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盆栽にできる樹種の中でも代表的なのが、黒松です。
とても丈夫で寿命も長く、長年育てると力強い幹立ちと新緑の美しさのコントラストを楽しめますよ。
今回は黒松の盆栽の仕立て方や管理方法について、ご紹介していきます。
黒松は日本を原産とする、マツ科マツ属の常緑低木です。
日本の原風景に必ず想起されるであろう黒松は寺社仏閣や皇居にも多く植えられており、盆栽の代表格とも称されます。
最大の特徴は塩害の厳しい海岸をものともせずに育つ強健な性質です。黒松は基本的には日当たりを好むものの、半日陰や日陰といった環境にも適応することから、盆栽に最適なことが伺えます。
黒松はやや乾燥気味な土壌を好む植物です。気候に合わせて水やりの量やタイミングを調整しましょう。
黒松は水はけのよい土を好みます。『赤玉土小粒5:鹿沼土小粒3:腐葉土2』といった配合土を作成しましょう。
黒松には真夏を覗いた春秋の4〜5月、9〜10月に効き目の緩やかな有機固形肥料を1ヶ月に1回施肥します。株の周囲に浅く穴を掘って、そこに固形肥料を置いてください。
黒松は4〜5月に植え替え適期を迎えます。2〜3年に1回を目安に新たな用土の入った鉢へと植え替えましょう。
黒松は冬の明ける2〜3月に剪定適期を迎えます。徒長した枝や余分な枝を根元から切り落として枝分かれを促進しつつ樹形を整えましょう。松葉を3〜4つ以上葉芽を残しておくことで、剪定で負ったダメージの回復を早められます。
一本の枝につき2〜3つほど前年に生えた葉芽を残して剪定することで、剪定で受けたダメージの回復が早まります。
黒松は病害虫の被害を受けにくい強健な性質をもっているものの、カイガラムシの被害を受けることがある植物です。カイガラムシは25℃以上の高温多湿下で発生しやすく、葉から養分を吸収して株を弱らせてしまいます。放置していると葉に黒ずみが出る「すす病」を誘発するおそれがあるため、カイガラムシを発見したら牛乳スプレーや薬剤を散布して駆除しましょう。
11〜翌2月には「針金かけ」で枝の矯正が可能です。剪定と違って枝を切らないため株へのダメージも少ないことが魅力ですが巻きつけ時に枝を傷つけてしまうリスクも存在します。黒松は樹皮がある程度丈夫なためあまり心配はありませんが、傷をつけないように注意して作業しましょう
4〜5月は、葉がまだ開いていない新芽を摘み取る「芽摘み」の適期となります。トゲのように尖った芽を摘み取ることで節目を短くしたり、枝の勢いを調節できます。将来の樹形を想像しながら摘み取る芽を決めていくのがおすすめです。
黒松は日本人と切っても切れない関係にある植物です。黒松盆栽を眺めているとどことなく感じる風情は、先人たちも感じたものなのかもしれませんね。
GreenSnap編集部