前回同様これまたニッチで植物園でも見たことがないですが、ヒルガオ科の中では普及種の紹介です。イポメアラピドサで流通してますが、以前はヒルガオ科はそれ程属が別れていなかったため、生じている現象だと思います。
情報源が少なすぎるニッチな世界
ipomoea lapidosa(イポメアラピドサ)はヒルガオ科の多年草です。イポメアの雰囲気はなく、どう見てもStictocardia(スティクトカルディア)じゃないかと…。
メレミア属に入れる事もある様ですが…メレミアじゃないと思う…。
これはニッチな世界では割と良くある現象で、一つだけあるブログ等で普及した名前が色々な近縁種に付けられてしまい、それが普及するパターンや古典的に分類されていたものがそのまま継続されるパターン等があります。イポメアはどちらかと言えば古典的な分類のまま継続されている事が多く、最近でも再分類されている事が多いエリアです。
余談ですがipomoeaは学名をそのまま読むならイポモエアであり、そちらで読んでいる方も多いです。
またアサガオの学名はipomoea nil派とpharbitis nil派がおり、私はipomoeaを用いていますが、pharbitisは花成生理学と呼ばれるこれまたマイナーの極みな分野ではメジャーという不思議な分類があります。この辺は教えてくれた教授次第な分野ということになります。近年はipomoeaが主流ではあります。
まとめると
ipomoea nilは
イポメア・ニルがメジャーで
イポモエア・ニルでも通じる
pharbitis nilは
ファルビティス・ニルで、正直マイナー
という事になります。
古典園芸植物であるアサガオともあれば、それ相応に学術研究が進んでおり、取っ付くには少し難しいですが、こういう研究好きには楽しい分野です。
灌木とは?
灌木と言う言葉を使う事があります。
こういうなんか読んだことのない漢字って正直読み方振って欲しいと思うのですが、
灌木(かんぼく)と読みます。低木と意味は同じという認識ですが、分けて考える方もいらっしゃいます。灌木は枝が伸びず丸っぽく枝分かれするタイプで低木だと背丈の低い樹木というイメージだそうです。またこれも漢字が複数あり、潅木と書く事もあります。私は漢字苦手なのでどうでも良いです…!
さて、前回紹介したブラータは根が肥大した塊根植物と紹介しましたが、今回のラピドサは膨らんでいるのは茎です。根本付近を撮影した写真をよく見て下さい。
そして、もう一つ樹木になる系統のアサガオを紹介します。その名もipomoea arborescens(イポメア アルボレッセンス)見ての通りつる性ですが、この幼木でも根本付近の幹は子供の手首程度あります。この子も近いうちにipomoeaからは移動する気がしますが、歴としたヒルガオ科の仲間ではあります。
このタイプのコーデックスは深植えすると腐ります。また、成長点がなくなると三年寝太郎芋になった挙句、目も出さずに腐りもせずに、悲しい結末になりますので購入する際は葉のある個体を買いましょう。
そして、灌木になるアサガオは日本での栽培は適していません。非常に乾燥した砂漠の様な場所を好むため、日本では水のほとんど当たらない加温出来る相当大きな温室が必要です。種子は比較的手に入りやすいですが、植えるなら石垣島位の暖かい地域が良いでしょう!