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エビネはランの一種で地下茎がエビのように見えることからエビネ(海老根)と名づけられました。エビネは、風通しがよく、直射日光でない日当たりがいい場所なら、比較的どこでも育つ花です。地植えでも鉢植えでも環境が整えば育ちやすく、次々と花を咲かせて増えてきます。
そんなエビネの育て方を解説します。
エビネは日が当たりすぎると、日焼けを起こし枯れることがあるので注意が必要です。種類によっても異なりますが、極寒には弱く、湿度が高い気候を嫌います。
また、エビネの花が咲いている時期に強い日差しが同じ方向からいつも当たると、その方向へ曲がってしまいます。エビネを鉢植えしている場合は、曲がらないようにするため、鉢の方向を変えましょう。直射日光でなく、柔らかい日差しが適しています。
エビネは、水はけと適度に水もちのよい土を好みます。
鉢植えの場合は、市販の東洋ラン用またはエビネ専用の培養土が簡単なのでおすすめです。地植えの場合は、庭土に赤玉土4:砂砂利4:腐葉土2の配合土を混ぜ、ふかふかに耕しておきましょう。地植えの場合は、土の配合比に注意が必要です。
エビネの植え付け時期は、9〜10月上旬頃が適期です。
植えるときは、株を崩さないように浅く植えます。肥大した根の1/3が地上に出るくらいが良いです。
鉢植えの場合は、株の根についた土を水に浸して洗っておきましょう。また、状態の悪い根もこのときに切り落としておくといいです。
エビネは乾燥すると枯れてしまうといっていいほど、水を好みます。そのため、2〜3日に1度は、水をたっぷりと与えましょう。
特に夏の乾燥する時期は、毎日水やりを欠かさないようにします。鉢植えならミズゴケを置いて乾燥を防ぐ方法もあります。水をやる時間帯は、温かい午前中か夕方の温度の下がる時間が適しています。
水が少ないと花芽が大きくならないので、表土が乾く前にたっぷり水やりをしましょう。ただ、水が多すぎても根腐れを起こす可能性があります。冬の水やりは1週間に1度ほどでかまいません。
エビネへは、5〜6月、9〜10月に液体肥料を薄めたものを与えます。根が強い肥料だと弱るため、倍に薄めて施肥することが適しています。
夏の暑い時期や冬場の休眠中は施肥する必要はありません。じっくりと効いてくる緩効性肥料を置き肥してもかまいません。置き肥をするときは、新芽の側と反対側に置きます。
虫についたウイルスが感染して株まで弱ることがあります。一度感染すると治ることがないため、株を処分する必要があります。
ウイルス性の病気にかかると、葉や芽がまだらの模様になるので見分けがつきます。害虫を早めに駆除したり、ハサミなどを殺菌して使って予防しましょう。
アブラムシやナメクジ、ハダニなどがいます。アブラムシやハダニは、ウイルスを運ぶ可能性があるのですぐに駆除しましょう。アブラムシは茎や花にびっしりとつくことがあります。ナメクジは夜間に動いて、葉や花を食べるので早めに駆除しましょう。
エビネの花が終わったら、花茎をねじるようにひっぱってはながらを摘み取ります。6〜7月に葉が成長したあとは、根元にはかまができます。その部分が黄色や茶色に変色していたら切り取ります。
株が大きくなり、根が鉢に一杯になったら、新芽が伸びにくくなるため植え替えをします。
エビネはバルブが横へできます。次々とバルブができて鉢にいっぱいになると新芽が成長しなくなるため、鉢植えの場合は1~2年に1回ほど、地植えの場合は4〜5年に1度ほど植え替えするといいでしょう。
地植えなら、直射日光が当たる場所は避けて穏やかな日差しで柔らかい風が通る場所だと、夏を過ごすことができます。夏用の寒冷紗で強い日差しを避けるという方法もあります。
鉢植えなら、直射日光あたる戸外から窓際の穏やかな日差しが当たる場所に移動します。適度な涼しさがエビネの生育を妨げません。
エビネは冬の霜に当たると黒くなるため、霜に当たらないような工夫が必要です。寒さが厳しい地方では冬越しは難しいですが、寒さが緩い地方では霜よけなどをすれば冬越しが可能です。鉢植えの場合は、霜に当たらないような場所に移動しましょう。
エビネの増やし方には、「株分け」と「バッグバルブふかし」があります。
株分けは、葉の付いたバルブと横についてる古いバルブを2個ほどつけた状態でカットします。それを植え付けます。
バッグバルブふかしは、まず葉の付いていないバルブを2、3個ほどカットします。切り口にウイルスがつかないように殺菌剤をつけてから、ミズゴケに半分ほど埋めておくと、4~6か月ほどで芽が出て、苗に成長します。
エビネは品種が200以上もあり、同じ品種でも少しずつ違います。うまく育てるために次のポイントを抑えておきましょう。
・育てる場所は、風通しがいい半日陰が適している
・乾燥に弱く、水やりは表土が乾く少し前にたっぷりと与える
・寒さ暑さに弱く、冬は霜よけ、夏場は直射日光をよける工夫が必要
・用土は火山灰のボラ土と腐葉土を混ぜたものを使う
・肥料は控えめで液肥は倍に薄めて、置き肥は新芽と反対側に置く
・植え付けや植え替えは開花時と夏、冬は避ける
エビネはカラーバリエーションや種類が多く、地植えや鉢植えにしやすい花です。環境さえ整えてやれば、良く育ち、手入れをきちっとすれば毎年可愛い花が咲きます。鑑賞用としても適しているので、鉢植えや庭植えにして楽しみませんか。
※トップ画像は織家さん@GreenSnap
GreenSnap編集部