警告

warning

注意

error

成功

success

information

柿の木の育て方|肥料の量、収穫、苗木の鉢植え方法は?寿命はどれくらい?

  • カキノキ科
  • カキノキ属

柿は古くから日本で愛されてきた果実のひとつですね。『さるかに合戦』などのおとぎ話にも登場することから、子どもにもなじみが深いでしょう。今回は、そんな人気の果樹、柿の育て方について詳しくみていきます。

柿とはどんな果樹?

『桃栗三年柿八年』ということわざがありますよね。「桃や栗の実は木を植えてから3年ほどで収穫できる一方、柿が収穫できるまでには8年かかる」という意味で、転じて物事を成就させるためには、長い年月が必要である、という趣旨のことわざです。

このようなことわざが有名ですが、柿は育てる環境や品種によっては、植え付けてから約3年ほどで実を収穫できることも多くあります。

また、柿の木の寿命は100年以上にものぼるといわれ、長寿の木としても知られています。

柿の木の育て方:栽培場所・日当たり

柿 柿の実

柿は日当りを好む植物です。柿の木を地植えするにしても鉢植えするにしても、一日を通してよく日が当たる場所を選んであげましょう。

柿の木の育て方:用土

柿の木は耐寒性や耐暑性に優れていますが、一方で乾燥に弱いため、水持ちのよい土の状態にしてあげる必要があります。腐葉土を混ぜる、植えたら根元の地面に藁を敷くなど乾燥対策をしてあげましょう。

no-img2
家庭菜園士 七尾びび
柿の栽培には培養土よりも「果樹・花木用の土」のほうが向いていますよ。

柿の木の育て方:水やり

柿の木を鉢植えした場合は、生長期にあたる5月から9月にかけては、こまめに朝晩と水やりをします。

地植えした場合は、雨が降るに任せて問題ありません。ただ少雨になってしまった、気温の高い日が続いているなど、気候の条件が変化したら水やりをしてあげます。

no-img2
家庭菜園士 七尾びび
鉢植え栽培なら、土が乾いたら水をたっぷりやりましょう。
柿は太く長い根を張りますが、細い根が少ないのが特徴です。根が乾燥すると実の質が落ちたり、落果したりするので乾燥には注意!

柿の木の育て方:肥料・追肥

冬の時期に施す肥料のことを「寒肥」といいます。柿の木には、この寒肥が必要です。

寒肥を与える時期は真冬の12月から1月にかけてが適期です。追肥は初夏の7月と実を収穫したあとになります。ただし、肥料の与えすぎには十分に注意が必要です。肥料を与えすぎると次の年に実のつきが悪くなる、隔年結果という事態を招く可能性があります。

no-img2
家庭菜園士 七尾びび
鉢植えなら2月頃に「春肥」と呼ばれる追肥をします。春肥は「有機肥料」がおすすめですよ。
1年分の生長を支える肥料で、「芽出し肥」と呼ばれることもあります。

柿の木の育て方:苗木の植え付け・植え替え

苗木の植え付け

柿の苗木の植え付け時期は、休眠期にあたる12月から1月にかけてが適期です。

地植えの場合は50㎝四方、深さもあわせて50㎝ほど穴を掘ります。堀った土に腐葉土や有機肥料などを混ぜたら、半分は植える前に穴に戻します。柿の木を穴に植えたら、残った土をかぶせてしっかりと埋めます。倒れそうなら支柱で支えてあげましょう。

植え付ける作業が終わったら、根つきがよくなるようにたっぷりと水やりをします。

no-img2
家庭菜園士 七尾びび
柿は鉢植えにも向いていて、鉢植えならば3年ほどで結実するといわれていますよ。庭植の場合は大木になるため、植える場所は注意しましょう。

植え替え

柿を植え替える場合は、休眠期にあたる12月から1月を避けた11月から3月にかけて行います。

鉢植えの場合も地植えの場合も時期は同じです。鉢植えの場合はこれまでよりも一回り大きいサイズの鉢を用意しましょう。地植えした柿の木を植え替える場合も根が生長できるスペースを確保してあげるために大きめの穴を掘り、元肥を施したうえで植え替えます。

no-img2
家庭菜園士 七尾びび
植え替えの際には根鉢をほぐして、太い根を少しだけ切ると根の生育がよくなりますよ。

柿の木の剪定

柿の木の剪定をするときに注意しなくてはいけないのが、切る枝を選ぶ作業です。

柿は枝の先端にあるいくつかの芽しか花をつけません。そのため枝を切りすぎると、実をつける前の段階の花を咲かせる芽がついた枝をすべて切り落としてしまった、という事態になりかねないのです。

柿の木の枝を剪定するときのポイントは、込み合っている枝がある部分だけを「梳いて」挙げることです。枝越しに景色が見える程度にとどめるのがいいでしょう。

no-img2
家庭菜園士 七尾びび
成木の剪定は、今年に出てきた新しい枝を間引きします。
太い幹から発生している新しい枝が多いと養分の無駄遣いになります。日当たりも風通しも悪くなり、病害虫の被害に遭いやすくもなるので付け根から間引きしましょう。

柿の木の増やし方:種まき・接ぎ木

柿の木を増やす方法には、果実からとれる種を使う「種まき」という方法と、「接ぎ木」の2つがあります。

種まき

種から育てる方法は『桃栗三年柿八年』とのことわざのように、8年を要することはないものの、結実するまで数年かかります。また、柿には優性遺伝という性質があることから、甘柿の実からとった種を植えたからといって、甘い柿が実るとは限らないのです。

そのため、種まきから育てることはおすすめできませんが、種から発芽させた柿は鑑賞用としても楽しむことができますよ。

接ぎ木

柿の木を増やしたいのなら、接ぎ木が現実的な方法といえるでしょう。

前年までに伸びた枝を10㎝ほどの長さで切り落とし、接ぎ穂(接ぎ木するための素材)とします。株元から3㎝ほどのところを切って、台木(土台となる木)とし、接ぎ穂を差し込むための切り込みを垂直に入れます。

接ぎ穂を台木に入れた切り込みに合うようにカットし、台木の切り込みに差し込みます。台木と差し込んだ接ぎ穂を専用の接ぎ木テープで固定したら、株全体をビニール袋で覆い、袋の口を縛って完成です。4月になって萌芽して、被せているビニール袋に枝葉が触れたら外しましょう。

柿の木の注意する害虫・病気

柿を育てるときに注意したい害虫に、毛虫やヘタムシがいます。ヘタムシはその名のとおり、柿の実のヘタ部分だけを残して実を落としてしまう害虫です。名前のとおりヘタに寄生しますので、見つけたら薬剤を散布して駆除します。

柿の葉っぱに黒い斑点が出て葉が落ちはじめたら、落葉病の疑いがあります。黒い斑点のある葉はすべて切り落とさないといけません。春から夏にかけて、5月から7月に薬剤を撒くと落葉病を予防できます。

no-img2
家庭菜園士 七尾びび
葉の養分を吸汁する葉ダニ類は、水をかけることで退治できます。夏場、すぐに乾く時期には水やりの際には葉っぱにも水をかけるとよいですよ。
実がついたら病害虫だけではなく、鳥害にも注意しましょう。

柿の木の収穫の時期や方法

収穫時期

柿の実の収穫時期は、品種によって異なりますが、だいたいが秋の10〜11月頃にピークを迎えます。ただし、早い品種のもので、8月頃から収穫できるものもあります。

収穫方法

柿の果実がオレンジ色になった頃が収穫するタイミングの目安です。剪定バサミを使って、実がついている茎の根元を切りましょう。実がついたまま放置されると、翌年の柿の木の成長が鈍ってしまうため、できれば全て収穫してあげると良いでしょう。

柿の花言葉

柿 つぼみ
柿の木の花言葉には「優美」「自然美」「恵み」など自然から人間が受ける恩恵を思い出させてくれる言葉が並びます。種から育てたとき、実がなるまでに年月を要する柿の実から、自然の恵みのありがたさを人々は実感していたのかもしれませんね。

柿の木を鉢植えや地植えで育ててみよう

甘柿の種を植えても渋柿になってしまう、一見難しい性質を持つ柿の木。しかし古来から日本で愛されてきた果樹であることは間違いのない事実です。柿の渋抜きの方法もありますし、うまくいけば毎年秋には美味しい柿の実を食べることができます。ぜひ柿の木を育ててみませんか?

この記事を監修した人

七尾びび

家庭菜園士・ベランダ菜園士。株式会社マイファーム松戸農園、松戸千駄堀農園の農園アドバイザー。 循環型の野菜栽培(コンポスト、たい肥づくり)に特化したアドバイザー。 化成肥料の栽培、完全有機栽培まで指導。日本園芸協会会員。同時に農業系、菜園系ライターとして活動中。

柿の木の新着コラム

柿の木の剪定はどこを切る?適した時期や切る場所をわかりやすく図解の画像

柿の木の剪定はどこを切る?適した時期や切る場所をわかりやすく図解

おすすめ機能紹介!

【無料で利用できる】写真を撮るだけ!アプリが植物・花の名前を教えてくれる『教えて!カメラ』のご紹介!

柿の木の基本情報

ジャンル
果樹
形態
低木
学名
Diospyros kaki
別名
原産地
東アジア

柿の木の性質

栽培難易度
やや易しい
耐寒性
強い
耐暑性
強い
耐陰性

時期

植え付け・植え替え
1月 、2月、3月、11月、12月
肥料
1月 、12月
収穫
8月 、9月、10月、11月

柿の木の新着投稿画像

みんなの柿の木の育て方

いいね
14

ビカクシダを柿の木に着生させよう!

裏庭の柿の木を強剪定したら、樹下に光が入るようにな...
by.光合星

家庭菜園の種類

アボカドの画像

アボカド

年間を通して日当たりのよい場所で育てます。
キュウリの画像

キュウリ

鉢やプランター、地植えで育てることができます
ブルーベリーの画像

ブルーベリー

ブルーベリーは場所もとらず、育てやすい為、手軽に楽しめる小果樹です。生食や、ジャム、スイーツなどにも...
豆苗の画像

豆苗

オクラの画像

オクラ

鉢植えの場合、表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいたっぷりと水を与えます。水きれしないように注意し...
ジャガイモの画像

ジャガイモ

年間を通して日当たりのよい場所で育てます。真夏の直射日光も問題ありません。