warning
error
success
information
キイチゴ属の一種で、ラズベリーなどの仲間であるブラックベリーは酸味が強く、ジャムへの加工に適しています。暑さにも寒さにも強い丈夫なので、無農薬でも育てやすい果樹です。今回はそんなブラックベリーの育て方をご紹介します。
庭植えの場合でも鉢植えの場合でも、ブラックベリーは日当たりの良い場所で育ててあげましょう。日照不足になると花つきが悪くなり、実をつける量も少なくなるため、気をつけるようにしてください。
ただし、赤い実がついてからはあまり強い日差しには当たらないようにしましょう。ブラックベリーの実には水分が多く含まれていますが、実の皮が薄いため、直射日光に当たると乾燥したり変色することがあります。
特に、夏の時期の強い直射日光に当たってしまうと、水切れを起こすこともあるため、注意が必要です。プランターなどの鉢植えで育てている場合は、半日陰に移すなどして、実が乾燥してしまわないように対策しましょう。
水はけと水もちの用土を準備して、日当たりの良い戸外の場所で育てるようにしましょう。
ブラックベリーは生長が進むと、1.5〜3メートルほどの高さまで大きくなることもあります。庭植えや地植えで栽培する場合は、将来の景観のことなども念頭に置いて、広めのスペースを確保することが大切です。
丈夫である程度の耐寒性も持っていますが、ラズベリーに比べると厳しすぎる寒さには耐えることができません。そのため、北海道などの厳寒地で栽培する場合、冬の期間は室内に取り込むなどの必要があります。庭植えや地植えではなく、移動のしやすい鉢植えで育てた方がいいでしょう。
ブラックベリーは乾燥には強いので、あまり水分を与えすぎなくて大丈夫です。
プランターなど鉢植えで育てている場合は、土の表面が白っぽく乾いたのを確認してから、水を与えるようにしてください。1回に与える水の量は、鉢の底から水が出てくるまでしっかりと与えましょう。
夏はブラックベリーにとって生育期であり、ほかの季節に比べ、多くの水分が必要となってきます。気温が高く蒸発が激しい時期でもあるので、水切れを起こさない程度に、こまめに土の状態をチェックしてあげましょう。
一度水切れを起こすと、そのあとはいくら水を与えても元の状態には戻ってくれないので、しっかりと管理する必要があります。
庭植えや地植え栽培の場合は、頻繁に水やりを行う必要はあまりなく、降雨などの水分だけで充分に足りることもあります。ただし、鉢植えと同様、水切れを起こしたり、実をつくってから水分不足に陥ると実が大きく育ってくれなくなるので注意しましょう。
梅雨が終わったあとなど、雨が降らず晴れの日が続いたときには、水を与えるようにしてください。葉に元気がなくなってきたり、土がひび割れるようになったら水分が足らなくなってきている可能性が高いです。
冬もほかの季節と同様に、土の状態が乾いているのを確認してから水を与えるようにしましょう。
ブラックベリーは丈夫で繁殖力も強い品種のため、あまり多くの肥料を必要としません。
肥料を与えるタイミングとしては、植え付け時と花が咲いたあと、収穫後の3回です。肥料を与えるタイミングを間違えると、実の収穫量が減る場合もあるため、気をつけましょう。
植え付けるさいの元肥の場合、有機質が含まれた肥料か即効性の化成肥料を施してあげましょう。
追肥を行う場合は、油カスや即効性の化成肥料を使用するといいでしょう。追肥を施す時期は、花が咲いたあとの6月頃と収穫期が終わり実がなくなった9月頃に与えるのが適しています。
花が咲く前に肥料を与えすぎると、花よりも先に葉の量が増え過ぎてしまい、花の量が減ってしまうため注意してください。花の量が減ると、収穫できる実の量も少なくなってしまうため、早い時期に追肥を施す場合は、肥料の量は控えめにするようといいでしょう。
水もちと水はけの良い土であれば、ブラックベリーを十分に育てることができるでしょう。
ブラックベリーを鉢植えで栽培する場合は、市販の一般的な培養土やベリー用の培養土を用土として使用します。自分で用土をブレンドしたい場合は、赤玉土と腐葉土を、7:3ほどの割合でブレンドしたものを使用するといいでしょう。
庭植えや地植え栽培の場合は元肥や腐葉土を混ぜ込んで耕し、水はけが良く、有機質が含まれた土をつくっておきましょう。
ブラックベリーの実を冬まで収穫せず乾燥させることで、種子を採ることができます。
種まきで増やす場合は、3月頃など暖かくなってきた春の時期が適しています。種をまいたあとは水を切らさないように与え続け、根が張るのを待ちましょう。
ブラックベリーの植え付け時期は、12月〜2月の冬の季節が適しています。ブラックベリーは2〜3年ほど経って生長が進むと、根を張り巡らせ、非常に大きくなることが多い品種です。
根詰まりを防いだり、風通しを良くするためにも、鉢やプランターに植えときは、二回り以上大きめサイズ(最低でも7号以上、できれば10号サイズ)の容器を用意したほうがいいでしょう。十分な深さがあり、形としては横長のものが適しています。
庭植えや地植え栽培の場合は、地面に30センチ程度の深さまで穴を掘って耕したあと、植え付けを行います。風が強く当たってしまったり、苗木が安定しない場合は、支柱を立てて紐で結びつけるなどして支えてあげましょう。
ブラックベリーの植え替えは、2年〜3年ごとに1回を目安に行うようにします。同じ場所と土で育てていると状態が悪くなり、鉢植えの場合は根詰まりを起こすこともあるので、出来るだけ植え替えるようにしましょう。
植え替えの時期としては、収穫期が終わったあとが適しており、11月〜2月頃がタイミングとなります。
ブラックベリーを増やす方法としては、種を収穫して「種まき」を行う、もしくは「挿し木」や「株分け」で増やすなどがあります。種まきの方法は、前述の通りです。
挿し木の場合、6月〜7月頃が適期です。新しく伸びてきた枝を10センチほどの長さで剪定し、根が出てくるまで水に挿しておきます。根が出てきたら支柱などを使って土の上に挿しましょう。
株分けの場合は、12月〜2月の時期に適しています。植え替えの時期とも被さっているので、同時に行うのがよいでしょう。
株を土から掘り起こしたあと、ナイフなどを使って株を2つほどに切り分けます。このとき、それぞれの株に均等に芽と根がつくようにしましょう。剪定した株は鉢や地面に植え付け、苗と同じように育てることができます。
ブラックベリーの栽培で注意すべき害虫としては、新芽や花を食べるモモチョッキリとコガネムシ、枝葉や茎にくっついて栄養を吸い取るカイガラムシなどがいます。
見つけ次第捕殺するようにしましょう。また、実ができるとカメムシなどの虫や小鳥が集まって食べてしまうことがあります。気になる場合は実をネットで覆うなどして対策しましょう。
ブラックベリーがかかる病気としては主に灰色カビ病が挙げられ、この病気にかかると実がカビたように汚くなります。カリグリーンなどの病害防除剤を使用することで対応しましょう。
ブラックベリーは寒さにも暑さにも比較的強い植物です。耐寒温度は最低マイナス10℃、耐暑温度35℃までなら問題はなく、生育温度としては10℃〜35℃の安定した気温を好みます。
種から発芽するには20℃ほどの気温が必要となります。
ブラックベリーの実は、結実した頃は赤い色をしていますが、収穫は実の色が黒く変色するまで待ちましょう。6月下旬頃に結実したあと、粒を大きくしながら熟しはじめ、収穫期は7月〜8月頃になります。
実の色が熟して、完全に黒くなってきたら収穫のタイミングです。収穫するときは、湿度が低く、乾いた晴れの日を選ぶといいでしょう。実の汚れなどを防ぎやすく、スムーズに収穫を行うことができます。
また、十分に実が熟していれば手で掴んで引っ張るだけでも簡単に回収することができますが、ハサミで実の部分を切り取ることで、きれいに収穫することができます。ラズベリーとは違い、ブラックベリーは花床と呼ばれる芯の部分がついたまま取れるのが特徴です。
一度実をつけたブラックベリーの枝は、この先もう実をつけることはないので、収穫後は邪魔にならないように、早めに切り落としておくといいでしょう。
今回はベリー類のひとつでもあるブラックベリーの育て方についてご紹介しました。
比較的丈夫で育てやすい品種ですが、育ちすぎると管理が難しくなったり、野生化してしまうこともあるので注意が必要です。
収穫した実は栄養も高く、ジャムやソースなど幅広い使い方があるのも魅力的ですね。ぜひ一度育ててみてください。
GreenSnap編集部