warning
error
success
information
スグリ(酸塊)はスグリ科スグリ属に分類される植物で、西洋スグリという名前で呼ばれることもあります。初夏に熟すスグリの果実はワインレッドやグリーンなど半透明で美しく、ジャムなど料理のアクセントとしても重宝されます。
今回は、緑色のスグリ(グーズベリー)の育て方をみていきます。
日本では、スグリの栽培が北海道から始まったことからもわかるよう、栽培適地は寒い場所です。耐寒性は非常に高くマイナス30℃の気候でも育ちます。日なたもしくは半日陰の環境がおすすめです。
また、湿気が少なく高温にならない場所で育てます。なお、地植え、鉢植えのどちらでも問題ありません。
スグリは、耐暑性と乾燥に弱い低木です。表土が乾燥してきたら、たっぷり水を与えます。
スグリへは、有機肥料である油かすなどを3月頃に与えます。
スグリを育てるのに土壌はあまり関係ありません。どんな土でもよく育ちますが、水はけが悪い土は避けたほうがよいでしょう。排水性がよい土がおすすめです。
スグリを植え付けるのに適している時期は、10月下旬~5月中旬です。スグリの花は、5月頃に開花しますので、その前までに植え付けるのがおすすめです。
地植えの場合は、30cmほどの深さの穴を掘り植えます。添え木を土にさして支柱で固定します。鉢植えの場合は、スタンダート鉢か深鉢の8号あたりを用意して植え付けます。
スグリの植え替えの時期は、植え付けと同じ時期に行います。地植えの場合は、そのままで問題ありません。鉢植えの場合は、スグリの生育状態にもよります。根詰まりが心配ですので、2年ごとを目処に鉢を替えます。
スグリの増やし方には、「挿し木」と「取り木」という方法があります。
挿し木の場合ですが、植え付けや植え替えの時期に一緒に行います。挿し木のつくり方は、枝を10~15cm程度にきり水に2時間ほどさしておきます。その後、土に挿し支柱をして根が落ち着くのをまちます。
取り木は、発根をさせたい部分の幹の表皮を剥きます。皮を剥ぎ取った部分をビニールなどで包み根が出るのをまちます。挿し木と比べると、取り木のほうが発根率は高く、大きい苗木となります。
スグリは、特別な世話をしないでも育ちます。木が茂って見た目が良くないなどの場合は、適度に枝を切り落としましょう。苗を植えてから4年目ぐらいまでは、特別にすることはありません。
スグリの栽培において、特に夏に気をつけないといけないのがハダニです。スグリそのものも乾燥は苦手なので、葉が乾燥しないように夏場は気をつけてあげるとハダニ予防にもなります。もしハダニが発生したときは、市販のハダニ用駆除剤を葉の裏を中心にかけます。
グーズベリーは、落葉〜発芽までの間に剪定します。花芽は前年に伸びた枝につくため、選定するのは3年以上の古い枝や、混み合った枝にしましょう。
グーズベリーの収穫適期は6〜7月の間になります。実が色づいて実が少しやわらかくなったら収穫の合図です。
グーズベリーの実はなんといっても甘酸っぱさが特徴です。これを利用してジャムに加工したり、料理のソースとして利用されています。最近ではケーキのトッピングに使われるほどポピュラーになりつつあります。
グーズベリーの酸味成分であるクエン酸は、血流改善や疲労回復の効果が期待できます。さらに肌トラブルを改善する。
スグリは、1540年代の文献ですでに英国で家庭用に栽培されていることがわかっています。ヨーロッパ全土で自家栽培されて、食用としても愛されています。そんなスグリが栽培を目的として北海道に入ってきたのが、明治5~6年頃です。
ヨーロッパでは、ガチョウの肉のソースを作る時にスグリの実を使います。そのため、スグリの別名はグーズベリーといいます。日本では塩漬けにしてサラダにして食べられます。
スグリは、一本からでも結実します。管理もとても簡単なスグリは、ガーデニング初心者向けの低木です。庭がなくても鉢植えで十分に育ち、食用として利用できる大きさの実をつけますので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
※トップ画像はもてちゃんさん@GreenSnap
GreenSnap編集部