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キリンドリカは、サンスベリア属の植物で、その中でももっとも空気清浄効果が高いと話題の観葉植物です。筒状の葉が突き刺さったようなユニークな見た目が、個性的かつスタイリッシュなので、男女問わずグリーン好きをうならせる植物です。
今回はそんな魅力あふれるキリンドリカの育て方についてご紹介します。
キリンドリカは適度な日当たりを好みますので、直射日光をさけた日当たりの良い場所か、明るい日陰で管理するようにしましょう。ほかのサンスベリア属と比べて耐寒性が高く、3度程度まで耐えられるので、温暖地であれば地植えも可能ですが、基本的には鉢植えで管理するといいです。
キリンドリカは過湿に弱いので、通気性の良い鉢を選びましょう。素焼き鉢、木製、コンクリートなどの素材がいいでしょう。縦に高く伸びる植物なので、細形の深い形の鉢がおすすめです。
サンスベリア属は耐陰性が強いといわれますが、キリンドリカに関しては耐陰性が比較的低いので注意してください。日の当たらない室内でも育ちますが、週2回、1日5時間ほどの日光浴が必要です。
春から秋にかけては、キリンドリカの活動が活発になる生育期となります。室内で育てる場合は、レースカーテン越しの日当たりの良い場所に置いてください。また、屋外に置く場合は、直射日光をさけた日当たり・風通しの良い場所を選びましょう。
キリンドリカの耐寒温度は3度程度ですが、屋外に置いている場合は、最低気温が10度を下回るようになったら室内に移動しましょう。窓際のガラス越しに日光をあて、夜になって窓際が冷え込む前に、室内のなかほどに移動させます。
キリンドリカはもともとアフリカの乾燥地が原産です。多肉質な葉に水をためていて、乾燥に強く、過湿を嫌う性質があります。水やりの回数は控えめにして乾燥気味に育てましょう。
鉢の中の土が完全に乾いているかどうか確認するには、割り箸を一度土にさして、引き抜いてみるといいです。割り箸に土がつかなければ、完全に乾いている状態をさします。その際の鉢の重さを記憶して、目安にしたり、市販の水分計を使うのもいいでしょう。
生育期のキリンドリカには、土が完全に乾いたら、底穴から水がもれるまでたっぷり水やりをするようにします。湿度の高い梅雨期や、真夏の30度以上の高温期には、鉢中が蒸れるので、水やりのペースを少し落としてください。根腐れの原因にもなりますので、受け皿に水をためたままにしないでください。
キリンドリカの冬の休眠期は、極力水やりを控えて育てます。鉢の土が完全に乾いてから、2〜3日たってから、たっぷりと水をあげるようにしましょう。
ほかのサンスベリア属は休眠期に断水を行う場合もありますが、キリンドリカは耐寒性がよいので、非常にゆっくりと活動しています。冬でも断水せずに株の様子を見ながら水やりをしていきます。
キリンドリカは水はけの良い土を好みます。配合は赤玉土小粒5:軽石(もしくは日向石)4:ピートモス1などの比率がおすすめです。市販のサンスベリア専用土、多肉・サボテン培養土などを選ぶものおすすめです。
キリンドリカは春から秋の生育気にかけて肥料を施してください。緩効性化成肥料を2ヶ月に1回ほどのペースで与えます。肥料の与えすぎは逆に弱らせてしまう可能性があるので、土の量や株の大きさに対する規定量から、やや少なめに施肥するのがおすすめです。
キリンドリカは生育旺盛なので、必ず1〜2年に1度は植え替えするようにしましょう。植え替えの適期は5〜9月の間です。
植え替えの前は水やりを控えて、土を乾かしておきます。キリンドリカを鉢から引き抜いて、根鉢を3分の1ほど崩して古い土を落としましょう。このとき、茶色く変色した根があれば切り落としてください。一回り大きい鉢に鉢底石と新しい用土をいれ、植え付けていきます。
キリンドリカを植え替えした直後は、室内、もしくは風のあたらない明るい日陰におきましょう。根が新しい環境に慣れるまでは、葉水をこまめにしながら、完全に土が乾き切ってから水やりをするようにしてください。
キリンドリカは株分けと葉挿しで増やすことができます。どちらも適期は5〜7月です。
キリンドリカは次々と子株を生やしていくので、株分けをして容易に増やすことができます。植え替え時の根の整理の際に、2〜3株の子株の束をナイフで切り分けます。キリンドリカは地中で横に伸びる地下茎で繋がっているので、葉の根元を見て分けましょう。
切り分けた新しい株は別の鉢に植え付けて、水やりをします。発根して安定するまでは、支柱を立てて葉を紐で結びつけておくといいです。
キリンドリカは葉を切って挿すことで増やすこともできます。清潔なハサミ、もしくはナイフを使って、傷のついていないハリのある葉を、地面と並行(葉の伸びる方向に対して垂直)に10cm間隔で切っていきます。2、3日日陰に置いて切り口を乾燥させたら、切り分けた葉の基部を下にして、2分の1程度の深さまで、赤玉土小粒に挿しましょう。
葉挿し後は、明るい日陰で管理し、水やりは土が乾いたらあげるようにします。1ヶ月で発根、半年後に新たな葉を生やします。
キリンドリカは葉挿しすると縦に葉を伸ばす性質が変化する可能性があります。葉挿しをしてできた子株は、まっすぐに上に伸びず、斜め上向きに葉を出して伸びていきます。これはキリンドリカ“パツラ”として出回る変種です。
キリンドリカにはカイガラムシ、アブラムシなどが通年、気温の高い乾燥期にはハダニが発生しやすいです。葉をあらゆる角度から観察して、見つけ次第駆除しましょう。
キリンドリカは、サンスベリアの中でも珍しい品種ですが、見た目・育てやすさ・空気清浄効果の点で、とても人気の植物です。成長すると1m以上にまで伸びていく大型の植物で、葉に入る横シマの模様が特徴です。
似た品種にスタッキー、キリンドリカの変種にキリンドリカ“パツラ”、キリンドリカ“オバケ”などがあります。
キリンドリカに個別の花言葉はありませんが、サンスベリアには「永久」「不滅」などの花言葉がついており、その意味合いからも縁起が良く、開業祝い、結婚祝い、長寿祝いなどの贈り物に向いています。
キリンドリカは耐寒性も比較的よく、乾燥にも強いので、サンスベリアの中でもとくに育てやすい品種です。数年前までは流通量が少なく、高値で販売されていましたが、最近では人気に伴って、ネット販売で入手も簡単にでき、小さいものなら1000円程度で手に入るようになりました。
育て方のコツを抑えて、ぜひキリンドリカをおうちで育ててみてください。
GreenSnap編集部