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フレンチラベンダーは程よい香りとうさぎの耳がついたような花姿が人気のラベンダーです。
暑さに強く、一般地〜暖地向けで初心者にも育てやすい種類のラベンダーですが、しおれてしまったり枯れてしまうということも少なくありません。
そこで今回は、フレンチラベンダーの育て方について、
などについて、詳しくご紹介します。初心者の方もぜひ参考にしてください。
フレンチラベンダーは「ストエカス系」のラベンダーを代表する品種です。花穂の上に苞葉(葉の一部が変形したもの)がうさぎの耳のようにつくのと、ほどよい香りが特徴です。
フレンチラベンダーは数あるラベンダーの中でも耐暑性が高く、関東以西の一般地〜暖地におすすめの種類ですが、一方で耐寒性がやや低く寒さに弱いデメリットもあります。
そのため、フレンチラベンダーの育て方では冬越し対策が最大のポイントです。あとは梅雨時期から夏場の多湿に注意しながら育てれば、毎年美しい花を楽しめますよ。
フレンチラベンダーは関東以西であれば、地植えでも育てられます。
ただし、フレンチラベンダー栽培適温は12〜30度ほどのため、30度を超える真夏には夏越し対策が必要になります。
フレンチラベンダーの耐寒温度は-5度なので、東北地方や北海道でも一部地域なら地植えも可能でしょうが、冬越し対策が必要です。
ちなみに北海道であれば、そもそも寒さに強い寒冷地向き品種のイングリッシュラベンダーを育てるほうが栽培自体は簡単です。
それでは、フレンチラベンダーの育て方について、地植え・鉢植え別に夏越しと冬越しのコツも踏まえながらご紹介していきます。
フレンチラベンダーの苗を植える時期は、4〜7月ごろです。気温が12度以上になったら植え付け可能です。
暑さには強いので他の種類のラベンダーより、多少植え付けが遅れても問題ありませんが、梅雨時期や30度以上の真夏は避けてください。
フレンチラベンダーを地植えする場合は、植え付け2週間前から準備します。
まずは庭土1㎡あたり、苦土石灰を150〜200gほど混ぜて土壌酸度調整をします。そおの1週間後、堆肥を3〜5kgほど混ぜてさらに1週間なじませてから植え付けに使います。
フレンチラベンダーは根を深く張るので、庭土は深さ30cmくらいまで耕しておきましょう。
フレンチラベンダーを鉢植えで育てる場合は、ハーブ専用土かラベンダー専用土を用意するのが簡単です。
もしも配合土を利用する場合には、赤玉土(小粒)4:日向土(細粒)2:腐葉土3:パーライト1の割合で配合したものを利用してください。
フレンチラベンダーは、日当たりと風通しのいい場所で育てるのが基本です。
ただし高温多湿には弱いので、地植えで育てる場合も鉢植えで育てる場合も、ともに下記ようよな工夫が必要です。
フレンチラベンダーを地植えで育てる場合は、最低限西日が当たらない場所に植えましょう。もちろん風通しがいいことも大切です。
また、フレンチラベンダーは多年草ではなく常緑低木なので、年々育てると株元が木質化して大きくなります。品種にもよりますがだいたい50〜80cmほどの草丈になり、そのころには株の横張りも50〜70cmほどと大きく育ちます。
大きくなったときに塀に干渉したり他の植物と混み合うと、多湿状態になって弱ってしまうので、十分スペースがとれる場所に植えてください。
フレンチラベンダーを鉢植えで育てる場合は、春〜秋の間なら、屋外の直射日光を避け、日当たりと風通しのいい場所で育ててあげましょう。
ただし梅雨時期や雨の続く期間は、できれば軒下などに移動させて長雨に当たらない場所で管理してください。
また、夏場はとくに西日が当たらない、直射日光も当たりにくい場所を選んで置いてあげる必要があります
冬の気温が0度以下になるような地域では、冬は室内にとりこんであげましょ。
フレンチラベンダーを地植えで育てる場合は、植え付けのときに水やりをして新芽が動き出したら、それ以降は水やりの必要はありません。
ただし、冬の間、長く乾燥状態が続いて葉がしおれているようであれば、日中の暖かい時間帯にたっぷりと水やりをしてください。
フレンチラベンダーを鉢植えで育てる場合は、春から夏の間は鉢土が乾き切ったら、鉢底から水が流れでるまでたっぷりと水やりをします。
真夏は昼間に水やりをすると、鉢の中が蒸し焼き状態になって根が傷むため、朝夕に行ってください。
日本の梅雨や長雨は大の苦手となるので、水やりはやや乾燥気味に与えるのがコツです。また、冬も生育が衰える時期でもあるので、水は控えめにしておきましょう。土の表面が乾いて数日後放置してから、水を与えるぐらいがちょうどいいです。
フレンチラベンダーの生育期に当たる4月〜7月の間に、液体肥料を施すと良いでしょう。
地植えで育てる場合は肥料を与えなくても育ちます。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
フレンチラベンダーの開花時期は4月下旬〜6月の春〜初夏です。他のラベンダーと比べて開花時期が一足早いのが特徴です。
フレンチラベンダーをドライフラワーなどに活用する場合は、花穂が八分ほど咲いたタイミングで収穫しておきましょう。
花が咲いたばかりのタイミングで収穫してしまうのは、もったいない気がするかと思いますが、早めに摘んでおくと形が崩れにくくなります。
ポプリなどの香りを楽しむ目的で収穫する場合は、満開になるにつれて香りが強くなるので、花穂が満開になってから収穫するといいです。
フレンチラベンダーの剪定時期は、6月の花後剪定と、10〜11月に強剪定をします。
花後剪定は梅雨前に作業することで、雨による多湿状態を軽減させる目的のほか、花がらを残さないことで株が無駄な体力を使うのを防ぎます。
強剪定は株更新のために行う剪定で、大きくなりすぎた株を小さく仕立て直したいときや、株元が木質化して花付きが悪いときにおこないます。
花後剪定は必ず行いますが、強剪定は植え付け1〜2年程度であれば不要です。
フレンチラベンダーの花が終わったら、切り戻しと不要枝を切って株全体を透かします。
まずは残っている花穂は全て切り落としてください。花穂を切るときは大胆に、株の3分の2、もしくは2分の1くらいの高さになるように刈り込むようにします。
つぎに、枯れた枝や細い枝を根本もしくは分岐部分の根本から切ります。なおも密集している部分があれば、葉を5〜6枚残して枝を切り戻しましょう。
なお、フレンチラベンダーは多湿を苦手とするため、この時期以外にも枝が密集しすぎていたら、随時剪定しておくと良いでしょう。
フレンチラベンダーの木質化が進むと、株元だけ葉が茂らずスカスカで見栄えが劣ることがあります。また、同じ枝から花は何度も咲きませんので、強剪定をして株の更新をしてやります。
フレンチラベンダーの強剪定で切る位置は、一番下の芽のすぐ上です。木質化している部分を見ると、緑の小さな芽がいくつかついていますが、このうち一番下の(地面に一番近い)芽のすぐ上で切ればいいだけです。
かなりバッサリと切ることになるので、不安を覚えるかもしれませんが、春になればぐんぐん芽が伸びてくるので、思い切って切ることが大切です。
フレンチラベンダーの夏越しは、地植えなら遮光ネットをかけておくのが効果的です。もしくは他の背の高い低木や高木などで柔らかい木漏れ日をつくってあげましょう。
フレンチラベンダーの冬越しは、マルチングが効果的です。株元に腐葉土を5〜7cmほど盛ってあげましょう。地温の低下を防ぐことができるほか、冬が終わったらそのまま地面にすきこんで土壌改善にも役立ちます。
また雪が降り積もる地域は、ネットなどを張って枝が折れないようにしておくといいでしょう。
鉢植えのフレンチラベンダーの夏越しは、地面からの照り返しに注意してください。アスファルトやコンクリートへの直置きはやめて、すのこを敷いてあげるだけでもかなり軽減できます。
できれば軒下や涼しい場所に置いたり、サーキュレーターなどを近くに置いて風通しを確保してください。
鉢植えのフレンチラベンダーの冬越しは、室内の日当たりがいい場所に移動させてあげることが理想的です。そのほか二重鉢にしたり鉢ごと発泡スチロールに入れてあげるのも保温の効果があります。
フレンチラベンダーの増やし方は「挿し木」が一般的です。
挿し木の時期としては、生長期である5月~6月が適期です。気温や湿度がちょうど植物の生長を促すような時期なので、根の働きが活発になります。
枝は先から約7~8センチほどのところを剪定して挿し穂にします。先の方が元気なので、根が出やすくなります。フレンチラベンダーは草ではなく木なので、株元にある古い木質化した部分は根が出にくく、挿し木には不向きです。
なお、先を剪定したら、少なくとも1時間は水の入った容器に浸けて、水を吸わせましょう。土に挿す前に、切り口の部分に発根促進剤をつけておくと根の活着が良くなるでしょう。
挿し木から根が育つまでは、約1カ月程要します。根が出るまでは霧吹き等で1日1回程度、たっぷり水をかけてあげましょう。
ほかラベンダー同様、フレンチラベンダーはうどんこ病にかかることがあります。風通しの悪い環境で育ったときに、茎や葉が白いコナに覆われて、生育が鈍くなってしまう病気です。
害虫としては、4〜5月に現れるアブラムシに注意します。見つけ次第駆除しましょう。
フレンチラベンダーの育て方のポイントは、高温多湿を防ぐことと、地植えで育てるなら夏越し・冬越し対策をすることです。
また、高温多湿を防ぐには土づくりや剪定も大切です。水やりは控えめに、水はけや風通しをよくして育てれば、毎年開花が楽しめますよ。
花姿が可愛らしいフレンチラベンダーは、ドライフラワーなどにもおすすめなので、自分で育ててつくってみてはいかがでしょうか。
松原真理子
GreenSnap編集部