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パキラは中南米を原産とする観葉植物で、その育てやすさから最近では100円ショップにも並ぶほど人気の植物です。インテリアの定番ともいえるパキラは、ガーデニング初心者にも育てやすく、2mほどに成長する樹木なので、室内での存在感も抜群です。今回はそんなパキラの育て方について、初心者にもわかりやすいようにご紹介します。
パキラの育て方のポイントは「季節によって水やり頻度を変えること」と「できるだけ日当たりのいい場所に置くこと」です。
また、室内で育てる場合はコバエがわかないような水はけの良い土と肥料を選ぶのがおすすめです。
慣れてくれば挿し木で増やしたり、枝を三つ編みに編んでよりおしゃれに飾ることもできるので、成長とともに楽しみ方が広がる魅力のつきない植物ですよ。
植え替え | 5月、6月、7月、9月、10月 |
剪定 | 5月、6月、7月 |
肥料 | 4月、5月、6月、7月、8月、9月 |
開花時期 | 6月、7月 ※開花の難易度は高め |
パキラを室内で育てるときは、窓越しの日光があたる場所で育てるのが理想です。耐陰性もありますが光が少ないと徒長ぎみに育ってしまうので、日陰になる場合もなるべく明るい場所に置くようにすると良いでしょう。
あまりにも日当たりの悪い場所に置くと、徒長(枝の節間が長くなる現象)が起きてしまい、全体のバランスが崩れてしまいます。この場合は、1週間のうち数時間だけでも日当たりのいい場所で日光浴させてあげるといいです。
真夏は直射日光を避けるためにレースのカーテンで直射日光を遮ったり、半日陰で管理するようにしましょう。夏の直射日光に当てすぎると、葉焼けの症状がでることがあるので注意してください。
パキラを屋外で育てるときは、5〜8月は長時間直射日光があたらないように気をつけましょう。
5〜8月の直射日光は強いため、葉焼けしたり一時的に成長が鈍くなる場合があります。この時期は遮光ネットを張ったり、軒下に移動させるといいです。
ちなみにパキラは冬の最低気温が5℃以上ある温暖地であれば、地植えにしてで育てることもできます。
パキラの夏の水やりは、土の表面が乾いたら、朝の涼しい時間帯に鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりするのが基本です。
もともとパキラは湿潤を好む植物で、とくに4〜9月の暖かい時期は生育期といって、パキラがぐんぐんと成長する時期なので水の吸い込みも早いです。鉢や株の大きさや鉢の素材にもよりますが、夏は毎朝水やりするくらいでもいいでしょう。
ただし、根っこも呼吸をしているので、土がずっと湿った状態だと窒息して「根腐れ」という状態になってしまいます。必ず土が乾くのを待って緩急を大切に水やりしましょう。
パキラの冬の水やりは、土の表面が乾いたら4〜5日後に、日中の暖かい時間帯に鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。夏より頻度は落としますが、水やりの量は変えません。
また、水温は15〜20℃ほどの生ぬるいくらいの温度で水やりしましょう。冬の関東の水道水の温度は3度ほどになることもあります。水が冷たすぎると弱るので水温には注意してください。
水やり頻度を変えていくタイミングは、秋から徐々に水の量を減らしていきます。冬はやや乾燥気味にしたいので、土が乾いてから数日後に水やりを行いましょう。
真冬の気温が15℃以上になるような温暖な地域では、通常と同じ水やりでも構いません。
パキラは基本的に肥料がなくても十分育ちますが、土に含まれる栄養を補うためにも、肥料を与えてあげても良いでしょう。パキラに肥料を与える時期は、4月〜10月です。
使う肥料は必ず市販の「観葉植物用」の肥料にしてください。肥料には緩効性の固形タイプと速効性の液体タイプ(液肥)がありますが、扱いやすいのは固形タイプです。
製品表示の使い方に従いますが、基本は緩効性の固形タイプなら4〜9月の間に2ヶ月に1回。液肥なら2週間に1回与えましょう。
活力剤との違い
よく「活力剤」という肥料と似た製品がありますが、肥料とは別物です。
肥料には窒素・リン酸・カリという植物が生育するための3要素が含まれていますが、活力剤にはマグネシウムや鉄分などの微量要素が主に含まれています。
肥料をあげたのに元気がない、ハリがないと感じたときに活力剤を使うといいです。
食事に例えるなら肥料は食事で活力剤は「栄養ドリンク剤」というニュアンスかもしれません。
肥料をあげたのに元気がない場合は、肥料を吸えないぐらいパキラの樹勢が下がっている可能性があります。この場合は追肥や活力剤は与えないようにし、水やりを控え目にしてできるだけ暖かい場所に置き、樹勢が回復するのを待ちましょう。
パキラを育てるときは、市販の観葉植物用培養土を用意しましょう。ネット通販や園芸店はもちろん、100円ショップにも売っています。
培養土なら最初から複数の用土が配合されているので、水はけや通気性、栄養分が調整されていて、パキラが元気に育ちます。
室内で育てるときに気になるのがコバエやカビですよね。これらの主な発生原因は腐葉土に含まれる有機物なので、室内でパキラを清潔に育てたいなら、腐葉土や有機物不使用の無機質な培養土がおすすめです。
パッケージに「室内用」など明記されているのでよく確認してみるといいですよ。
自分で配合するときは、腐葉土のかわりに無菌の調整ピートモスを使うといいです。
パキラを同じ鉢で長く育てていると、土の状態が悪くなったり根がつまって弱るので、1〜2年に1回は植え替えをしましょう。パキラの植え替え時期は5〜7月頃がおすすめです。
植え替えには一回り大きい鉢と新しい土などを用意して作業します。詳しいやり方は↓の記事でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
パキラはとくに5〜9月の間にどんどんと枝葉を伸ばします。そのまま伸ばしっぱなしにしていると、株が蒸れて病害虫発生の原因になったり、好みの大きさで管理できなくなってしまいます。
そうならないためにも、パキラの剪定をして、余分な枝葉を減らしたり、幹を切り戻します。枝を切るのは不安に思うかもしれませんが、むしろパキラのためだと思って作業してください。
どのように切るかについては、こちらの記事で紹介しています。
パキラは寒さが苦手なので、冬の時期は室内の日当たりのいい窓際に置いて、ガラス越しの日光をよく浴びせるようにしてください。
冬越しするには、5度〜7度以上の気温が目安となっています。
室内に置いていたとしても、とくに夜間は窓際など気温が下がりやすいので、気温が5度以下にならないように注意して育てましょう。
パキラは丈夫な植物なので、水なしで育てる水耕栽培でも育てられます。挿し木と似た方法で、切った枝を水耕栽培で育てたり、土から植え替えてハイドロカルチャーなどに植えるのもおすすめです。
土を使わないと清潔なので、食卓のグリーンにも使えますよ。
パキラは生命力がとても強い観葉植物なので、挿し木で簡単に増やすことができます。
挿し木とは、パキラの枝を切り取って土に挿すことで、枝から発根させて増やす方法です。パキラの挿し木は5月〜9月が適期です。とても簡単で初心者でもできるので、挿し木用の土とポットを用意して挿し木をしてみましょう。
パキラが枝がしなやかなので、三つ編みに編み込んで育てることもできます。また、園芸店にはすでに編み込み仕立ての大株が出回っていることもあります。
挿し木でパキラを増やしたら、数株まとめて編んでひとつの鉢に植えると、よりおしゃれにパキラを楽しめます。
じつはパキラにも花が咲きます。ただし花が咲くのは種から育てた実生苗(朴仕立て)のもののみなので、自分で種まきをして育ててみるのもおすすめです。
ただしパキラの種は市販ではほとんど流通しておらず、種から育てるのもやや難しいので、中級者以上向きの楽しみ方といえそうです。
パキラは病気にかかりづらい、比較的丈夫な観葉植物です。
ただし、ハダニという葉の裏に付いて栄養を吸収してしまう害虫は発生しやすいです。ハダニは湿りのある環境を苦手とするので、水やりを行うときに葉の裏にも水を与えてみましょう。霧吹きで葉っぱに水をかけ、定期的に手入れするのも効果があります。
ハダニが発生すると、光合成ができない株になったり、生長不良につながるので殺虫剤を撒くなどして対処しましょう。
また、カイガラムシと呼ばれる樹液を吸汁し、株を衰退させて枯らしてしまう害虫にも気をつけましょう。
パキラの育て方についてご紹介しました。パキラはとても丈夫で室内でも育つお手軽な植物です。観葉植物でも親しまれており、初心者にも育てやすいです。花言葉や風水も良い効果を発揮してくれますよ。
榊原斗武
GreenSnap編集部