塊根植物(コーデックス)という、根や幹がどっしりと太った植物が、今ブームを巻き起こしています。その塊根植物のなかでも人気なのが「パキポディウム」です。
今回はそんな「パキポディウム」の人気の種類から、育て方までご紹介します。
パキポディウムはどんな植物?
「パキポディウム」とは植物の属名のひとつで、キョウチクトウ科に属します。おもにマダガスカルや南アフリカなどの乾燥温帯地域に自生していて、幹に水分をためた、どっしりしたようなフォルムとトゲが特徴です。
近年目覚ましい塊根植物ブームを牽引する人気の植物で、流通数も比較的多いので入手もしやすいですよ。また、ほかの塊根植物とくらべて成長速度が早いので、手頃な価格の幼苗でも塊根らしさを楽しめたり、実生(種から育てる)栽培でも楽しめます。
パキポディウムの人気の種類はどれ?
パキポディウム・グラキリス
「パキポディウム・グラキリス」はパキポディウムの代表品種ともいえるほど人気です。どっしりとした根がはりやすく、塊根から細めの枝がいくつも伸びあがります。
若い枝にはトゲがつきますが、塊根部分のトゲは落ちるので、なめらかな肌も楽しめます。
パキポディウム・ラメリー(ラメレイ)
「パキポディウム・ラメリー(ラメレイ)」は背の高くなる種類のパキポディウムです。どちらかというと、ぷっくりと膨らむ形状ではなく、上に伸びていくように育ちます。
自生地での株はおよそ6メートルにまで育つとも。葉が大きく育ち、パキポディウムのなかでは比較的育てやすい種類で、初心者にもおすすめです。
パキポディウム・ブレビカウレ(恵比寿笑い)
「パキポディウム・ブレビカウレ」は、和名「恵比寿笑い」でも出回ります。比較的栽培難易度が高い”難物”のパキポディウムです。一般的に販売価格も高めなので、レアな種類ともいえます。
しかし、地を這うように膨らんだ幹の存在感は大きく、迫力あり。黄色く可憐な花を咲かせるのも、恵比寿笑いの魅力のひとつです。
パキポディウム・ホロンベンセ
「パキポディウム・ホロンベンセ」は全体の幹枝が太くなりやすく、ガッチリとしたフォルムを楽しめます。
白っぽいカラーの幹で、全身がトゲにおおわれていて、かっこよさも十分。初夏にはユリに似た花も咲かせてくれます。
パキポディウム・ビスピノーサム
「パキポディウム・ビスピノーサム」は幹が丸めに太りやすい種類です。まん丸の塊根からはトゲのついた枝がいくつも伸びていく、ユニークな姿が人気。
とくにビスノーサムの葉は細いのが特徴です。細い葉とトゲが合間って、攻撃的なフォルムをしています。
パキポディウム・タッキー
「パキポディウム・タッキー」は全体的に太ったガッチリとしたフォルムに、トゲが全身をおおうパキポディウムです。特徴的なのは枝先につく葉が、波打つように縮れていること。トゲも小さめなので、かわいらしさとかっこよさを兼ね備えたパキポディウムです。
パキポディウム・デンシフローラム
「パキポディウム・デンシフローラム」は「シバ女王の玉櫛」とも呼ばれる、人気のパキポディウムです。
パキポディウムの入門種としても呼び声の高い種類で、栽培も丈夫で育てやすいとされています。また、花が咲くと枝が3つに分岐することから、ユニークな形状をつくりやすいです。
パキポディウム・ナマクアナム
パキポディウムの多くはマダガスカルを原産としていますが、ナマクアナムは南アフリカ原産。戦前より日本に持ち込まれ、「光堂(ひかりどう)」という愛称で親しまれてきました。
捻じれた葉と、筒状に咲く花が特徴的です。自生地のような、人間を思わせる妖艶なフォルムに育てるのは難しいみたいです…!
パキポディウムの育て方は簡単?
パキポディウムはだいたい4〜10月に生育期を迎える、「夏型」の塊根植物です。この時期にたっぷりと陽の光を浴びせることで、幹がしっかりと太ってくるので、屋外の日当たりのいい場所においてください。寒さには弱いので冬は室内にしまいましょう。
また、水やりは生育期中は基本的に、表土が乾いてから2〜3日後ほどと、控えめにすることが大切です。休眠期中は1ヶ月に1〜2回と断水気味にしてください。
休眠期前には葉をすべて落とし、休眠期中は葉がない丸坊主の状態で越冬します。生育期を迎えることには新芽が生えてくるので安心してくださいね。
パキポディウムは魅力たっぷり!いろんな種類を育ててみよう♫
他にも多くの種類のパキポディウムが存在し、多肉植物ファン、もとい塊根植物ファンを魅了しています。
同じパキポディウムでも、いろんな姿形の塊根植物があるので、ぜひいろんな種類を並べて育ててみてください!
この記事を書いた人
mokutaro(杢太郎)
植物雑記ブロガー。中学生の頃、祖母からカネノナルキを譲り受けて以来、園芸にハマったまま。ただいまアドロミスクスを絶賛栽培中!Weblog⇒
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