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ゴーヤは、独特の苦味が特徴の南国の野菜です。チャンプルーに欠かせない食材として、沖縄でよく食べられているイメージがありますね。ゴーヤは生育旺盛で、暑さにも病害虫にも強いため、家庭菜園にとてもおすすめの野菜です。
今回は、そんなゴーヤの育て方や栽培のコツを紹介します。
ゴーヤは、ウリ科ツルレイシ属の野菜です。東インド・熱帯アジアが原産で「ツルレイシ」や「苦瓜(ニガウリ)」とも呼ばれています。栄養価が高く、夏バテ防止にも効果的な野菜です。
ゴーヤは生育旺盛で、暑さに強く病害虫にも強いため、とても育てやすい野菜です。地植えはもちろん、プランターを使って育てることもできます。日差しを遮るシェードとしても育てられるので、ベランダ菜園にもおすすめの野菜です。
ゴーヤの栽培環境は、日当たりがよく、風通しと水はけが良い場所が適しています。収穫が目的でない場合は、日陰でも十分栽培できます。実を収穫したい場合は、日陰だと花が咲きにくくなったり、実がつきにくくなるので注意してくださいね。
ゴーヤは暑い国が原産なので、直射日光にも強く、西日に当たっても枯れることはありません。ただし、ベランダ栽培のゴーヤは、照り返しで伝わる地面の熱で根が蒸れて傷んでしまうことがあるので、プランターの下にブロックなどを敷いて風通しをよくしましょう。
ゴーヤの種まき時期は、4月中旬から5月初旬頃が適期です。育苗ポットに種まきして苗を育てましょう。ゴーヤは発芽するのに高い気温が必要です。種まき後は気温の管理が必要なので、初心者の方は市販されている苗から育てると、より一層簡単に育てることができますよ。
ゴーヤを植える時期は、5月中旬頃〜が適しています。ゴーヤは高温の環境を好むので、植え付けは気温が高くなってから行いましょう。あまり早く植えると、早くから枯れ始めるので残暑のころには枯れ葉が目立つようになっているかもしれません。
プランター栽培のゴーヤは、用土は市販の野菜用培養土を使用しましょう。元肥入りの用土を選ぶとさらに良いですよ。
地植え栽培のゴーヤは、植える2週間前から土壌の準備をはじめましょう。
ゴーヤの植え付け苗が完成したら、いよいよ苗を植えていきましょう。
ゴーヤは高温を好むため、気温・地温が充分あがってから植え付けましょうね。
プランター栽培のゴーヤは、深さ30cm以上、横幅が50cm以上のプランターに植えつけます。基本の植え方は地植えと同じですが、プランターの底には鉢底石を敷いておきましょう。株間は30cmほどあけ、ひとつのプランターに植えるのは2株までにしましょう。
ゴーヤの水やりは、地植え栽培でもプランター栽培でも1日1回の頻度が基本です。気温が低い朝の時間帯に水やりをしましょう。ただし、夏場の暑い時期は水枯れしやすいので、朝夕2回水をあげます。
水やりの際、ゴーヤの花には水をかけないように気をつけてください。花びらに水がかかってしまうと蕾がしぼみ、花が咲きにくくなることで実もなりにくくなってしまいます。
6月上旬〜6月中旬ごろ、支柱を立ててゴーヤのつるを絡めて誘引していきます。支柱立ての方法は以下の通りです。
プランター栽培のゴーヤは、市販のプランター用支柱を使うか、プランターの左右に支柱を立てて、ネットを張っても良いでしょう。窓際に物干し竿をかけるフックなどがある場合は、フックに支柱を通して上からネットを張ることもできます。そうすると、緑の葉が日差しを遮るシェードのような役割を果たしてくれます。
窓の前でゴーヤを育てる場合は、プランターと窓の距離を50cm以上あけるのがポイントです。
地植え栽培のゴーヤは、合掌式に支柱を立てて誘引していきます。
ゴーヤのつるが伸びはじめたら、伸びたつるを支柱やネットに絡ませながら誘引します。支柱には、優しく八の字結びで縛りましょう。
地植え栽培のゴーヤは、支柱全体につるを絡みやすくするため、50cmほどの高さに紐を張ります。もしくは支柱の全体にネットを張っても良いでしょう。
つるがさらに伸びてきたら、誘引用のひもを足して、前回よりも50cm高い位置にひもを張り、つるを誘引していきます。
ゴーヤの摘心・整枝の時期は、7月下旬〜8月上旬ごろです。つるが伸びて葉が混み合ってきた部分を剪定していきましょう。摘心の方法は以下の関連記事を参考にしてくださいね。
ゴーヤの植え付けから1カ月後を目安に、2週間に1度の頻度で追肥をしていきます。ただし、肥料を与えすぎると肥料焼けして逆に弱ってしまうので、草勢を見て元気がないときは追肥をしましょう。
プランター栽培のゴーヤは、2週間に一度のペースで緩効性肥料か液体肥料を規定の容量施しましょう。肥料は株から離した位置で与えるのがコツです。
緩効性肥料のなかでも鶏ふんは特におすすめです。「完熟」「発酵」と記載されているものを選んでください。
ゴーヤの収穫時期は、7月下旬〜10月上旬です。表面の凸凹が大きくなって、ツヤが出てきたら収穫に適した時期です。実が縦に伸びず横に広がってきたら成長が止まってきている証拠です。ゴーヤはつるが丈夫でかたいので、ヘタ付近をハサミで切って収穫しましょう。
受粉されずに実った小さい実を時々間引きしておくと、残ったゴーヤに栄養が届き美味しいゴーヤを収穫することができますよ。ゴーヤは、ひとつの株から大体30個ほど収穫できます。
開花からだいたい15日~20日ほどで立派な実になります。
ゴーヤの種取りは、完熟した実から行います。ゴーヤを収穫せずに放置していると、実が黄色くなり完熟します。実は甘いので、そのまま食べることもできます。
種取りをする場合は、実の周りについたゼリーをよく洗って乾燥させ、薄暗い場所で保管しましょう。同じ種から来年もゴーヤが作れますよ。
ゴーヤと相性が良い野菜は、ネギや玉ねぎなどのネギ類の野菜、ニンニク、らっきょうなどのユリ科の野菜です。ネギ類やユリ科の野菜と一緒に植えると、つる割れ病やウリハムシを遠ざけてくれる効果があります。
また、同じ沖縄の野菜であるシカクマメや、ササゲなどの豆類とも相性が良いのが特徴です。豆類と一緒に植えると、両方とも絡まり合って育つ性質なので、ゴーヤと一緒に豆も収穫できます。
ゴーヤはウリ科の野菜なので、同じナス科の野菜を植えた後の土壌では連作障害が起こる可能性があります。地植え栽培では、以前と場所を変えて育てましょう。
プランター栽培のゴーヤも、昨年と同じ土や古い土を使うのは避けましょう。新しい土を用意して栽培を始めてくださいね。
ゴーヤは他の野菜に比べて病害虫に強い野菜ですが、葉が密集する特性があるので、一度病気にかかると株全体にすぐ広がってしまいます。葉だけでなく、茎や実にも病気が発生するので注意が必要です。
害虫では、アブラムシやハダニの被害に注意しましょう。また、ゴーヤの実を食害する害虫にも注意が必要です。実に小さな穴が開いていて、周囲に小さなフンが落ちている場合、ウリノメイガという蛾の幼虫の被害を疑いましょう。害虫による実の食害を防ぐためには、実に網目の細かいネットをかぶせたり、事前に農薬を散布するのが良いでしょう。
ゴーヤは本来多年草ですが、四季がある日本の本土では冬場は枯れてしまいます。そのため、日本では一年草として扱われています。ゴーヤを冬越ししたい場合は、寒くなる前に室内に入れ、気温の管理できる場所で冬越しさせましょう。
ゴーヤは栄養価がとても高く、暑い夏の夏バテ予防にもぴったりの野菜です。ゴーヤは苦いイメージがありますが、薄くスライスし、よく水にさらせば、苦味が薄れて食べやすくなりますよ。
ゴーヤは実だけでなくワタも食べられるので、ぜひ収穫後の料理を楽しんでくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部