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ズッキーニは、アメリカ南部またはメキシコ原産のペポカボチャの一種です。
夏野菜のひとつとして、最近では日本でもよく栽培される野菜になりました。クセがなく火を通すととろとろとした食感になるので、さまざまの料理と相性が良い野菜ですよ!
今回は、そんなズッキーニの育て方について、詳しくご紹介します。
ズッキーニは、ウリ科カボチャ属の野菜です。種から簡単に育てられるので、家庭菜園初心者にもおすすめできる野菜です。ズッキーニはプランターでも簡単に栽培できます。
ズッキーニはつるが伸びないことが特徴ですが、露地栽培で育てると、茎が長くなり、人の身長くらいに育つこともあります。露地栽培の場合は、最低でも1㎡の栽培スペースを確保したいところです。
ズッキーニは連作障害も少なく、土壌を選ばない野菜です。ただし、温暖な気候を好み、発芽後も寒さに弱い傾向があるので、最低でも気温が18度以上を保てる場所で育てましょう。地植えの場合は、畝にマルチングや藁を敷くと地熱が上がり生育がよくなります。
プランター栽培の場合は、風通しがよく日当たりの良い場所で育てましょう。ベランダで育てる場合は、室外機の風に当たらないように注意してくださいね。
ズッキーニの種まきは、3月中旬から5月中旬が適期です。ズッキーニの種の発芽適温は25〜30度となっていて、10度を下回ると発芽しません。そのため、暖かくなってから種まきをしましょう。
ズッキーニは土壌をあまり選びませんが、弱酸性から中性で水はけの良い土を好みます。
ズッキーニは連作障害があまり起こらない野菜ですが、地植えで育てる場合は、3年以内にウリ科の野菜を育てた場所では育てないようにしましょう。
ズッキーニをプランターで育てる場合は、市販の野菜用の培養土でよく育ちます。できれば、あらかじめ元肥が入っている培養土を使用するとよいでしょう。
排水をよくするため、プランターの底には鉢底石か赤玉を敷いてください。
ズッキーニを植える時期は、関東地方であれば4月〜5月のゴールデンウィーク頃です。冷涼地では5月下旬から6月下旬に植えるのが適しています。ズッキーニを4月初旬に種まきした場合は、5月上旬には植え付け苗が育っているはずです。
ズッキーニは種から栽培できますが、苗を購入して育てても問ありません。ズッキーニの苗選びのポイントは、「子葉がしっかりついていること」「本葉が3〜4枚ついた大きさで、茎の節間が短く茎がしっかりしているものであること」です。古い苗は葉色が薄く、ハダニがついていることもあるので注意してくださいね。
ズッキーニを地植え栽培する場合は、最低でも1㎡以上の広さがあった方が好ましいでしょう。ズッキーニは、深く植えず浅植えにするのがポイントです。
ズッキーニを鉢植えもしくはプランターで栽培する場合は、10号以上の植木鉢か、幅60センチほどのプランターに1苗植えつけると育てやすいです。1株で育てると受粉しにくいので、必ず人工授粉してあげることが大切です。
ズッキーニは浅いところに根をはるので、乾燥しやすい野菜です。乾燥すると枯れてしまったり、病気にかかりやすくなります。
地植え栽培・プランター栽培でも、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをしましょう。特に真夏の時期は乾燥しやすいので、朝夕2回水やりをしましょう。
ズッキーニの株がまだ小さいうちに実がついてしまった場合は、もったいないですが取り除きましょう。株が小さいうちに実がなると、実に栄養が届く分、株の生長に遅れが出てきます。そのため、一番に咲いた花は取り除くようにしましょう。
5月下旬〜6月下旬になり、ズッキーニが大きくなってきたら支柱を立てます。
ズッキーニはつるは伸びませんが、代わりに茎が長く育つので、放っておくと生育途中から倒れて地面を這うように育ってしまいます。ズッキーニの周囲に2〜3本支柱を立てて、茎が横向きに伸びるように誘引しましょう。
ズッキーニは収穫期間が約2カ月続くため、肥料を絶やさないことが重要です。肥料切れすると途中から実がつかなくなる場合もあるので注意しましょう。
ズッキーニにつぼみがつき始めたら、週に1回のペースで油かすをひと握り与えます。生育初期に肥料を与え過ぎると実が付きにくくなるため、肥料を与える時期は気を付けてくださいね。
また、苗の植え付けから2週間ほど経過したら、追肥を施します。その後、半月に1回の頻度で追肥するとよいでしょう。
ズッキーニの収穫時期は、7月〜8月の夏頃です。5月上旬頃に植え付けすると、7月から8月頃には収穫できるようになります。
ズッキーニは花が咲いてから、1週間ほどで収穫できます。実の長さが20センチほどになったら、清潔なハサミを使って茎を切り取り収穫しましょう。先細りした実は未受粉の実ですから、病気が蔓延する前にハサミで切って処分しておきましょう。ズッキーニは収穫のタイミングが遅れると味も落ちてしまうため、早めに収穫することを心がけましょう。
ズッキーニの実に雌花がついた状態のものを「花ズッキーニ」と呼び、そのまま食用できます。花ズッキーニは甘みがあるので、お好みであれば花ズッキーニも収穫してみてはいかがでしょうか。
ズッキーニは、必要に応じて整枝という作業を行います。ズッキーニは生長するにつれて葉も大きくなり、風通しが悪くなります。ズッキーニを収穫した後は、下葉を取り除いて風通しをよくしましょう。
古い葉を除去することで、風通しがよくなり、病害虫を防ぐことができます。
ズッキーニはプランターでも栽培できるため、ベランダに置いて育てることもできます。ベランダの広さは、1平方メートル以上あると安心でしょう。
また、ズッキーニをベランダで栽培する場合は、室外機の風が当たらない場所かつ、日当たりと風通しも良い場所を選んであげることが大切です。また、地面からの照り返しを防ぐため、レンガや棚上に置くなどの工夫をしましょう。
ズッキーニが雌花と雌花が離れて咲くため、自然の力によって受粉することは難しいです。とくにプランターで1株しか育てていない場合はまず自然受粉はしないので、必ず「人工受粉」をしましょう。
ズッキーニの雌花が咲く時間は早朝です。晴れた日を選び、遅くても午前9時までに作業を終わらせるようにしましょう。人工授粉の方法はとっても簡単です!2ステップで終わるので、どんどん挑戦してくださいね。
受粉がうまく行われないと、実が均一に肥大せずに先細りした果実になってしまいます。良い実を多く取るためにも、どんどん人工授粉にチャレンジしましょう!
ズッキーニを人工授粉させるのに必要な雌花が咲かないといったケースがたびたび起こります。
これは株に栄養が足りていなかったり、逆に肥料が多すぎることが一因といえます。また、雌花は朝にしか咲かないことも多いため、午前9時くらいまでに様子を見てみると良いでしょう。
ズッキーニは加湿を嫌うため、収穫前の梅雨の時期にはカビが発生しやすくなります。
雨が続いたり、実の周辺に花がらが残っていたりすると、そこからカビが発生し、実が黒く腐ってしまう原因となります。この時期には、雨よけの対策や花がら摘みをしておくと良いでしょう。
もし先端が黒くなり始めてしまった場合は、気付いた時点でその部分を切り取っておきましょう。
ズッキーニの葉っぱに白い粉のようなものが付着している場合は、「うどんこ病」を発症している可能性があります。
もし発症してしまった場合は、周囲に伝染するのを防ぐためにも、白くなった部分の葉っぱを取り除き、薬剤を散布しておきましょう。初期の段階であれば、木酢液をかけてあげるのもおすすめです。
ただしズッキーニの葉は、もともと部分的に白くなるという特徴があります。葉の裏も白みがかっていたら、うどんこ病の可能性が高いです。一概に病気とはいえないため、白くなった部分や葉の裏側をよく観察してみてくださいね。
ズッキーニの種を取るためには、実を完熟させる必要があります。ズッキーニの実を完熟させるには、1カ月ほどの期間が必要です。ズッキーニは完熟すると実が黄色くなるので、全体的に黄色くなれば収穫しましょう。
収穫した実を半分に切り、種をとります。種をよく水洗いしてしっかり乾燥させれば、ズッキーニの種取りの完了です。
ズッキーニの栽培で特に注意する病気は、うどんこ病です。うどん粉病にかかると、葉や茎にうどん粉を振りかけたような白いカビが生えます。
春から秋にかけて発生しやすく、風通しが悪いところで多発します。風通しをよくするために必ず整枝を行いましょう。
うどん粉病が発生してしまったときは、病気にかかった部分を切り取って、薬剤を散布します。株全体に広がったときは、土から引き抜いて焼却処分しましょう。
ズッキーニはアブラムシがつきやすい野菜です。アブラムシは新芽や葉裏に寄生して、栄養分を吸い取ります。アブラムシは春と秋の時期に発生しやすい害虫です。肥料を与えすぎると寄ってくるので、適切な量を与えるように注意しましょう。
収穫間際の時期には、薬剤をスプレーして防除します。アブラムシの他には、ウリハムシにも注意しましょう。
ズッキーニは近年になってから日本でも育てられるようになった夏野菜です。クセがなく、塩で焼くだけのシンプルな料理にもピッタリの野菜です。
ズッキーニは、人工授粉や追肥などの手間はありますが、プランターでも地植えでも簡単に育てることができますよ。人工授粉をすることで確実な実がつくので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
七尾びび
GreenSnap編集部