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小学校の夏休みの課題として用いられることから、誰しも一度は育てたことがあるであろう朝顔(アサガオ)。夏の風物詩にもなっている身近な花ですよね。朝顔の育て方は比較的かんたんなので、初心者におすすめできるのも魅力です。ここではそんな朝顔の育て方を、種まきからつるの仕立てまで詳しく解説していきます。
朝顔をうまく育てるポイントは、「水やりをよくして水切れさせないこと」「支柱を立ててつるを誘引すること」「液体肥料を定期的に与えること」の3つです。
あとは日当たりのいい場所に置いておけば、初心者でも種まきから簡単に育てられますよ。いろんな咲き方や花の模様があるので、こちらの記事から好みの朝顔を探してみてくださいね。
プランターの大きさは直径20〜30cm、深さ20〜30cmほどのスタンダードサイズと呼ばれる大きさのものを用意しておくといいです。グリーンカーテンに仕立てる場合は、360型と呼ばれる横に長いプランターが便利です。
朝顔の種まき時期は、5〜6月が適期です。なお、種の発芽の目安は、気温20〜25℃です。
気温が低い場合は、種まき時期を少し遅らせるなどしましょう。品種によっても異なりますが、朝顔の種は低温だと発芽しません。
朝顔は種からでも苗からでも簡単に育てられます。もちろん種から育てるほうが時間も手間もかかりますが、より安価にたくさんの花を楽しめますよ。
朝顔の種まきをする前に「芽切り」しておきましょう。朝顔の種の皮は硬いので、そのまま土に種まきしただけではうまく水分を吸収できずに、発芽しなかったり、発芽のタイミングがそろわなくなってしまいます。
必ずしも必要な作業ではありませんが、発芽率を高めたり、開花時期をそろえるためにも、芽切りをしておくといいでしょう。
芽切りの方法は、朝顔の種のまるみのある背中部分を、カッターなどで少し削れば良いだけです。ほかにもヤスリでひっかく方法もあります。白っぽい皮の内側が露出するくらい削れればOKです。
ちなみに市販の種は、すでに処理されていることが多いので、製品表示を確認してみましょう。
まずはポットなどの容器に、市販の種まき用の土を8割ほどいれましょう。写真ではジフィーポットという土にそのまま植えられるタイプの容器を使用しています。
土の上に、朝顔の種のヘソを下側にして種まきします。つまり削った部分が上側にくる形です。
このジフィーポットは5.5cmサイズですが、1ポットにつき3粒ほどを均等に種まきしています。
アジサイの種は嫌光性種子といって、発芽するまでは日光を嫌う性質をもっています。そのため、種の上に1cmほど土をかぶせていきます。
再度、優しい水流でたっぷりと水やりをしましょう。種が流れて動かないように気をつけてください。
種まき後は明るい日陰ほどの場所で、土が乾かないように管理してください。1週間ほどで発芽します。
失敗も増えるのでおすすめはしませんが、横長のプランターなら直接種まきすることもできます。その場合は、15cm間隔をあけて2粒ずつ種まきをしましょう。
本葉が開いてきた頃に、生育が悪い(茎や葉が細い・小さい、発芽が遅い)ほうの苗を優しく引き抜いて間引きをします。
朝顔の苗を植える時期は5月下旬〜6月下旬です。種まきから2〜3週間後、葉が3枚ほどになったら、プランターや鉢に植えるか、庭に植え付けをしましょう。
地植えする場合は、堆肥をいれて土づくりをすませておきます。苗は20cm間隔で植えましょう。
朝顔を植えるときは、必ず市販の「草花用培養土」を使いましょう。適当な庭土では土壌酸度が異なるため、うまく育ちません。最近では100円ショップにも商品が並んでいるので、安価で栽培に適した土が手に入りますよ。
もし自分で配合してつくる場合は「赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1+緩効性肥料適量」を混ぜて使います。
地植えで育てるときは、苗を植える2週間前から準備します。庭土1㎡あたり200gの苦土石灰をまいてよく漉き込んでから、その1週間後に堆肥を2kgと緩効性肥料を適量混ぜて、さらにその1週間後に植え付けです。
朝顔のプランターや鉢は日当たりの良いところにおいてください。また、地植えする場合には、日当たりがよく水はけがよい場所に植えましょう。
ちなみに朝顔は種まきから育てた場合、だいたい長くても1週間ほどで発芽します。子葉が出て本葉が生えてきたら、直射日光を避けた日当たりのいい場所に移動させましょう。
土の表面が白く乾いたら、鉢の底から流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。
水やりの頻度は、あくまで目安ですが、7月以降の盛夏は朝と夕の1日2回、水やりが必要になることもあります。とくにこの時期は水切れで枯れやすいので注意しましょう。
とはいえ、土がずっと湿っている状態でも根腐れで枯れてしまうので、土が乾いてから水やりという基本を忘れないようにしてください。
また、暑い時期は必ず朝や夕方の涼しい時間帯に水やりをしてください。日中に水やりをするとプランターや鉢の中が蒸し風呂状態になって弱ってしまいます。
盛夏は突然の夕立なども起きやすい季節です。お水やりも大変な作業なので雨をうまく活用して、無理せず育てていきましょうね。
朝顔の花付きの良さを左右するのが肥料です。朝顔の肥料は苗を植えてから2〜3週間後にあたる6月から始めて、8月上旬まで定期的に与えるようにしましょう。
朝顔の肥料には、市販の草花用液体肥料がおすすめです。液体肥料は速効性があり、暑い時期に疲れがちな朝顔を労るように栄養を供給できます。
また、肥料には窒素・リン酸・カリの3要素が含まれていますが、朝顔にとって大切なのは花付きに効果を発揮するリン酸です。草花用と明記されている商品であれば、リン酸が多く配合されています。
反対に葉や茎に栄養を与える窒素が多すぎるとつるボケという花がつかずにつるだけ伸びる状態になってしまうので気をつけましょう。観葉植物用の肥料が余っているからといって使うのは控えてください。
市販の培養土には事前に草花が育つのに必要な肥料成分が配合されているもの多くあります。その場合には、植え付けから少なくとも1ヶ月は液体肥料をあげる必要はありません。
花付きや成長の状況を見て、無理に肥料を与えて株を疲れさせないようにしましょう。
朝顔に肥料を与えるときは、液体肥料を水に数滴混ぜて、水やりの代わりに与えてください。混ぜる量は製品によって異なるので、製品表示をよく確認しましょう。
肥料を与える頻度は月3〜4回です。肥料を与えすぎても肥料焼けを起こして弱ってしまうので、そういったときは水やりの量(頻度ではありません)を増やして、栄養分を押し流してあげるといいです。
朝顔はつる性植物なので、どんどんつるが伸びていきます。支柱を立てて誘引するか、ネットに這わせてグリーンカーテンをつくりましょう。
つる誘引方法はいろいろありますが、プランターや鉢植えにおすすめなのが、見栄えのいい「行燈仕立て」です。
最近では100円ショップにリング支柱が売っているのでそれを使うか、3本の支柱をプランターの隅に挿して針金で地面と並行に支柱同士を繋ぐという使い方でもできます。
朝顔のつるは放っておいても支柱になかなか巻き付きにくいので、最初のうちはつるを手で誘引して、支柱に軽く絡ませるようにする必要があります。
伸びたての柔らかいうちに、上の写真のように支柱に対して螺旋状に巻きつけていきます。
また、摘心をすることも大事です。摘心とはつるの先端を切るもので、これによって、わき芽がより育ちやすくなり、わき芽が多ければそれだけつるも絡みやすくなります。
朝顔はアブラムシおよびアカダニの被害が起こることでも知られています。特に気を付けたいのが「アブラムシ」です。
アブラムシには機リン系の殺虫剤が効果が高いです。初期の段階なのであれば、手や歯ブラシなどで除去します。その他にもアブラムシを捕食するヒラタアブなどの天敵を用いたり、脂肪分の多い牛乳を薄め、これを霧吹する方法もあります。
朝顔をジメジメした環境で育てていると、「モザイク病」などにかかります。こちらは斑点が葉にでるので見分けがつくはず。
また、白い粉がついたかのようにみえるうどんこ病にも気を付けてましょう。早めに対処すれば被害を最小限にできるので、発症した箇所はすぐ切り取ってください。
朝顔の花の開花時期は、基本的に7〜10月頃までです。また、朝顔は朝に花を咲かせて昼にしぼむ一日花なので、しぼんだらその花が咲くことはありません。
そのため、7〜9月ごろはしぼんだ花を摘み取って、次の花をつくるためのエネルギーに回してあげましょう。
ある程度の期間、花を楽しんだら花が枯れても摘み取らず、実らせて種を採取するのもおすすめです。実が茶色くなってきた、11月秋頃になれば種の採取ができますよ。
朝顔の育て方について詳しく紹介しましたが、「そこまで難しくない」と感じた人は多いのではないでしょうか。朝顔は最初にも紹介したように初心者向きですから、園芸を最近始めた人にはうってつけです。品種も数多いので、園芸店に行って気に入った朝顔の種を選んでみましょう。
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ピッチ
松原真理子
GreenSnap編集部