「春の妖精」「春植物」と呼ばれる山野草❗️
落葉樹の林の中で木々が葉を茂らせる前に花を咲かせ、夏になると姿を消してしまう儚くもあり、したたかな戦略の魅力的なスプリングエフェメラルも咲き始めました❗️
早春のほんの短い間だけの花!
今までに出会えたものを集めてみました。
間違えやすいものに雪割草やショウジョウバカマ.セリバオウレンなど幾つかありますが、夏までに姿を消してしまうものをスプリングエフェメラルと呼ぶようです!
定義には曖昧なものもあるようですが、ハッキリ確認出来たものだけを取り上げました。
もし、違っていたらご指摘ください!
フクジュソウ(福寿草)②-1
*キンポウゲ科フクジュソウ属
花期は2〜3月
日差しに応じて開閉し、早春の花であるため花弁を使って日光を花の中心に集めて、その熱で虫を誘引しているのだそうです!
早春の花である座禅草は匂いで虫を集めていたのですが、それぞれの植物の工夫と個性には驚くばかりです⁉️
フクジュソウ(福寿草)②-2
*キンポウゲ科フクジュソウ属
2021.12月末に咲いたフクジュソウに驚きました‼️
この年1度だけで、翌年からは全くその気配は無く開花は3月に入ってからでした。
セツブンソウ(節分草)③-1
*キンポウゲ科セツブンソウ属
花期は2〜3月
関東地方以西の主に太平洋側に多く見られる。
落葉広葉樹林の林内や山すその反影地などに生育!(石灰岩地を好む)高さ5〜10cmほどの多年草
・白い花を一本の茎に1輪だけ咲かせます!
白い和紙のような花弁に見えるのは萼片!(基本は5個)
・本来の花弁は黄色い部分で退化したものだそうで5〜10個あり先がY字に割れます!
・雄しべは花弁の内側に青紫色の葯を付けて多数!
・雌しべは中央の薄紅色もの!
・真冬に芽を出し花を咲かせて葉を茂らせ晩春には
地上部は枯れてしまいます。(地上には3カ月ほど)
セツブンソウ(節分草)③-2
*キンポウゲ科セツブンソウ属
東北地には分布の無い花!
この一枚がたくさん撮ったら中で一番のお気に入りです❣️
魅了される人が多いのが、よく分かりますね❣️
セツブンソウ(節分草)③-3
*キンポウゲ科セツフンソウ属
花後の姿です!
キンポウゲ科の花の中では最も早く咲き出しこんな果実になる頃には、春本番ですね!
現在、準絶滅危惧種(NT)
アズマイチゲ(東一華)②-1
*キンポウゲ科イチリンソウ属
花期は3〜5月
北海道〜九州の落葉樹林内や林縁、草地に生える多年草!
高さ15〜20cmほど!
花は上向きに開き白い花弁のように見える長楕円形の萼片を多数付けます!
雄蕊、雌蕊は多数あり葯も白!
茎葉は3輪生し浅く3出複葉し垂れ下がるのが特徴的!
似たキクザキイチゲのように、葉が深く切れ込む事はありません!
花糸付近が紫色なっているのもポイント!
アズマイチゲ(東一華)②-2
*キンポウゲ科イチリンソウ属
小群落しています。
春の日差しを楽しんでいるかのようです♪
他の樹木が芽吹く前なので林の中は、とても効率よく光合成が出来るのですね!
キクザキイチゲ(菊咲一華)③-1
*キンポウゲ科イチリンソウ属
花期は3〜5月
北海道〜近畿地方以北の落葉樹林の林縁や林床に生える多年草!
高さ10〜30cmほど!
10個ほどの花弁状の萼片は白か紫色で、1個を上向きに咲かせます!
茎葉は3輪生し、小葉は羽状に深裂し鋸歯があります!
アズマイチゲと良く似ますが、花糸付近は紫色にはなりません!
キクザキイチゲ(菊咲一華)③-2
*キンポウゲ科イチリンソウ属
白バージョン!
別名をキクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)と言われるのも分かりますね!
キクザキイチゲ(菊咲一華)③-3
*キンポウゲ科イチリンソウ属
紫バージョン!
まだ樹木の葉も無い林の中で小群落ができていています♪
紫色の花であれば、それだけで似たアズマイチゲとは違うと分かります。
(アズマイチゲは白花のみ)
エンレイソウ(延齢草)
*シュロソウ科エンレイソウ属
花期は4〜6月
北海道〜九州の低地や山林のやや湿った場所に生える。
花弁は無く褐紫色の萼片は横向きに咲きます。
葉が3枚、萼が3枚、柱頭が3裂!
雄しべは6個!
大きな3枚の葉に濃い紫色がよく目立ちます❗️
ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)
別名 シロバナエンレイソウ(白花延齢草)
花期は4〜6月
北海道〜九州の山地の湿り気のあるブナ林などの林内に生える多年草!
赤茶色の花を付けるエンレイソウより高所に生えることからこの名がつけられた!
オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)
*シュロソウ科エンレイソウ属
花期は4〜5月
本州北部から北海道の亜高山帯の湿地や草原、明るい森林内などに生える!
ミヤマエンレイソウに似るが、より大きく丸みを帯びた花弁で、やや上向きに花を咲かせる!
エンレイソウの仲間は種から開花まで10〜15年かかるそうです!
ムラサキエンレイソウ(紫延齢草)
*ユリ科エンレイソウ属
シロバナエンレイソウの変種と見られていましたが、花が咲き進むとこんな風に紫色に変化するとも考えられています!
↗️には普通の延齢草が見えています。
ニリンソウ(二輪草)②-1
*キンポウゲ科イチリンソウ属
花期は3〜5月
北海道〜九州の落葉広葉樹林の林縁や谷川沿いの半日陰に自生し、群落を作る。
種子による繁殖の他に地下茎でも増えるので群生する事が多い!
ニリンソウ(二輪草)②-2
*キンポウゲ科イチリンソウ属
二輪草の名前は同じ属の一輪草に対して付けられたそうですが、実際には花を1〜4個ほどを付ける事も多いようです!
これはちょうど名前の通り2輪の花を付けていますね!
花弁に見えるのは萼片で普通は5個ですが、6個以上ある事も多いようです!
ミドリニリンソウ(緑二輪草)②-1
*キンポウゲ科イチリンソウ属
花期はニリンソウと同じ3〜5月
分布もニリンソウと同じですが時々こんな個体に出会います!
本来は白い花弁状の萼片がミドリ色に変化したものです!
・萼は葉から進化したものなので先祖返り!
・ファイトプラズマによる感染症!
と考えられているようです!
花の色合いや形状は様々ですが、毎年同じエリアで見る事が出来るようです。
ミドリニリンソウ(緑二輪草)②-2
みどり色が濃いものですが、同じ場所の一年前の状態です!
ヤマエンゴサク(山延胡索)②-1
別名 ササバエンゴサク
*ケシ科キケマン属
花期は3〜5月
本州〜九州の山地の樹林内や道端などに生える。
淡青紫〜紅紫色まで色の変化に富む!
葉の形も変化に富み線形〜楕円形まで!
ヤマエンゴサクの苞葉には切れ込みがあり見分けのポインになります!(切れ込みのある包葉は中央の花の下に)
背景には、これから咲くまだ茶色の蕾が写っています♪
ヤマエンゴサク②-2
*ケシ科キケマン属
小さめの花が競い合うように咲いています♪
この葉を見ると別名がササバエンゴサクと言われるのが良くわかります。
オトメエンゴサク(乙女延胡索)③-1
*ケシ科キケマン属
花期は4〜5月
中部地方以北〜青森県までの湿り気のある林内や林縁に生える多年草!
以前はエゾエンゴサクと同じとされていましたが、本州に分布するものは別種とされこの名前が付けられたそうです。
ヤマエンゴサクと似ますが
苞の違いで見分ける事ができます。
オトメエンゴサクの苞には切れ込みが無く長楕円形!
ヤマエンゴサクの苞には切れ込みがあります!
花色も変化があり白〜紫色まで❣️
オトメエンゴサク(乙女延胡索)③-2
こんな白ベースの花にも出会えました。
包は全縁になっています!
オトメエンゴサク(乙女延胡索)③-3
*ケシ科キケマン属
果実が出来ています。
こんなコバルトブルーの花色もあります♪
ミチノクエンゴサク(陸奥延胡索)②-1
*ケシ科キケマン属
花期は4〜5月
本州中部北部の日本海沿岸の多雪地帯に多く生える多年草!(宮城県の山形県堺にもあり)
ヤマエンゴサクに似ていますが、とても細っそりとして花もずっと小さい(1cmくらい)
この日何株か見たのですが、その中で一番大きな株です!
ミチノクエンゴサク(陸奥延胡索)②-2
*ケシ科キケマン属
花は1cmほど!
包は切れ込みがあるものと無いもの両方ですがとても小さいので、ヤマエンゴサク.オトメエンゴサクと悩む事無くすぐに分かります!
カタクリ(片栗)④-1
ユリ科カタクリ属
花期は3〜4月
北海道〜九州の平地から山頂の林内に広く分布する。
花後 結実すると初夏には葉や茎は枯れて休眠する!
かつては、この鱗茎からカタクリ粉を取っていたそうで(現在はジャガイモから)!
若菜は山菜として茹でて食べられるようです!
カタクリ(片栗)④-2
ユリ科カタクリ属
花はうつむいて下向きに開き6花弁。
花被片基部にW字形の濃い紫の斑紋があり蜜標だと考えられているそうです!
これを目指して、ハナバチやギフチョウがやってくるのですね!
カタクリ(片栗)④-3花後
果期は5〜6月頃で裂開して種を落とすと葉や茎は枯れて宿根する。
種子はエライオソームが付いていてアリによって運ばれる。
(種子からだと発芽から開花まで8〜9年)
カタクリ(片栗)④-4
☆ギフチョウ❗️
カタクリの吸蜜をしているギフチョウに出会えました❣️春の女神とも呼ばれて、カタクリやスミレなど春にだけ花を咲かせる植物から吸蜜するそうです。(黄色い花には、集まらないらしい!)
この場所は山形県鶴岡市の里山です!
分布域は秋田県南部〜山口県に至る日本海側の26県!
幼虫の食草はカンアオイ属の植物で、このエリアにはコシノカンアオイが多いので その葉に卵を産み夏頃まで幼虫として過ごし、その後は地面に降りて蛹として越冬するようです❗️
スプリングエフェメラルの花と同じ様な生態の蝶が共存しているのは、とても興味深いです♪
私の住む太平洋側には、ヒメギフチョウの分布域となり食草であるトウゴクサイシンも宮城には多くありますから、それぞれが住み分けているようです❗️
2023.3.29撮影
山形県鶴岡市高館山にて
キバナカタクリ(黄花片栗)
*ユリ科カタクリ属
花期は3〜4月
本来は、北アメリカの亜高山帯に分布しますが、日本には園芸用として持ち込まれています。
日本に自生するカタクリと同様で、春の短い期間だけ姿を見せてくれます♪
ジャイアントスノードロップ
別名 オオユキノハナ(大雪の花)
*ヒガンバナ科マツユキソウ属
花期は1〜2月
西ヨーロッパを原産とする多年草の栽培品種!
花は白色で下向きに咲き、長い外花弁と短い内花弁の6片花!
スノードロップとの違いは
・内花弁の緑色の斑文が基部と先に2個!(スノードロップの斑文は1個)
・そして葉の幅が広い所!
夜になると花弁を閉じて昼間吸収した暖かい空気を保管するそうです!
園芸品種ですが 開花から約6週間ほどで地上部は枯れて休眠する!
ハシリドコロ(走野老)
*ナス科ハシリドコロ属
花期は4〜5月
本州〜九州の山地の沢沿いで見られる多年草!
有毒植物で、新芽がフキノトウと似ているので間違えやすいんだそうです!
その一方で鎮痛剤や目薬の原料として利用される❗️
不思議な名前ですが?
根がオニドコロに似る事と食べると苦しんで走り回る事からだそうです⁉️
スプリングエフェメラルの一つとされますが有毒だったり、その名前からあまりそのイメージを持たれないようです!
アマナ(甘菜)
*ユリ科アマナ属
花期は3〜4月
東北地方南部〜九州の日当たりの良い草地などに自生!
草丈は10〜20cm!
かつてはチュウリップ属に分類されていたそうですが現在ではアマナ属!
6個の花被片は裏側に赤褐色から暗褐色の筋が入る!
ホソバノアマナ(細葉の甘菜)②-1
*ユリ科チシマアマナ属
花期は4〜6月
山地の日当たりの良い草原や落葉広葉樹林の林縁に生育!
花は平開せず 漏斗状。
花裏に緑色の脈がある
ホソバノアマナ(細葉の甘菜)②-2
*ユリ科チシマアマナ属
高さは10cmほどの小さな個体でしたが、春の日差しをいっぱいに受けて短い春を楽しんでいるかのように感じました❣️
キバナノアマナ(黄花の甘菜)
*ユリ科キバナノアマナ属
花期は4〜5月
北海道〜中部地方以北(四国にも)の日当たりの良い林縁や草原に生育する多年草!
高さは10〜20cmほどで、上向きに花を咲かせます!
雪が溶けて日差しを花いっぱいで受けとめているかのようでした❣️
葉と同時に花茎を出して花を咲かせ、種をつけると夏〜冬は地下で休眠する
絶滅危惧種を指摘している都道府県も多い
(現在24都道府県が指定)
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今まで、自分が出会えたものを集めましたがまだまだありそうですね!
既に季節到来です♪♪
今年はどのくらい出会えるのか楽しみたいです❣️
随時追加更新します❗️
スプリングエフェメラル、どの花も甲乙付けがたい素敵さだね。
しいての1枚を選ぶなら、オトメエンゴサクかな。
水色い花色は魅力的だね。
「風のガーデン」エゾエンゴサクの咲く、テレビドラマも思いだした。