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アシタバは、葉にさまざまな栄養素が豊富に含まれていて、健康野菜としても親しまれているセリ科シシウド属の植物です。日本原産で、もともとは暖かな地域の海辺に自生する植物ですが、プランターや地植えでも育てることもできます。そんなアシタバの育て方を説明します。
アシタバは風通しのよい、屋外の半日陰で育てます。ベランダや軒下が最適です。また、アシタバの根は長く伸びるので、鉢で育てる場合は深さ30㎝以上の鉢で育てましょう。8~10号鉢か、65㎝プランターがおすすめです。
アシタバは元々紀伊半島や房総半島、伊豆諸島、小笠原諸島など暖地の海辺に自生している植物なので、寒さには弱いです。霜に当たると、地上に出ている部分が枯れてしまいます。根が生きていれば翌年も芽を出しますが、地中も凍る寒冷地では室内で冬越しさせてください。
アシタバを栽培している土が乾いたら水をやります。土が濡れているうちに水やりすると根腐れを起こしてしまいます。冬場は水やりを控えましょう。
アシタバは水はけのよい環境を好みます。梅雨の時期は雨の当たらない場所に移動させたり、地植えでは水がたまらないように、溝をつくるなどの工夫をします。
アシタバへは、緩効性の固形肥料・鶏糞・油粕を少量施します。肥料を与えすぎると根腐れを起こすことがあるので量は控えめにしてください。
また、液体肥料は根が肥料負けして生育不良となる可能性があるため、アシタバの栽培では避けたほうがよいでしょう。
アシタバは、市販の草花・野菜用培養土で育てることができます。用土を自作する場合、割合は赤玉土7:腐葉土1:川砂2とします。
水はけのよい土が適しているので、地植えで育てる場合は土に砂を混ぜるなどして水はけをよくする工夫をしてください。また、土が痩せている場合は腐葉土を混ぜて養分を足します。
アシタバは、シーズンになるとポット苗が出回るので、これをプランターや庭に植え付けると種まきから育てるより簡単です。
苗をポットから取り出すときは、根を傷つけないように注意します。根は長く伸びていくので、鉢植えの場合は深い鉢を使用しましょう。
中間地および寒冷地なら4月から5月、暖地なら秋に植え付けることもできます。
アシタバは、株が枯れたあとのこぼれ種でも増やす頃ができます。種まき時期は、4月から5月頃が適期です。
アシタバの種は、花が咲いて3カ月ほど経ち実が黒ずんできたら採取しましょう。種を一晩水につけてから植え付けると発芽しやすくなります。種をまいたら10~20度で管理すると、約1週間で芽を出します。
発芽して本葉2枚になったら、庭や鉢に定植してください。株間は30㎝が理想的です。
栄養豊富なアシタバは、食用として育てる人が多いです。アシタバを収穫する場合は、株を育てて2年目からにします。株がまだ小さい1年目は、株をしっかりと育てることに専念しましょう。
2年目を迎えた株の収穫期は、4月から11月頃です。20㎝から30㎝ほどに育った若い茎を摘み取ります。この時のポイントは、根元を茎から3㎝ほど残すことです。全て切り取ると、新しい芽が出なくなります。
また、アシタバは株から3本の茎を出しますが、古い2本は残して新しい3本目の茎を収穫しましょう。全て摘んでしまうと、新芽が出なくなったり枯れてしまうことがあるのでご注意ください。
アシタバは、葉にビタミンなどの栄養素が豊富に含まれています。
アシタバの葉は苦く、少しクセのある風味です。苦味を緩和させるため、天ぷらやおひたし、和え物として食べるのがおすすめですよ。
アシタバを栽培していると、アブラムシや蝶・蛾の幼虫がつきます。病気はさび病が発生することがあるので、しっかり予防・対策しましょう。
アブラムシを見つけたら薬剤で駆除します。数が少ない場合は、手で一つひとつ取り除くか水をかけて流します。
ヨトウムシ・青虫など蝶や蛾の幼虫が発生したら、見つけ次第すぐに取り除きます。虫に食べられた葉は切り落としましょう。卵が産みつけられている可能性もあるため、注意が必要です。
薬剤で予防するか、米ぬかや殺虫誘引剤で虫をおびき寄せて駆除する方法もあります。
カビの一種「さび病菌」による病気で、葉に鉄さびのような病斑ができます。湿気が多い環境で発生しやすくなるので、水はけのよい環境づくりを心がけます。また、窒素分が高い場合も発病する可能性が上がるので肥料のやりすぎにも注意。
発生初期なら薬剤散布が効果的です。多発してからでは効果がなくなるので、こまめに観察するようにしましょう。
アシタバの開花は3〜4年に1回みられ、茎の先に小さな黄白色の花を咲かせます。開花後は枯死しますが種子ができ、こぼれた種からまた発芽します。
アシタバの花言葉は「未来への希望」です。
アシタバという名前の由来は、葉を摘んでも明日にはまた伸び出すほど繁殖力が強い性質からきています。漢字では「明日葉」と書きます。アシタグサ・ハチジョウソウとも呼ばれます。
寒さと水はけに注意すれば、アシタバは比較的容易に栽培できます。ポイントをおさえれば種から育てることもできるので、ぜひ種まき~収穫までチャレンジして栄養豊富なアシタバを味わってみてください。
※トップ画像はなつさん@GreenSnap
GreenSnap編集部