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初夏から真夏にかけて華やかな色どりと香りを運んでくれるベルガモットは、育てやすさも魅力の植物です。たいていのハーブ同様に土壌と水はけに気をつければ、それほど手間が掛からないため、初めて草花を育てる園芸ビギナーの方にもおすすめできる植物です。
ベルガモットは耐暑性・耐寒性を兼ね備えた丈夫な植物です。日当たりと水はけのよい場所でさえあれば、それほど土壌は選びません。痩せ地でもしっかり育ってくれます。
ただし、乾燥や多湿は苦手としているので、水はけがよく、腐植質の多い場所が理想です。また、強すぎる直射日光は生育スピードの衰えや葉焼けを引き起こす原因になるので、夏の時期は注意しましょう。
気温も日差しが強くなる時期や時間帯には、半日陰となる場所で栽培すると良いでしょう。なるべく、日光を遮る木や建物の陰になる場所に植えてあげましょう。
また、代表品種「ディディマ種」などは、草丈が100cmを超えるものもあるので、スペースにも余裕があるとなお良いでしょう。
ベルガモットを水はけのよい土壌で地植え栽培している場合は、頻繁な水やりは必要ありません。ただし赤い花を咲かせるディディマ種は、特に乾燥を苦手とするため株を弱らせないように、様子を見ながら水を与えます。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたと思ったらたっぷりと水やりをしましょう。とくに春から初夏にかけての成長期から開花期のあいだは、水切れしないように注意が必要です。
ベルガモットは成長が早く、生育旺盛なため、成長期は特に追肥が欠かせません。ベルガモットの花の開花時期である6~9月には素早く吸収される液体肥料を、そのほかの時期には緩効性肥料を与えましょう。
また、多年草であるベルガモットは2年目以降背丈がぐんと伸び大きくなります。見ごたえある株育てたいのであれば、なるべく腐葉土や肥料を多く施しておきましょう。
ベルガモットを地植え栽培している場合は、水はけのよい粘土質でない土壌に植えましょう。そのとき、腐葉土と緩効性肥料を多めに施しておくようにします。
プランターで栽培する場合は、排水性と通気性の高い用土を選びましょう。同時に乾燥対策として保水性や保肥性も重要です。
腐葉土と赤玉土を主体として保水性と保肥性が高いバーミキュライトやパーライトを適宜加えるとよいでしょう。もしくは市販の園芸用土に加えても構いません。
ベルガモットの植え付けと植え替え時期は、生育旺盛なベルガモットを育てる上ではとても重要なポイントです。
ベルガモットの植え付け時期は春もしくは秋になります。地下茎が長く伸びて大きくなり続ける多年草ですから株間は十分に開けましょう。
品種にもよりますが、ベルガモットは数年でかなりの大株に育ちます。地植えでも数年ごとに掘り下げて植え替えしたほうがほかの植物のためにもよいでしょう。生育時期前の春、花後の春に地下茎を掘り上げて、適宜植え替えます。
プランター上の場合は毎年一回り大きい容器に植え替えるか、活力ある若い地下茎を残し新しい用土に植え替えるようにしましょう。
春まき秋まき共に可能ですが、3月~4月上旬に行う春まきが成功率が高くおすすめです。
10cmポットに培養土を入れ3粒くらいずつ蒔いておきます。1~2ヶ月で植え付け可能なサイズに育ちます。
ベルガモットは苗や種を植えるほかに、「挿し芽」や「株分け」などで増やすことも可能です。
種まき同様に春秋どちらも可能ですが、暖かくなる4月下旬から梅雨前までに行うと発根する可能性が高くなります。生命力の強いベルガモットは、頂芽、わき芽、挿し穂、どの方法でも可能です。
地下茎が出ないプンクタータ種以外はすべて株分けが可能です。根元から掘り上げて地下茎を切り分けます。
貝か前の生育期になります。地植えの場合は乾燥しない限り水やりは必要ありませんが、プランター上の場合は、乾燥に注意しながら水やりを欠かさないようにしましょう。
同時に病害虫を見つけたら、すみやかに駆除するようにしましょう。また開花前の追肥もこの時期までに済ませておきます。
華やかな花が楽しめる季節到来ですが、長雨が続いたり、強い日差しが気になる時期でもあります。土壌が乾燥、多湿どちらに傾くこともないよう十分注意が必要です。
また、混み合った株を風通しよくするようカットします。そして真夏の暑くなる時期には株を弱らせる原因となるため追肥は必要ありません。
ベルガモットを地植えしている場合は、花後は花柄を摘み取ったらしばらくそのままにしておきます。そして秋の終わりには根元近くでカットしておきます。
プランター植えの場合は、一回り大きな容器に植え替えることをおすすめします。生育旺盛なベルガモットの地下茎は一年で大きく成長します。植え替えるならこの休眠期と、生育期前の3~4月が最適です。
元気に育つ丈夫なベルガモットも、高温多湿となる梅雨から真夏にかけては病害虫に気を付けてあげましょう。
特に葉が茂りすぎ手風通しが悪くなると、ウドンコ病や灰色カビ病が発生しやすくなります。どちらもカビが原因で起きる病気ですが、梅雨前に市販の予防薬を散霧しておくとよいでしょう。
またまだ小さい株のうちは、根元近くにナメクジやヨトウムシ対策に害虫忌避剤をまいておきましょう。
ベルガモットの花の開花時期は、7〜9月頃です。この時期になると、直径は4~6cmほどの、唇のような形をした花を咲かせます。花色は赤やピンク、紫などさまざまあります。
ベルガモットの花言葉は、その情熱的な赤が示す通り「燃える思い」「火のような恋」といった意味です。その一方その華やぎのあるさわやかな香りのイメージから「安らぎ」といった意味もあります。
19世紀のフランスでシャルロットという一人の貴婦人に描かれた花言葉集はその後大流行となりました。贈る花に特別な意味を込める習慣はそのまま現代の私たちにも受け継がれています。
花の美しさと香り、そして育てやすさでガーデニング初心者の方にもおすすめできるベルガモット。大きくダイナミックな草姿は大きな満足感を与えてくれることでしょう。
ベルガモットを育てるコツは、水はけのよいふかふかした腐植質の土と適度な水やりと控えめな肥料です。これらのポイントを守っていればきっとベルガモットは期待に応えた成長ぶりを見せてくれることでしょう。
また、アイスティーによく使われるアールグレイの香りは「ベルガモットオレンジ」と呼ばれる柑橘類。園芸種のベルガモットには花ではなく葉にベルガモットオレンジとよく似た香りがあります。
花を愛でたあとは、ぜひ葉を使ってベルガモット・ハーブティーを楽しんでくださいね。
※トップ画像はcloverさん@GreenSnap
GreenSnap編集部