように、すぐにバケツに入れた水につける。
大きめの平鉢に、湿らせた鹿沼土(小粒)などを入れ、挿し穂を挿す。水をかけて根元を固めて落ち着かせる。挿し木用の用土を使ってもかまわない。
挿し穂は、葉芽が2芽ほど隠れる程度の深さで、5cmほど間隔をあけて挿す。
オリーブの挿し木の発根促進剤としておすすめなのが、「ルートン」です。使い方は挿し木の根本に、ルートンをまぶし、付着したまま土に挿して完了です。つけすぎないようにしましょう。
挿し終わった鉢は、直射日光の当たらない半日陰の場所で管理します。1か月ほどで葉が芽吹き、3か月ほどすると発根する。
※徐々に枝も伸びてきますが、十分に発根するまでは掘りあげない方が無難です。しばらく時間を置くことになりますが、翌年の3月頃まではそのままの状態で育苗しましょう。
オリーブの挿し木は、じつは鉢ではなくペットボトルで代用することもできます。
その場合は、2Lのペットボトルを上下半分に切り、底の方へ土を木を同様の手順で植え付けます。その後、上の方をかぶせ、空気が入らないようにピッタリとくっつけておきましょう。
挿し穂を平鉢に挿したら、そのまま直射日光が当たらない半日陰の場所にしばらく置いておきます。1か月から3か月ほど経つと発根し、枝も少しずつ伸びてきますが、根がしっかりと張るまでは掘りあげずに翌年の3月頃まではそのままの状態にしておきます。
挿し木が発根し、苗木として育ったら、苗木を鉢から外します。苗木は鉢から抜いて根鉢を軽くほぐした状態にしておきましょう。
苗木の植え付け用として、直径、深さ50cm程度の穴を堀り、掘りあげた土5、腐葉土2、赤玉土(小粒)3の割合で混ぜ合わせ、1株あたり200g程度の粒状肥料を混ぜ合わせましょう。
「取り木」とは、出させたい枝や幹を傷つけたり、その周りをはいだりすることにより、その部分に栄養分が溜まりそこから発根を促進させ、苗木を作る方法です。
取り木のメリットとしては、親株を枯らすことなく、株を増やせる方法で接ぎ木に続いて成功率も高いことがあげられます。初めての方は剪定する予定の枝を用いると、失敗してもその部分を切り落とすだけで木に余分な負担を与えずに済みます。
オリーブの木も、挿し木以外に「取り木」で株を増やすこともできます。取り木に適した時期は、春先から秋頃です。
※水苔は、発根するまでの間、水分を補給しなければならないので、できるだけたくさん巻くのがおすすめです。
挿し木は発根するまでが勝負時ですが、うまく発根させるためには、挿し木の時期や、土の質、発根促進剤を適切に使用・使い分けすることがポイントです。小さな枝から苗木が育ち、やがて木として育っていく過程を観察できることはなかなかうれしいものです。ぜひチャレンジしてみましょう。
GreenSnap編集部