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ナス(茄子)は丈夫で育てやすい夏野菜を代表する野菜です。育て方のポイントを抑えれば、畑などの露地栽培や、家庭菜園でも育てることができますよ。今回は、ナスの育て方を、初心者の方にもわかりやすいように詳しく説明します。
ナスはナス科ナス属の野菜で、原産地はインドです。日本には奈良時代に中国から伝わったとされ、古くから親しまれてきた野菜です。日本には各地に在来品種が残っており、伝統野菜として多くの地方品種があります。
ナスは、暖かい環境で肥料切れを起こさないようにして育てると、長い期間収穫できます。剪定をすることで、秋ナスを収穫することもできますよ。ナスは丈夫で育てやすい夏野菜の代表格です。初心者でも簡単に栽培できるので、ぜひ育て方を覚えてくださいね。
秋植えの品種でなければ、気温・地温が充分に上がってから栽培をスタートさせましょう。
ナスは「光・水・肥料」の3つのポイントを押さえることで、初心者でも上手に育てることができます。
ナスの苗を植える時期は、4月下旬〜5月上旬です。暖かくなり気温が安定した頃に植えましょう。ナスは育苗期間が長く、種から育てるのは難しい野菜です。初心者は無理せず苗を購入すると失敗が少ないでしょう。
関東地方なら5月中旬が植え付けの目安ですよ。高温性の野菜なので植え急ぎはNGです。
ナスは、苗を植え付ける約2週間前から土作りをします。畑を深さ30cm程度まで耕し、堆肥を入れ込みましょう。
ナスは酸性の土壌には弱い性質がありますが、日本の土はどちらかというと酸性寄りとなっています。そのため、苦土石灰を使って中和させるようにします。肥料食いのナスには、対比だけでは不十分です。全体的に化学肥料を施しましょう。
初心者が簡単に育てるなら、市販の土を購入し、プランターで育てるといいですね。
ナスの苗を選ぶときは、葉色がよく、節間がしまっていて茎が太いものを選びましょう。本葉が7〜8枚つき、すでに蕾がついていたり、花が咲き始めているものを選ぶと尚良いです。接ぎ木苗は病気や連作にも強いので、苗を選ぶときは接ぎ木苗を選ぶと育てやすいですよ。
ナスは別の土に慣れるのに時間がかかる性質があるので、植え付け後、一週間程度は苗が元気をなくし、葉がしおれますが問題ありません。
苗が小さいうちに植え付けしないように気をつけましょう。ポットの中で充分に育ててから根鉢を崩さないように植え付けます。
ナスは乾燥にとても弱い野菜ですので、日頃からたっぷりと水やりをしましょう。
基本的に毎日水やりをしますが、夏場の暑い時期は、朝か夕方の気温が低い時間帯を見計らってたっぷりと水やりをしましょう。ナスは夜間に成長する野菜なので、夕方に水やりするのがベストです。
昼のもっとも暑い時間に水やりをすると根が傷む場合があるので避けてください。
ナスの一番花が出たら、花下のわき芽を1本ずつ残して、その他のわき芽をすベて取り除きます。芽かきをすることで、混み合っている枝が少なくなり風通りがよくなるため、病害虫の予防になります。
ナスのわき芽が成長したら、主枝と側枝2本を残して3本仕立てにし、支柱を立てましょう。3本の枝を支えるため、支柱を2本足し、3本の支柱で苗を支えていきます。
新たに足す2本の支柱は、クロスさせると安定します。ナスの苗を支柱に誘引するときは、苗を傷つけないように節のところで紐を結びます。苗と支柱を八の字状に紐でくくり、支柱側で結びましょう。
ナスは、多くの肥料を必要とする野菜です。肥料不足になると良い花がつかず、実も大きく生長しません。植え付けから1ヶ月後の5月下旬〜9月下旬まで、2週間に1回のペースで追肥しましょう。
ナスは、花が咲いてから15日〜25日程度で収穫できます。ナスが成長し過ぎると株には負担がかかるので、早めの収穫を心がけましょう。ナスの長さが10cm〜12cmになったら、実を傷つけないように、ハサミでヘタを切って収穫してください。
6月下旬〜9月下旬になり、3本に仕立てた枝から新しく側枝が伸びたら枝を整えていきます。新しく伸びた枝の葉が3枚以上になり、花が着いたら、花のすぐ上の葉を1枚残して切り取ります。
また、実を収穫したあとは、下葉を1〜2枚残して枝を切り取りましょう。
ナスは5月頃〜初夏までに旬を迎え、夏の暑さが本格的になると枝葉が増えて栄養が株全体に回らなくなります。秋ナスを収穫したい場合は、剪定を行いましょう。
収穫後のナスは「なり疲れ」という状態で、たくさんの実をつけた後で体力が落ちた状態です。剪定して枝を切り落とすことで、株全体に栄養が行き渡り、美味しい秋なすが収穫できますよ。
ナスの剪定は、7月下旬から8月上旬頃を目安に行います。混み合ってきた枝を切り戻し、1〜2本程度の枝が残るように剪定しましょう。切り戻してから1ヶ月ほどで、またナスを収穫できるようになります。
剪定では、混み合った枝を切り戻します。3本立てにした枝から、1〜2節の枝だけを残して剪定しましょう。
剪定と合わせて肥料を施すと、さらに良い秋なすを作ることができます。
ナスは乾燥に弱く、たくさんの水を必要としますが、その反面過度に多湿な状態が苦手です。多湿の状態が続くと、病気にかかりやすくなるので注意しましょう。
ナスにツヤがなく硬い果実になってしまった場合は、水不足が考えられます。低温、水分過多などが続くと、奇形のナスが育ってしまう場合もあります。ナスの病害虫によるトラブルは、関連記事を参考にしてください。
ナスの枝に色むらがある場合、光線不足(日光が当たらない場所は緑色になりやすい)が原因であることが多いです。色むらがあっても問題はありませんよ。
ナス科の野菜は連作障害を起こしやすく、毎年同じ場所で栽培することができません。ナス、ピーマン、トマトなど、同じナス科の野菜を植えた後には植えないように注意しましょう。同じ場所で育てる場合は、4〜5年間隔を空けて栽培してください。ただし、ナスを接ぎ木苗で育てる場合は、連作しても大丈夫です。
ナスの後作には、玉ねぎ、キャベツ、ブロッコリーなどを植えると上手くいきます。逆に、ゴボウは上手く育たないので避けましょう。
ナスは、煮物、炒め物、漬物など、どんな料理にも万能に使える野菜です。収穫期間も長いので、上手に育てれば、春〜秋まで長い間収穫を楽しむことができますよ。初心者にも簡単に育てられるので、ぜひ、畑で新鮮なナスを育ててみてくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部