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柿の木は育てやすくて収穫もできる果樹として人気ですよね。柿の木を育てていると、こんな悩みが抱えることもあるのではないでしょうか。なかなか実がならない、実の味が落ちている、そんなときは柿の木の剪定で復活させられる可能性がありますよ。このページでは、柿の木に剪定時期や剪定方法などについて、図解でわかりやすくまとめていますので、ぜひご参照ください。
柿の木は植え付けしてから4〜5年で実がなるといわれますが、長年栽培しているのに実がならない場合や、昨年は実がたくさんなったのに今年は実がならない場合は、うまく剪定ができていない可能性があります。
柿の木に実らせるには、枝全体に日光が当たっていること、木に十分な栄養があることがとても大切です。
とくに柿の木の栽培では、その年に実のらせすぎて木が栄養不足になり、翌年実らなくなるという「隔年結果」に気をつけなくてはいけません。
そのため、剪定をして混み合った枝を減らしたり、つぼみや果実の数を減らす摘蕾・摘果をして栄養の使い道をコントロールする必要があるのです。
柿の木の剪定をする時期は、落葉期の1〜2月です。遅くとも3月上旬までにはすませておきましょう。
また、柿の木の剪定はメインとなる冬の剪定以外にも、摘蕾・整枝・摘果をすることで、安定した収穫が望めます。それぞれの時期や目的を表にまとめたので参考にしてください。
手入れごとに詳しいやり方についても、こちらの記事でご紹介していきますね。
1〜3月上旬 | 剪定 | 不要枝を切り、結果枝の切り戻しをして樹勢を調整する |
4〜5月中旬 | 摘蕾 | つぼみを間引いて果実の数を調整する |
6〜7月上旬 | 整枝 | 弱剪定や、多すぎる新梢を間引いて日当たりよくする |
7〜8月上旬 | 摘果 | 生育の悪い果実を間引いて、残りの果実の質をよくする |
柿は人工授粉しなくても結実しますが、できれば5月頃に人工授粉してあげましょう。
方法は2種類あり、ひとつは雄しべの花粉を自分の爪につけて、雌花のなかの雌しべにこすりつけてあげる方法です。もうひとつは雄花を摘み、花びらを剥くと雄しべが出てきますから、この雄しべを雌しべに直接こすりつける方法です。
柿の木の剪定をする前に、柿の果実のつき方を覚えておくと、より正確な剪定ができるようになります。
柿の木は、春になると前年に新しく伸びた枝(結果母枝)の先端部分に混合花芽がつきます。混合花芽とは、ひとつの芽の中に枝・葉・花(果実)の素となる栄養がつまった芽のことです。
夏になると混合花芽から枝(新梢)が伸びて分岐し、その20〜30cm伸びた新梢の先端に果実がついて結果枝となります。
なお、1本の結果母枝からは数本の結果枝がつくことになりますが、結果母枝の先端についている結果枝に実った果実は大きく育ち、その下の結果枝の果実は落果しにくいという性質があります。
このような柿の果実のつき方を覚えておくと、剪定のときにどの枝を切るべきか、どのくらい切るべきかがわかるようになりますよ。
柿の木にとって冬の剪定は、樹形を整えて次のシーズンの果実を実らせる、必要不可欠な作業です。主に「不要枝の間引き剪定」と「結果枝の切り戻し」をします。
まずは、柿の木で目指すべき理想の樹形についてご紹介してから、冬剪定のやり方をご紹介しますね。
柿の木は主幹から分岐する太い主枝を3本に、さらにその主枝から伸びる亜主枝を各5~8本程度にした「3本仕立て」の樹形にすると、どの枝にも日が当たってよい果実が実ります。
柿の木の剪定ではどの枝を主枝に選ぶかが大切です。主枝同士や地面に近すぎたり、幹からの分岐の角度が狭すぎるとをうまく栄養が流れていきません。
そのため、主枝は下記の条件を意識して選ぶようにしましょう。
柿の木は日当たりがいい枝に果実がつくようになるので、できるだけ日当たりをよくするように混み合った枝や不要枝を切り落として、理想の樹形をつくっていきましょう。
なお、どの枝を残すか迷った場合は、できるだけ結果枝や若い枝を残すようにしてください。枝の色がやや緑がかっているものは若いので、元気に伸びて次の果実をよくつけてくれます。
前項でご紹介した不要枝(内向枝・下垂枝・車枝・平行枝・徒長枝)を間引くときは、必ず分岐の根本から切るようにしましょう。このとき、少し角度をつけて切り口が最小になるように切るといいです。
中途半端に枝が残ってしまうと、そこから枯れ込んだり、むしろさらに分岐して株が混み合う原因にもなるので注意してくださいね。
太い枝を切るときは重みで樹皮が裂けることもあるので、下記のように三度切りをして剪定しましょう。
安定して果実を収穫したい場合は、4〜5月につぼみを摘み取る摘蕾(てきらい)をしてください。
この時期になると、前年の結果枝から新梢が分岐するように伸びて、その新梢につぼみがつきはじめます。
そのままつぼみがすべて果実になると、エネルギー不足で味や品質が落ちるので、つぼみの数を少なくするように摘蕾します。
前年の結果枝から5〜7本ほど新梢が伸びることが多いのですが、この場合、上から2本目の新梢より下についているつぼみは、全て取り除くといいです。
柿の木は6月ごろになったら整枝といって、軽く枝を切り戻したり、枝数を減らす作業をします。
60cmを超える長い枝があれば、先端を3分の1ほど切り戻ししましょう。ここで切っておくと枝が分岐するので、翌年に実がつく枝が増えます。
また、柿は幹や太い枝の1箇所から緑色の新梢が複数生えますが、向きや太さを考えながら、1箇所につき1本になるように間引いて整理しておきましょう。
柿の木には、できの悪い果実を自然と落下させる「生理落果」という性質があります。生理落果が終わった7月下旬ごろ、さらに人の手を加えて摘果をすることで、よりおいしい果実を収穫することができますよ。
柿は枝の長さが20〜40cmにつき、1〜2つが目安となります。また1本の枝に3つ以上の果実がついている場合、1つになるように摘果する必要があります。
下記のような果実は摘果の対象となるので、ヘタを残さないように清潔なハサミで切りましょう。
お庭に柿の木がある方は、おいしい果実を収穫したいですよね。剪定をすると果実を大きくして、安定して実るようにすることができますのでお試しください。
七尾びび
GreenSnap編集部