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こんにゃくは、サトイモ科こんにゃくいも属の植物です。収穫までに数年かけて栽培していくため、非常に育てがいがあるといえるでしょう。今回は、そんなこんにゃくの育て方についてご紹介します。
こんにゃくは、日当たりがよい場所での栽培が適しています。ただし強すぎる光には弱く、葉を傷める原因になるため注意しましょう。また、再生力が弱いため、強風が吹きつけない場所で管理する必要があります。
こんにゃくの生育に必要な温度は13℃以上なので、寒冷地での栽培は難しいでしょう。
こんにゃくの種芋に酸素を供給するためにも、周辺に生えている雑草は抜き過ぎないほうがよいでしょう。雑草の根は土のなかに隙間をつくるため、野菜の根に酸素が供給されます。
まず前提として、こんにゃくは、種芋(生子)を植え付けてから収穫までに3年程度かかるとされています。
こんにゃくの植え付け時期は、4〜5月頃です。中間地の場合は、5月下旬までに植え付けておきましょう。
株間を10cm程度あけて、生子を斜めにして植えます。斜めに植えると、芽のくぼみに水が溜まるのを防げるからです。そして、11月頃に掘り起こします。
掘り起こしたものを翌年の植え付け時期に、今度は株間を20cm程度あけて斜めに植え、再度11月頃になったら掘り起こしましょう。
3年目は株間を45cm程度あけ、2年目の秋に掘り起こしたものを同様のやり方で植え、11月にようやく収穫ができるようになります。
こんにゃくを育てるときは、水はけのよい土が適しています。種芋は酸素を必要とするので、植え付ける場所の土をよく耕して柔らかくし、堆肥を混ぜ込んでおきましょう。
雑草のほか、小さな石も土のなかに残しておいたほうがよいでしょう。土が締まり過ぎるのを予防し、酸素が入りやすくなります。
また、こんにゃくはイネ科の野菜を育てたことがある場所での栽培に向いているといわれています。イネ科野菜は根を深く張るので、土が深くまで耕されているのです。
こんにゃくを植え付けたあと、葉が茂り始めてきたら追肥をします。こんにゃく栽培専用の肥料などを使用すると良いでしょう。
ただし、こんにゃくはあまり多くの肥料を必要としないので、与えすぎに注意しましょう。
こんにゃくは過湿も乾燥も苦手とするので、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。なお、土の表面が見えないくらい株元にわら敷いておくとよいでしょう。
敷きわらをすると土に太陽が直接当たらないため、土の乾燥防止になります。加えて、敷きわらには大量の雨などの余計な水分の侵入を防ぎ、排水を促す役割も果たすため土が過湿になることも防げます。
こんにゃくを増やすには、3年目に収穫したこんにゃくに付いている生子を、先述した方法で植えて増やします。
こんにゃくの掘り上げは、葉が黄色くなって枯れてから10日後くらいに行います。10月中旬頃が収穫時期の目安です。
赤ちゃんイモをスコップで切ってしまわないように、茎から離れた場所から徐々に掘っていってくださいね。
掘り上げたら半日程度、直射日光に当てて干し、風通しのよい日陰で十分に乾燥させてください。
そして、新聞紙に包んで風通しがよく、かつ13℃以下にならない場所で春まで保管しましょう。
こんにゃくは水はけが悪く過湿の状態になると、根腐病や白絹病になることがあります。
根腐病は、病原菌により株元が水で浸みたような状態になり、やがて変色して腐敗し地上部も立ち枯れてしまう病気です。土の排水性を高めることで予防できます。発病した株は元に回復できないので取り除いて処分し、土を消毒しておきましょう。
白絹病は、土壌で繁殖するかびが原因で起こる病気で、発病すると株元やその周辺が白い糸で覆われ、立ち枯れてしまいます。菌の発芽温度が25度以上なことから、高温の夏場にかかりやすい傾向にあります。
白絹病も根腐病と同様、発病した株は処分して土を消毒してください。菌が土に残っていると伝染してしまうので注意が必要です。
こんにゃくは、葉枯病、根腐れ病、腐敗病など、バクテリア系の病気になりやすいので、通気性、排水性に気を配ってください。じめじめしていると病気を発症しやすいです。
また、強風にも注意が必要です。風通しが良すぎると、葉がぶつかって傷つき、そこからバクテリアが繁殖します。葉を傷つけないように気をつけてください。
こんにゃくの花は、天に向かってまっすぐに伸びた棒のような形状をしています。花色は濃い赤紫色で、非常にインパクトがあります。ただし、花は植え付けてから5年目にようやく咲くので、実際に見ることのできる機会は少ないでしょう。
こんにゃくは、収穫までには3年程度かかりますが、自分で育てて収穫したこんにゃく芋を使って、こんにゃくを作る機会はなかなかないため貴重な経験となるでしょう。ぜひ一度、栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
七尾びび
GreenSnap編集部