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そら豆はマメ科ソラマメ属の春から初夏にかけて旬を迎える野菜で、地中海周辺、西南アジアが原産です。サヤが真っ直ぐ空に向かって伸びることから「そら豆」という名前がついています。大粒の実は、独特の青みと甘み、ホクホクした食感が魅力。市販のものは値が張りますが、家庭菜園で育てれば、たくさん収穫ができますよ。
今回は、そんなそら豆の育て方をご紹介します。
そら豆は栽培期間は長いものの、初心者でも栽培は難しくありません。放任でもたくさん収穫できますが、実の大きさがまばらになることもあります。粒そろった均一な大きさの実をたくさん収穫したいならば、適切なタイミングで摘心を行いましょう。
また、そら豆はプランター栽培もできます。その場合は、プランターのサイズは、直径・深さが30cm以上のものを選ぶようにしましょう。株間が25cm以上取れないプランターの場合は、ひとつのプランターにつき一株だけ植えるようにしましょう。
通常、マメ科の野菜は多肥厳禁(肥料を多く与えてはいけない)です。理由は、栄養が豊富だと株や葉、つるなどが生い茂ってしまい、実の収穫量が減ってしまうためなのですが、プランター栽培の場合には通常の培養土(肥料が混ざっている土)で育ててOKです。
プランターで栽培中、水やりをしたり、雨が降ったりするたびに肥料が流れだしてしまうため、多肥の状態にはならないのです。
そら豆の栽培環境は、日当たりがよく乾燥した場所が適しています。そら豆は、株間を広めに取って植えるのがポイントです。そうすることで、株元まで十分に日があたり、実がたくさんつきます。
また、そら豆は酸性の土壌を嫌います。地植えの場合は、植え付け前にしっかりと苦土石灰をまいておきましょう。また、マメ科の野菜は連作できないので、2〜3年は同じ土壌を使わないように注意してくださいね。
プランター栽培のそら豆は、市販の野菜用培養土を使用すれば良いでしょう。
プランター栽培なら、市販の「培養土」で育てるのが一番かんたんでしょう。
念のため、「かきがら(貝の殻を砕いたもの)」や「草木灰」などのカルシウム(石灰)系の肥料を手元に置いておくと便利ですよ。
雨が続いたあとで土が酸性に傾きすぎたり、病気になりかけてきたら適量を撒いてあげると元気になります。
そら豆の種まきの時期は、関東を含めた温暖な地域では10月上旬〜10月下旬、北海道や東北などの寒冷地では、4月中旬に種まきを行います。
寒冷地では、秋に種まきをして発芽した芽がいきなり冬場の寒さにあたると枯れてしまうため、春先に種まきをしてあらかじめ低温に慣れさせておきます。
そら豆は、苗が小さいうちは寒さに強いですが、株が大きくなると寒さで傷んでしまうことがあるので、冬越しに適したサイズに育てるには、種まきの時期をずらさないのがポイントです。
越冬させるのに、大きすぎず、小さすぎずのサイズにしておくのがポイントです。
冬を越して元気がなさそうでも、ある時期から急成長しますので見守りましょう!
3月(中間地の場合。場所によります)くらいには花が咲き始めますよ。
そら豆はの種まきは、プランターでも地植えでも、育苗用のセルトレイやポットを使って行いましょう。初心者の方は苗から育てるのもおすすめです。苗はホームセンターや園芸店で販売されているので、探してみてくださいね。
そら豆のタネまきは、「お歯黒(おはぐろ)」と呼ばれている黒くへこんだ部分から根が出てきます。そのため、お歯黒を斜め下にして土に植えるのが上手に発芽させる&苗を育てるコツです。
肥料があまりいらないマメ科ですが、元肥入りの培養土で苗を育てましょう。
そら豆の種まきの手順は以下の通りです。
そら豆の発芽に必要な温度は、20℃前後です。10℃以下と、30℃以上では発芽しずらくなるので気をつけましょう。そら豆は種が大きいので、発芽するのに酸素と水分がたくさん必要です。
種まきの際は、種を地面に浅くまくのがポイントです。お歯黒の部分を下にして、そら豆のお尻が少し出ているくらいが良いでしょう。
発芽まで多湿の状態にしてしまうとマメ(タネ)が腐ってしまうことも。適量な水分量で発芽を待つのがポイントです。毎日常に湿っているという状態は過湿ですよ!
そら豆を植える時期は、10月下旬から11月上旬です。本葉が2〜3枚出た苗を畑に植え付けていきましょう。そら豆は、発芽率は高いですが、生長はゆっくりです。翌年の3月頃までじっくりと育てていきます。
地植え栽培のそら豆は、ほとんど水やりは必要ありません。そら豆は乾燥した環境を好むので、自然に降る雨で十分です。しかし、晴れ間が続いて土が極端に乾いている時は、たっぷりと水やりをしましょう。冬に水やりをする場合は、あたたかい時間帯に行うのがポイントです。
プランター栽培のそら豆は、土が乾燥しやすいので定期的な水やりが必要です。表土が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。寒くなってきた秋〜冬場は1週間に1〜2回の頻度で水やりをします。3月になり、暖かくなってきたら、土が乾燥しているのを確認して、1日に一度涼しい時間帯に水やりをしましょう。
そら豆は、植え付けの後に冬越しをします。そら豆は、冬場に低温にあたることで花芽をつける性質があるので、冬の寒さに当たるのが肝心ですが、冬越しの時の株のサイズがとても重要です。
寒さに一番強いのが、草丈が15cm〜20cmの時期です。このサイズで冬越しするために、種まきの時期を守るように注意しましょう。
そら豆は、草丈が20〜30cmほどになると風で株が倒れやすくなります。植え付けた翌年の3月上旬〜3月下旬ごろを目安に、支柱を立てて株を支えましょう。支柱の立て方は、地植え栽培でもプランター栽培でも同じです。プランター栽培の場合は、市販のプランター用の支柱キットを使っても良いでしょう。
そら豆は最終的に70~80cmほどの背丈になります。葉も生い茂ってきますので、支柱とヒモ(誘引クリップなどのアイテムでもOK)などをつかって上手に管理しましょう。
そら豆の追肥の時期は、植え付けの翌年である4月中旬〜4月下旬です。そら豆が開花したら、追肥を行います。実が成熟するまでに追肥をすると、実入りがよくなりますよ。
そら豆の草丈が70cmを超えたら、株が倒れるのを防ぐために株の先端を摘心します。摘心の時期の目安は、4月下旬〜5月上旬です。
そら豆は、株の上の方に咲く花からは実がなりません。摘心をして成長点を取り除くことで、下部につく実が充実するとともに、実に養分が行き届き実入りがよくなります。
また、摘心することで、アブラムシなどの害虫を予防する効果もあります。
摘心の方法は以下の通りです。
そら豆の収穫時期は、開花後1カ月ほどした5月中旬〜6月中旬ごろです。そら豆は、収穫適期になると、空を向いていた実が下を向いて垂れてきて、収穫時期を教えてくれます。サヤに光沢が出て、背中側の筋が黒褐色になっていたら収穫しましょう。
さやを触り、中の豆が十分に膨らんでいるのを確認したら、茎をハサミで切って収穫していきます。
そら豆は病害虫に比較的強い野菜です。しかし、乾燥した環境を好むそら豆は、多湿の環下では病気にかかりやすくなります。梅雨時期は病気になりやすいので、注意しましょう。
また、そら豆はアブラムシの被害に遭いやすいので、こまめに株をチェックして虫がついていないか確認しましょう。アブラムシを発見したらティッシュで取るか、薬剤を散布して対策をしましょう。
そら豆栽培は常にアブラムシとの戦いです。見つけたら捕殺しましょう。アブラムシはウイルスを媒介するので、放置しておくと病気にかかって枯れてしまうこともあります。
プロの農家は苗の段階から農薬を使って対処するほど虫がつきやすい野菜なので覚悟が必要です。
そら豆は、栽培期間は長いものの、手をかけずに育てられる野菜です。病害虫にも強く、育てやすい野菜なので、家庭菜園初心者の方にもおすすめですよ。
ただし、寒冷地で育てる場合は種まき時期が早すぎないように注意してください。
そら豆は鮮度が落ちやすい野菜なので、採れたての美味しさは格別です。ぜひ自宅で育てて、新鮮なそら豆の風味を味わってみてくださいね!
七尾びび
GreenSnap編集部