warning
error
success
information
「塊根植物」は丸くどっしりしたものから、トゲがついたかっこいいものなど、いろんな種類があります。一般的な草花はもちろん、多肉植物ともちょっと違う、ユニークな姿で人気です。まだまだ流通数が少なく、レアな植物ではありますが、育て方はそう難しくありませんよ。
今回は植物マニアをトリコにする「塊根植物」とはどんな植物か、人気の種類や育て方についてご紹介します。
塊根植物とはアフリカ大陸などが原産の多肉植物の総称で、コーデックスともいいます。
多肉植物といえば、葉に水をためたプックリとした姿で知られていますが、塊根植物は幹や根に水をためるので、ずんぐりどっしりとしたフォルムが特徴です。
乾燥地帯の過酷な環境を生き抜くため、根や幹を厚くしてそこに水分をため込もうとしたことから、このような形になったといわれています。マダガスカルに自生する、かの有名なバオバブの木や、観葉植物としてポピュラーなガジュマルも塊根植物の仲間なんですよ。
塊根植物の種類は、大きなくくりの「属種」があり、さらにその下に「品種」が振られて別れています。なじみ深いユーフォルビア属の中にも、塊根植物に分類される品種がいくつかありますよ。
さっそく、数ある塊根植物の中から、とくに人気の種類をご紹介していきます。
パキポディウム属の塊根植物は、ぼてっとしたボディと鋭いトゲが多いのが特徴です。塊根植物の代表的な種類ともいえるほど人気で、比較的入手もしやすいので、塊根植物デビューにおすすめです。
パキポディウムは比較的成長速度が早い種類なので、成長過程を一番観察しやすいのも魅力です。
パキポディウムの塊根植物のなかで、とくに人気の品種は、パキポディウムの王様とも呼ばれる「パキポディウム・グラキリス」です。ずんぐり太った幹がスッと伸びて、幹から直接細めの葉を散らすようにつけます。
ほかにも、地に這うまん丸に太った幹が特徴の「パキポディウム・ブレビカウレ」や、トゲトゲの幹に長細い葉をのばす「パキポディウム・ラメリー」も人気です。
アデニウム属の塊根植物は、乾燥した砂漠地帯でもキレイな花を咲かせることから、「砂漠のバラ」とも呼ばれています。根っこの部分が大きくなるのが特徴で、形もかわいらしいものが多いです。また、とくに乾燥にも強いので初心者にもおすすめですよ。
アデニウムを砂漠のバラと知らしめたのが「アデニウム・オベスム」という品種です。根元がまん丸にふとり、そこからくびれて枝を伸ばします。オレンジ色の肌もアンティーク感があり人気です。
ほかにも最近流通が増え定番化してきた「アデニウム・アラビカム」という品種も人気です。丸々太った幹から枝をいくつか別れて伸ばし、卵型の葉をつけます。
アデニア属の塊根植物は、比較的大ぶりの葉っぱをつける品種が多く、なかにはツル性の枝を伸ばし、よく茂る種類もあります。また、体表が緑色になる傾向があり、根元が白で幹が緑のツートーンカラーになるのも、アデニア属の塊根植物の特徴です。
アデニア属のなかでも、「アデニア・グラウカ」という品種は、茶色と緑のツートーンのボディに、手のひらのような形の葉っぱをつける人気の種類です。
ほかにも「アデニア・スピノーサ」は丸々太った緑色の幹から、枝をいくつも分岐させて伸びていく姿が人気です。
草花や多肉植物でも知られるユーフォルビア属の塊根植物は、トゲトゲしたサボテンのような形のものや、タコの足のような形のものなど、見た目のバリエーションが多いのが特徴です。かなりユニークな形なので、珍奇植物のひとつとしても知られています。
ユーフォルビア属の塊根植物のなかでも一番人気なのは、パイナップルのような形がかわいい「ユーフォルビア・ソテツキリン」です。
ほかにも、まん丸でトゲにおおわれた「ユーフォルビア・スザンナエ」や、トゲを持つ丸い枝がもこもこと伸びる「ユーフォルビア・プセウドグロボーサ」が人気です。
サルコカウロン属の塊根植物は、ラテン語で「太い茎」という意味で、その名の通り、全体的に太い茎が分岐して伸びていくのが特徴ですが、そこから伸びる葉っぱは細かいのがユニーク。
かっこいい見た目ですが、成長速度が遅いので、お気に入りの鉢でゆっくり育てるのがおすすめ。大きくなる様子を楽しみたい方には不向きかもしれません。
サルコカウロン属の塊根植物のなかでも「サルコカウロン・ヘレー」は太い茎に鋭いトゲを全身にまとった、かっこいい姿が人気です。トゲの間から波打つ葉を伸ばします。
ほかにも「サルコカウロン・ムルチフィズム」はかなり太い茎を株元から立ち上げ、コニファーのような細い葉をいくつも伸ばし、盆栽としても人気が高い品種です。
フォークイエリア属の塊根植物は、十数種類しか確認されていない、貴重性の高いレアな種類です。トゲが密生しているのも特徴のひとつ。丸みをおびた根っことトゲのバランスがとれた、スタイリッシュな見た目で人気の塊根植物です。
成長速度が遅いので、樹齢が100年を越えるものも少なくないのだとか!かなり高額で取引されることもあります。
フォークイエリア属のなかでも、「フォークイエリア・コルムナリス」は、丸々太った幹から、トゲがついた細い枝をいくつも伸ばす、野趣に富んだ姿が人気の種類です。
ほかにも「フォークイエリア・フォルモサ」は、枯れたように黒っぽい体表から、フレッシュな緑の葉が伸びるコントラストが美しいです。
ゲラルダンサス属はウリ科の植物なので、つる性の葉を伸ばすのが特徴の塊根植物です。比較的大きめな葉をどんどん伸ばして生い茂ります。ゲラルダンサスの多くは、丸々と太らせた根から、ひょっこりと幹を伸ばしていく、ユニークな姿をしています。
とくに人気なのは「ゲラルダンサス・マクロリザス」です。大株に育つと直径1.5mにまでふくらむ根は、ぼってりと地表にでていて独特なフォルムをしています。つる性なので、鉢にアーチを張って誘引して楽しむこともできます。
モモルディカ属もウリ科の植物なので、つる性の葉を伸ばしていく塊根植物です。ずんぐりと太った幹は、大株になると掘りやひび割れが入り、体表がオレンジ色になっていくアンティークな姿で人気が高いです。
モモルディカ属のなかでも、「モモルディカ・ロストラータ」が人気の塊根植物です。オレンジ色の太った幹から、緑の茎葉をどんどん伸ばす、ユニークな姿が楽しめます。
ほかにも、「モモルディカ・ボイビニー」はほぼ球体のかたちに幹が太るのが特徴です。コロッとしたフォルムで人気です。
レアな植物だからといって、塊根植物の育て方は決して難しくはありません。
塊根植物は、4〜10月ごろに生育期を迎える「夏型」と10〜3月ごろに生育期を迎える「冬型」の、いずれかの生育タイプに属します。種類や品種によっても詳しい管理方法は異なりますが、生育期と休眠期を考慮しながら、基本的には次のような点に注意して育てましょう。
夏型の塊根植物
アデニア、アデニウム、パキポディウム、ピレナカンサ、フォッケア、ユーフォルビア(一部)
冬型の塊根植物
モンソニア、ディオスコレア、ペラルゴニウム、チレコドン、ユーフォルビア(一部)
塊根植物の多くは砂漠の日差しにさらされながら生きてきた植物です。そのため、できるだけ日当たりのいい屋外の場所に置いて育てることで、幹や根が太りやすくなります。
また、日本の多湿には弱いので、梅雨時期は雨ざらしになるような場所はさけ、風通しのいい場所で育ててください。
夏型の塊根植物の生育温度は15〜25℃、冬型の塊根植物の生育温度は5〜10℃ほどです。
地域によっては、冬型の塊根植物でも寒すぎて弱る可能性があるので、室内の日当たりのいい場所に写して育てるようにしましょう。
塊根植物は乾燥を好むので、生育期は表土が乾いてから2〜3日後に水やりをします。休眠期中は1ヶ月に1〜2回ほどに控え、場合によっては断水して育てると耐寒性もあがるようです。
塊根植物は、水はけと通気性がいい土を好みます。市販のサボテン・多肉植物用の培養土が便利ですが、自分で配合するなら「赤玉土(小粒)4:鹿沼土(小粒)3:腐葉土3」の配合がおすすめです。
塊根植物のほとんどは落葉性です。葉が落ちてしまったとしても、生育には問題ありません。一般的には休眠期前に葉をすべて落とし、丸坊主の姿で休眠期を過ごし、生育期にさしかかると新芽が生えてきます。
塊根植物は見た目がぼってりしていて、幹や根に水分をためてはいますが、正常な株は幹や根を触ってみても硬い状態です。
万が一根や幹がぶにぶにとしていたら、「水切れ」か「根腐れ」のどちらかが原因で生育不良を起こしています。少し株元を掘って根の状態を確かめてみましょう。
根が腐っていないようであれば、水やりをたっぷりとして様子をみます。場合によっては一晩で硬さを戻します。
根が黒っぽくなっているなら根腐れを起こしているので、植え替えしましょう。黒く古い根を全ておとして、清潔な土に植え替えてください。
塊根植物はまだまだ流通数が少ないですが、大型の園芸店やホームセンターで販売されています。また、タイミングと運がよければ100円ショップにもまれに並ぶようです。
とはいえ、お目当ての塊根植物を購入したいなら、通販がおすすめです。GreenSnapSTOREでは、珍奇植物の国内実生で定評のある生産者、エリオクエストさんの植物を中心に、塊根植物を扱っています。
高品質な国内実生苗を購入できるので、ぜひチェックしてみてください。
GreenSnapSTOREでは、初心者でも育てやすい植物から、店頭にはないマニアックな植物まで、幅広く販売しています。買い得な観葉植物のセット販売もありので、この機会にぜひお買い求めください♫
GreenSnapSTOREでは、育てやすい「観葉植物」や、かわいい「多肉植物」、季節のガーデニングに便利な「花苗」を販売しております。生産者や市場から直送でお届けするので、どこよりも元気な植物をお買い求めいただけますよ!
塊根植物は立派に育つ植物であったり、成長が遅い植物であることから、値段もそこそこするイメージがある方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
塊根植物の価格相場は、実生(種から育てた)1〜2年の幼苗であれば、種類にっては3号サイズ3000〜5000円で購入することもできます。逆に成苗は数万円することも珍しくはありませんが、生育が安定しているので、枯らしてしまうリスクも低いですよ。
とくにレアな品種や、樹齢が50年以上するものは、数十万円にもなるようです。
塊根植物は多肉植物ブームに続いて、密かに火がつき始めた植物です。ユニークなものから、ぽってりとかわいいもの、とげとげとしたかっこいいものまで、幅広い株姿を楽しめるので、ぜひお気に入りの種類を見つけてみてください。
GreenSnap編集部