盆栽とは何か?
「陶磁器の鉢などに草木を栽植し、樹姿を整えて自然の雅趣を表し、鑑賞するもの」(広辞苑第六版) う〜む、無味乾燥な定義だ‥
「人が持てる技巧を尽くして作り上げる理想の自然」(ねこたんぽ苑初版)。そう、人工の自然、人工=アート、自然=ネイチャー、アートネイチャー、アートネイチャーこそ盆栽の真髄なのであります🤣
盆栽だと自分が思えばそれが盆栽、甚だ大雑把な理解に基づく我が家の盆栽シリーズ第二弾、見てやって下さいませ😁
木五倍子(キブシ)の鮮やかな紅葉です🍁今は双幹の半懸崖ですが、将来はもう少し大きくして懸崖にしてみようと目論んでいます😁
キブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木。早春の雑木林でいち早く淡黄緑色の小花を房状に咲かせます。ウルシ科のヌルデにヌルデシロアブラムシが寄生して出来る虫こぶ(虫癭:チュウエイ)を五倍子(ゴバイシあるいはフシ)といい、止瀉・鎮咳また皮なめしや染料に用います。キブシの果実はこの五倍子の代用にされたことからキブシと呼ばれるようですね。キブシには利尿作用も知られています🚾
馬酔木(アセビ)。蕾を付けた冬の姿です。来年は盆栽らしい鉢に植えかえます☺️
Pieris japonica subsp. japonicaは、ツツジ科アセビ属の常緑低木。馬が酔ってフラフラになるから馬酔木です🐴有毒成分はグラヤノトキシンI、アセボプルプリン、アセボイン、ジテルペン、アンドロメドトキシン(何だかカッコいい😃)。毒部位は、葉、樹皮、茎、花。中毒症状は血圧低下、腹痛、下痢、嘔吐、呼吸麻痺、神経麻痺。近年では殺虫効果を自然農薬として利用する試みがなされているそうです。
「磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言はなくに」(万葉集2-166)
謀反の罪で処刑された大津皇子を偲んで、姉の大伯皇女(おおくのひめみこ)が詠んだ六つの歌のうちの一首。大津皇子のしかばねを二上山に移葬する時、悲しんで詠んだ歌と言われています。
当時、誰かが亡くなったときに、その人が夢に出てきたり、ふと気配を感じるときにはその人の魂がそこにいるのだと信じて、その人の「魂に会ったよ」と言って肉親の人を慰める風習がありました。
しかし大津皇子は罪人として処刑されたので、その無念の魂に会ったということは国家に対する不吉なこととして誰もそのようには言ってくれなかったのです。
岸辺に咲く馬酔木の花を手折ってはみたけれど、一緒に見て欲しい弟はもうこの世にはいない。その魂さえも傍には居ないのだという大伯皇女の孤独感が非常によく表現されている一首ですね。
庭に生えてきたハマヒサカキを盆栽にしようとしています。
海辺に多いモッコク科の常緑高木。白い小花はプロパンガス臭😆黒い実も風情あり👍
ご存知ガジュマル🏝生態からして石付き向きですので、適当に拾ってきた石の上に植えています。もっと大きくてゴツゴツした岩が見つかったら付け替えるかも😁
Ficus microcarpa(細葉榕、正榕、榕樹)亜熱帯~熱帯地方に分布するクワ科イチジク属の常緑高木。
名の由来は、幹や気根が「絡まる」に由来するといいます。土台となる木や岩を気根で締め上げていく「絞め殺しの木」の一種ですΣ(||゚Д゚)ヒィィィィ
オロシマ笹として購入しましたが、オロシマチクが正式名のようです🎋
イネ科ササ属の常緑低木 (Pleioblastus pygmaeus var.distichus)。地下茎で繁殖し、水切れさえさせなければ丈夫です。
オロシマチクは笹類の中でも最も低く刈り込むことができます。こういう背の低い草物は松柏などの添え物にされるのですが、妻はこれ自体を好んで愛でています🥰妻のそういうところも愛しています😻💞
斑入りの寒茱萸(カングミ)です。黄色の斑入り葉が寒い時期に明るさを運んでくれます💡
グミ(茱萸、胡頽子)はグミ科グミ属(Elaeagnus)の植物の総称。グミは大和言葉であり、お菓子のグミ(ドイツ語でゴムを意味する"Gummi")とは無関係。日本にはナツグミ(E. multiflora)、アキグミ(Elaeagnus umbellata)、ナワシログミ(E. pungens)、ツルグミ(E. glabra)など十数種があります。根にフランキア属の放線菌が共生し窒素固定を行うので、海岸などのやせた土地にも育つそうです。虫媒花。サクランボみたいな果実🍒は楕円形で赤く熟し、渋みと酸味、かすかな甘味があって食べられます。リコピンが多いですが、種によってはタンニンを含んで渋〜い😖挿し木、取り木などで容易に殖やせます(Wikipediaより)
藪山査子(ヤブサンザシ)の半懸崖です。我が家の盆栽では大物かな。
スグリ科あるいはユキノシタ科の落葉低木。雌雄異株で,春,新葉とともに葉腋に黄緑色で小さい花を数個ずつ束生。雄花は萼筒がカップ状,雌花は萼筒が倒卵形で,どちらも萼片は無毛で花弁状をなし,花弁は萼より短い。果実は球形で赤く熟しますが食用にはなりません😩
真柏(シンパク)。盆栽界ではイブキのことを真柏と呼びます。それだけ盆栽向きの樹種なんですね。どんな形にも曲げやすく、樹皮を剥いで白骨化させる(ジン、シャリと言います)ことが容易で、作り上げる楽しみがあるのでしょうね😉
Juniperus chinensisは、ヒノキ科ビャクシン属の常緑高木。 別名ビャクシン(柏槇)、イブキビャクシン(伊吹柏槇)、シンパク(槇柏、真柏)。朝鮮、中国中部、日本では本州、四国、九州に分布。葉の付いた枝はすべて上に向かって伸び、全体としては炎のような枝振りになります🔥太くなった幹の樹皮は赤褐色で、縦方向に薄く長く剥がれます。雌雄異花で花期は春。海岸の岩場などに生育し、大木になると、幹がねじれたようになります。
果物のナシなどに発生する赤星病の病原菌の中間宿主で、イブキの木が1.5km以内にある梨園ではほぼ必ず被害が発生します⚠️赤星病はバラ科ナシ亜科の植物(リンゴ、ナシ、カイドウ、ナナカマドなど)に Gymnosporangium 属の担子菌が寄生することによる病気です。このため梨生産者が周辺住民に対し、庭木として植えられているイブキを消毒させてもらえるよう依頼して回ったり、条例でイブキの植栽を規制する自治体もあるそうです。真柏とヒメリンゴやカリンは近くに置かない方がいいようですね(Wikipediaより)
雪の下(ユキノシタ)の豆盆栽☺️親株のランナーを切り取って小さな鉢に植えました。
Saxifraga stolonifera、ユキノシタ科ユキノシタ属、中国名は虎耳草(こじそう)。俳句では鴨足草と書くことが多く、夏の季語🍉
葉は山菜として、天ぷら🍤などにして賞味されます。葉の裏面だけにうすく衣を付け、揚げたものを「白雪揚げ」。このほか、茹でて水にさらしてお浸し、ゴマあえや辛子あえとしても(Wikipediaより)
銀杏の豆盆栽。一年で全く生長なし(・・;)
やはり鉢が小さ過ぎたようです‥
これはこれで愛らしいですが‥
イチョウの学術的知識はseason1に記載しました📖
赤松(アカマツ)の模様木。
Pinus densiflora、マツ科マツ属の常緑針葉樹。黒松に比べて柔らかい印象を与えるので雌松、女松とも。明るい場所を好む陽樹で、不毛な土地にも耐えます。安定した極相林の中では子孫を残すことができない、典型的な先駆植物(パイオニアプラント)。アカマツ🌲とマツタケ🍄は相利共生の関係で、マツタケが生えるような環境の方が生えない環境のものより寿命が長いそうです。
小楢(コナラ)根上がり風模様木の紅葉🍁
Quercus serrata、ブナ目ブナ科コナラ属の落葉広葉樹。代表的な雑木で、ドングリをつける🌰紅葉した葉が新芽の展開まで残ることが多いので、長く紅葉を楽しめます。最後の一葉がこの樹だったら絵を描かなくても済んだことでしょう😉多くのキノコ🍄を育む木でもあります。
春に庭の石蕗(ツワブキ)の根を切って小鉢に植え付けたもの。まだ葉が大きいですが、それなりに盆栽らしく見えますね😁
Farfugium japonicum、キク科ツワブキ属に属する常緑多年草。食用。「石蕗の花(つわのはな)」は冬の季語。島根県津和野は石蕗が多いところから来た地名だそう。韓国🇰🇷では「연봉초」(連蓬草、ヨンボンチョ)、「독각연」(獨脚蓮、トッカンヨン)と呼び、全草を干して刻み、煎じて解熱、解毒薬、喉の痛み止めとして利用するとのことです。
特別ゲスト❣️
石蕗の葉の下で越冬中のニホンアマガエル(我が家ではこの子を会長と呼んでいます😆@rishoさんの命名です☺️)
冬枯れの唐楓(トウカエデ)。
Acer. buergerianum、ムクロジ科の落葉高木。中国🇨🇳原産。紅葉の美しさは抜群で、樹勢が強く、少々手荒なことをしても枯れない、私のような初心者には実に有り難い木😁
一位(イチイ)。痛くない針葉樹で、樹形を作りやすい木です。
Taxus cuspidata、イチイ科イチイ属の常緑針葉樹🌲別名はアララギ。上質の木材がとれる。古代日本(一説には仁徳天皇の時代)では高官の用いる笏を造るのにこの木が使われた。和名のイチイ(一位)はこれに由来するという説もある。2019年、徳仁天皇の即位の礼、大嘗祭においても、イチイ製の笏が用いられた。
春に開花、初秋に赤い実をつける。種子は球形、赤い多汁質の杯状の仮種皮の中に収まっている。赤い湯飲みの中に丸い種が入っているような感じである。果実は甘く、生食したり、果実酒とされたりするが、種子にはアルカロイドのタキシン(taxine)が含まれている。種子を誤って飲み込むと中毒を起こす。痙攣・呼吸困難で死亡することもある😱タキシンは果肉を除く葉や植物全体に含まれる(Wikipediaより)
欅(ケヤキ)の苗木の黄葉🍁帚仕立て🧹を目指しています。
Zelkova serrata、ニレ科ケヤキ属の落葉高木。ホウキを逆さにしたような綺麗な姿になり、新緑、黄葉、冬枯れ、全てが絵になる樹です。木目が美しく、磨くと光沢が出、堅くて摩耗に強いので、家具・建具等の指物はもとより、高級日本家屋、神社仏閣などの建築に用いられます。反りやすく扱いが難しいので大工泣かせとも言われるそうですが😫
斑入りの芹(セリ)です。夏はみすぼらしかったのですが、涼しくなって元気が出てきました(๑˃̵ᴗ˂̵)و ヨシ!
Oenanthe javanica、セリ科の多年草。ご存知春の七草の筆頭で、素晴らしい芳香と歯触りがありますね😻ドクゼリ、キツネノボタンはセリに似ているものの有毒です⚠️
香りがないので区別できます。
まだまだありますが、今回はこの辺でやめましょうね。盆栽は四季折々に移り変わる姿を楽しむものですから、既に御紹介した植物でも違う季節に違う風情をお見せできると思います。season3をお楽しみに(=´∀`)