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タイムというと肉や魚の臭み取りに使うと思っていませんか?食用だけでなく、観賞用としても作られています。今回、ご紹介する「クリーピングタイム」は、観賞用として栽培されているタイムの種類で、ほふく性で広がるように成長するため、庭のグランドカバーとしても人気です。
それでは、クリーピングタイムの育て方について見ていきましょう。
クリーピングタイムは、暑さと寒さのどちらにも強い性質をもっていますが、湿気や霜、冷たい風は苦手です。クリーピングタイムを植え付けするときは、水はけの良い土壌を選び、日当たりが良く、風通しが良い場所で育てましょう。
鉢植えで育てるときは、冬は風があたりにくい場所で管理するようにしてください。
クリーピングタイムの植え付け時期は、春と秋の2回です。
苗から植え付けをする場合は、3月~5月に行います。
種から育てる場合は、9月~10月に苗用のポットに種まきをします。
クリーピングタイムを鉢植えする場合は、ハーブ用の培養土に植え付けをしてください。土を作る時に粒状の肥料を混ぜておくと成長を促します。
地植えのときは、土壌が酸性化していると育ちにくいので、アルカリ性の性質を持つ苦土石灰を混ぜます。
雨が多い日本では、土の中に含まれるアルカリ性の成分が流されやすくなっています。基本的に土壌の酸性度が高いので、苦土石灰を加えて中性に近づけてから、植え付けるようにしましょう。
クリーピングタイムを育てるときの肥料は、植え付け時に粒状のものを土に混ぜます。追肥は4月~9月の開花の時期と秋の休眠期になる前に錠剤タイプの肥料を土の上に置きます。
ただし、肥料を与え過ぎると肥料焼けを起こすこともあります。与えるタイミングや量は守るようにしてください。また、成長がしにくくなっているときは、根が張っていることもあるので、大きな鉢に植え替えをしたり、株分けをして新しい鉢に入れ替えた方が良いこともあります。
クリーピングタイムは生長が早いので、1年~2年に一度、植え替えをします。鉢に植え替えをする時は、一回り大きなものを選び、土は新しいものに入れ替えをしてください。地植えにする時はそのまま移植します。
植え付け、植え替えのさい、根の部分をほぐしますが、このとき、根っこに傷を付けないように気をつけましょう。
クリーピングタイムは、水やりをし過ぎると湿気で根腐れを起こします。できるだけ乾燥気味で育てるのがポイントです。
クリーピングタイムを鉢植えしている場合、土が乾いてきたら水やりをします。冬の時期は、2~3日置きに水やりをしてください。クリーピングタイムを地植えで育てるときは、根付くまでは毎日水やりをします。根付いた後の水やりは不要です
クリーピングタイムの増やし方は、「株分け」、「挿し木」、「種まき」といった方法です。
クリーピングタイムは、大きくなりやすいという特徴があるので、鉢植えで育てているときは、植え替えと同じタイミングで株分けをして、複数の鉢に植え付けをします。株分けで増やすときは、春に行うとよいでしょう。
クリーピングタイムの挿し木に関しては、剪定の際に茎の部分を10cmほど切り取って水につけておきます。挿し木用に用意した清潔な土に植え付けをし、根付くまでは日に当てないようにします。
種まきのとき同様に、乾燥にも注意してください。挿し木をするのに適しているのは、新芽が伸びてくる5月か、生育期が終了した9月頃です。
クリーピングタイムの種は、とても小さく、種まきで増やすのは難しいですが、こぼれ種から増えるということもあります。クリーピンクタイムは、ほふく性で広がりやすく繁殖力も強いので、ほかのハーブと混ざらないように注意しましょう。
クリーピングタイムは湿気が苦手なため、長期間楽しむには夏越しをすることが大事になります。そのためには、梅雨入りする前に、茎を短くカットし、下葉を取って、風通しが良い状態にします。
クリーピングタイムは、茎や下葉が絡んでくると株全体に栄養がいかなくなり、枯れてしまうこともあります。手入れをすることで、成長を促すので、新芽が出やすくなり、花付きもよくなります。
夏から秋にかけて、「茎が伸びた」「下葉が増えた」と感じたら、定期的に手入れを行うと病気や害虫を防げます。クリーピングタイムが休眠になる前に伸びた茎を短くしておくと、春に新芽が出やすくなります。
クリーピングタイムも含めてタイムは350種類以上あるといわれています。病気や害虫に強いことから、虫よけ用にコンパニオンプランツとして栽培されることもあります。
ただ、湿気に弱いことから蒸れると葉が傷んだり、枯れることもあるので、風通しが良くなるように手入れをしたり、土壌の水はけが良い状態か確認することも「病気」を予防することになります。
クリーピングタイムは葉がある間は収穫できます。花が咲くと葉の香りが弱くなってしまうので、その前に収穫してあげましょう。
クリーピングタイムは育てやすく、グランドカバーとして人気ですが、植えて後悔することもあるようです。
クリーピングタイムは繁殖力がとても強いので、庭に植えてあるほかの植物に悪い影響を及ぼしてしまうことがあります。対策として、いま以上に伸びて欲しくないところの根を切ってあげるのがおすすめです。
クリーピングタイムの花言葉は、「勇気」「活動力」です。
春から初夏にかけて花を咲かせるクリーピングタイムは、日本では「ワイルドタイム」として流通されています。仲間には「タイム・ロンギカウリス」というのもありますよ。
栽培しやすい品種なので、お庭のグランドカバーやプランターで寄せ植えをして楽しんでくださいね。
GreenSnap編集部