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酸っぱいものや苦いものを、一緒に食べるだけで甘くしてしまうことで有名なミラクルフルーツ。食欲を抑制するように活用もできるため、ダイエットにもなると、今でも注目されています。
今回はそんなミラクルフルーツの育て方について簡単にご紹介します。
ミラクルフルーツはもともと西アフリカ原産の熱帯植物であるため、暑さに強く、日向を好みます。そのため日本の気候条件では、常に日当たりの良い場所で育てるのがよいでしょう。
ただし風通しの悪い場所で高温になる場合には、半日陰に置く方が葉焼けなどの心配をする必要がありません。したがって夏は半日陰、春・秋・冬は日向で育てるようにしましょう。
ミラクルフルーツは熱帯植物ということから、日向で育ちやすいだけでなく、比較的暑さを得意としています。
そのため、夏場は、風通しが悪い中で直射日光が当たらないこと以外には、置き場所のことで悩む必要はないでしょう。
ただやはり耐寒性は高くないため、冬場は室内の出来る限り暖かく、明るい場所で管理するようにしましょう。
かなり暖かくなければ実はなりませんが、爽やかな常緑樹として室内を彩ってくれます。
なお20℃〜30℃の環境である方が望ましいとされており、冬でもこの温度さえ超えていれば、花が咲いて実がとれる可能性が高いです。そして、乾燥しすぎない程度に風通しのよい状態を維持するようにしましょう。
ミラクルフルーツは、高温多湿を好むので水やりはかなり頻繁に行うべきですが、中でも生育期の時期は割合多めの水分を必要とします。
そのため、春・秋は鉢の土の表面が乾くたびに水を与える程度で構いませんが、実が成り始める夏場は特によく乾くようになるので、毎日朝夕の頻度で与えるようにするのがベストです。
四季に応じて水の与え方を変えるということを肝に命じておきましょう。
ミラクルフルーツは熱帯植物のため、冬場は水やりの量・頻度を少なめにする必要があります。
特に11月下旬〜3月初旬などの10℃以下になる時期に、特別な管理を行わない場合は、特に乾燥気味にして育ててください。
鉢皿に水が決してたまらないように注意しましょう。もしも溜まってしまった場合には、根腐れを防ぐためにも、鉢皿の水だけでも捨ててしまいましょう。
ミラクルフルーツを栽培するときは、肥料は基本的に控えめに与えます。与えすぎてしまうと木全体は育っても、花や実をつけなくなってしまう可能性が高いからです。
したがって、生育適温期である春・秋に、チッ素やリン酸、カリの三要素が等分に含まれている、もしくはリン酸が多めの肥料を規定量で置き肥で与えるだけで問題ないでしょう。適期に、適量の肥料のみ与えるように心が欠けてください。
ミラクルフルーツが好むのは、pH4.5 -〜5.8の弱酸性、かつ水はけのよい肥沃な土壌です。したがって、赤玉土小粒7・鹿沼土7・腐葉土3の配合土が適しているでしょう。
10号以上の鉢を利用する場合には、赤玉土を小粒・中粒の両方を混ぜるほうがベストです。
なお、水持ちがいい土壌も比較的好むのですが、水を毎日与えられる環境にある場合には与えすぎなどで根腐れを起こす可能性があるので、水はけを一番に優先してください。
ミラクルフルーツも当然鉢の中等で根詰まりを起こしてしまうと、生育が一気に衰えます。そのため生育速度に合わせて植え替えをしましょう。
若い株の場合には1、2年に1回、すでに育った株は2、3年に1回の頻度で植え替えを行うのがベストです。
なお、株に対して鉢が無駄に大きすぎると、花が咲かないようになってしまうので、多少根詰まり気味な状態になるような鉢を選ぶことも必要となります。
一方、ミラクルフルーツの植え付けは、苗植えの場合には5月〜6月の間に行うといいでしょう。6〜8号の鉢に適切な用土を入れて、日当たりのよい場所で育ててあげましょう。
種まきを行う場合には、適期の6月〜9月に種の周りの果肉を除去したうえで、適した用土もしくはバーミキュライトに植えて育てましょう。
その際に土などを薄くかぶせるようにし、常に用土を乾かさないことを心がけたうえで、10ヶ月ほど経って育った苗を鉢に定植してください。種を植えた直後に20℃以上をキープしておくと、2〜4週間という速さで発芽してくれます。
ミラクルフルーツの地植えは、国内では沖縄県以外では難しいので、温室ではないならば原則移動が可能な鉢植えにしておきましょう。
ミラクルフルーツを増やす方法は、「種まき」になるでしょう。
植物ホルモンを人為的に投与しなければ発芽率が24%程度ともされていますが、すでに育てている木を開花中にちょっと揺するだけで簡単に受粉、結実してくれる可能性が高いともいわれています。
湿度が高くても実がつきにくくなるので要注意です。先に紹介した方法で種まきを行えば、基本問題はないでしょう。
そのほかに気をつけることとして、冬の間は種を蒔いた鉢や育苗箱を室内の暖かい場所に置くこと、結実するまでもかなりの時間を要することを忘れないでください。
ただ一度結実したあとも、何度も繰り返して実をならせるので新しい苗を育て直すこともいくらでも可能になっています。
ミラクルフルーツを育てる際に、適切に育てていれば注意すべき病気は特にないでしょうが、カイガラムシという害虫だけはチェックしておきましょう。
樹木の害虫として有名なカイガラムシは、摂取した甘い汁を樹に排泄し、その蜜滴をもとにすす病菌などが繁殖する可能性があり、また葉や幹が黒くなってしまうこともあります。
こうした問題を起こすカイガラムシを予防するには、木全体の風通しをよくしておくことが必要です。
枝が混み合っていると判断し次第、適宜剪定するようにしましょう。枝を間引く程度に根で切るようにしてください。もしくはカイガラムシを発見し次第、歯ブラシでこするなどして除去してしまいましょう。
先にも述べたようにミラクルフルーツは熱帯植物のため、25℃を軸として20℃〜30℃という夏のような気温を好みます。
ただし日本では年中そのような温度に保つのも大変なので、少なくとも冬場は室内を15℃〜20℃あたりで保つとよいでしょう。
ただ20℃以下になると成長が止まるので水やりを控えること、また7℃以下になると枯れてしまうので冬場はかならず暖房の効いて暖かく、日当たりのいい室内で育ててください。
なお一度環境が悪化すると復活させるのにも時間を要するので、常に20℃以上を維持しておくことをおすすめします。
ミラクルフルーツの花言葉は「不思議」です。
今回は酸っぱいもの、苦いものを甘く感じさせる不思議なミラクルフルーツの育て方について、簡単にご紹介しました。
使いようによってはダイエットの味方にもなってくれる優れものなため、今はもちろん、18世紀以前から多くの人が関心を寄せてきたのも当然でしょう。
アメリカでは、糖尿病患者のための人工甘味料となる可能性のあるとして、食品添加物としてではないミラクリンの精製に取り組んでいる会社もあるほどですから当然でしょう。
ところがこんなミラクルフルーツは、生育がかなり遅いです。
1年で5〜6センチ伸びればいい方で、また実生から結実までに7〜10年という時間がかかってしまいます。
それだけの長時間かけてでも、ミラクルフルーツを堪能したいという方は是非挑戦してみてください。
親子だけでなく、孫の代まで育てていくのも、ロマンがあって面白いかもしれませんね。
GreenSnap編集部