warning
error
success
information
栄養効果が高いフルーツとして大人気のキウイ。家庭菜園のイメージはあまりありませんが、実は地植えだけでなく鉢植えでも栽培できるので、お庭のない方でも栽培にチャレンジすることができるんです。ここでは、キウイフルーツの育て方や植え方のコツを紹介していきます。
収穫したキウイの実はかたくて味が酸っぱいため、追熟させる必要があります。さらに、毎年の剪定作業も必要ですが、病害虫には比較的強いので栽培はさほど難しくありません。
キウイは雌雄異株のため、果実を実らせるための栽培ポイントがあります。
上記が果実を実らせるポイントになるので意識しましょう!
果樹ビギナーの家庭には、雌木にセンセーションアップル、雄木にジャンボイエロー孫悟空の組み合わせがおすすめですよ。
ただし、並べて植えなくても半径10m以内の距離であれば、受粉に問題はありません。
キウイは鉢植えでも栽培できますが、枝はつる状に伸びるため誘引が必要になります。
キウイフルーツを栽培するときは、暖かい地域では10〜12月頃、寒冷地では4月以降が苗の植え付け適期となります。
日当たりと水はけのよい場所に、植え付けの前から土作りをしておきます。雌雄異株のため、最低でも2本植え付ける場所を確保する必要があります。すぐ隣に並べて植えなくても大丈夫ですが、間隔は受粉に支障のない範囲内にしてください。
雌株と雄株を、3m以上10m以内の間隔に植え付けましょう。それぞれ支柱を立て、支柱の天井を繋いで棚仕立てにして蔓を絡ませます。雄木は物置の屋根などに這わせ、雌木だけを棚仕立てにしても収穫が楽です。植えてから3年ほどで果実を収穫できるようになりますよ。
キウイフルーツを育てるときは、水はけ、水もちのよい土であれば、土質はあまり選びません。
鉢植えの場合は、市販の果樹用の土か、赤玉土小粒7:腐葉土3の配合土を用いましょう。地植えは、苗植えの2週間前から土作りを始めてください。掘り上げた土に1㎡あたりコップ1杯分の苦土石灰を混ぜて、2週間ほど寝かせます。腐葉土と堆肥をよく混ぜ込んで植え付けましょう。
また、キウイは弱酸性の土を好みます(pH5.5~6.0が最適)。アルカリ性に傾き過ぎている場合には、ピートモスを使うとよいでしょう。強酸性の場合には石灰を利用して弱酸性の数値に整えましょう。
キウイフルーツを地植えする場合は、元肥として11月に、追肥として7月と9月に肥料を施します。鉢植えの場合は、元肥は2月に、追肥を6月と9月に施します。
元肥、追肥ともに化成肥料は最小限度に抑え、できるだけ有機物を施すのがポイントです。
地植えでは、鶏糞などの有機肥料のほかにも、家庭で出る生ゴミなどを再利用する堆肥を有効活用しましょう。鉢植えでは、元肥には有機固形肥料を、追肥には緩効性化成肥料を施してください。
元肥は「油かす」がおすすめです。固形タイプはゆっくり長く効きます。虫が寄りやすいので、小さな虫が気になる方は土にのせたままにせず、パラパラ均一にまいて埋めましょう。
肥料が発酵して、表面に白い粉のようなカビのようなものが発生することがありますが、肥料の質は変わりません。
キウイフルーツを鉢植えする場合は、土の表面が白く乾いたら、株元に鉢底から少し流れ出るくらいたっぷり水やりしてください。地植えの場合は、品種や土質にもよりますが、夏にひどい日照りが続くようなときを除いて、特に水やりの必要はありません。
湿気のある日は枝や実を水で濡らさないほうがいいですが、晴天ですぐに水が乾くような日には、害になる虫やホコリを流してもよいでしょう。
キウイフルーツを鉢植えしている場合は、根詰まりを防ぎ、通気をよくするために植え替えが必要となります。鉢の大きさ、生育具合にもよりますが、通常2~3年に1回が植え替え頻度の目安です。植え替え適期は11月から3月です。
キウイフルーツの増やし方には、「挿し木」と「接ぎ木」といった方法があります。
キウイフルーツを挿し木する場合は、さらに「休眠枝挿し」と「緑枝挿し」の2つの方法があります。前者は、休眠期の3月に、前年に伸びた枝を2~3節に切って挿し、後者は、6~7月にそれまで伸びた枝を2~3節に切って挿す方法です。
キウイフルーツでは緑枝挿しが比較的高い確率で成功するのでおすすめです。緑の葉がある状態の枝を挿すので、最後にビニール袋で鉢全体を覆って保湿することがポイントです。
「休眠枝接ぎ」を1月に行います。台木には種をまいて1年間育てた若い苗を使うのが一般的ですが、少し難易度が高いので初心者にはおすすめしません。
キウイフルーツは蔓性でフェンス等に巻きついて成長するため、剪定をしないと樹形が崩れ、収まりが悪くなります。そのため、1月~2月頃になったら、実が付いている蔓に3〜4芽を残して剪定しましょう。
また、キウイフルーツを植え付けてから成長するまでは、2mほどの支柱を立てて、苗木をまっすぐに誘引しましょう。植え付けてから3〜4年は結実させずに蔓をしっかり生長させるのが果実を多く実らせるポイントです。
誘引の方法は、枝2本をTの字に横に生長させる「Tバー仕立て」か、1本仕立てで上に生長させる「棚仕立て」があります。どちらも、強い枝を残して、そこから蔓がしっかり生長するまでは、剪定のたびに誘引しておきます。
キウイフルーツの生育期に行う摘心にはコツが必要です。
葉数が確保できたら、混みすぎないように摘心します。また、二度伸びたら、伸びないうちに芽かきをします。太い枝から突発的に伸びるシュートはできるだけ小さいうちに除いておきましょう。
キウイフルーツの実を、たくさん成らせると全体の実が小さくなってしまいます。そのため、6月下旬頃から、受粉のうまくいっていない奇形果や小さな実をまず除き、少しずつ間引いていきます。最終的には葉4~5枚に1果程度に間引きます。
キウイフルーツを栽培するときは、花腐細菌病、かいよう病、果実軟腐病などの病気には気をつけましょう。いずれも防風対策をしっかりとして傷口を作らないように予防に努めてください。
かいよう病は細菌が原因で、植物の傷口から侵入して伝染します。治療する薬剤はありません。剪定ばさみは殺菌したものを使い、むやみに枝を傷つけないように注意してください。切り口には癒合剤を塗布した方が安心です。発病が確認されたら速やかに感染部位を切断してください。
また、老木には枝枯病も起こりやすいです。これは春から秋に、一部の新鞘が落葉して木が枯れていく病気です。病気発生部分を取り除くことが重要なので観察してください。木がまだ若いうちから、摘果や剪定などで手をかけて健やかに育てておくことが最大の予防策です。
特に注意を要するものはいません。まれにキイロマイコガ、キイロヒメヨコバイ、カメムシ、コガネムシが発生することがあります。
キウイフルーツの果皮の地色が茶色になったら収穫のサインです。栽培地域にもよりますが、最低気温が5度を下回ると霜が降りるので、霜が降りる前の11月までには収穫を終えてください。茎のところから、衛生的なハサミで切り取って収穫しましょう。
また、果実は収穫したら、食べる前に追熟が必要になります。収穫から10日から2週間ほど、常温でほかのフルーツと一緒にビニール袋に入れて寝かせます。
例えばキウイフルーツ4〜5個に対して、リンゴ1個を入れて口をしばり、冷暗所に置きます。追熟が進むほど甘味は増しますが、果皮を軽く押して柔らかければ食べ頃です。
いかがでしたか。キウイフルーツは押さえておきたい栽培のコツがいくつかありますが、基本的に丈夫で無農薬でも育てられる家庭向きの果樹です。またビタミンやミネラルを多く含み、機能性果実として注目されるほど、栄養価が高いフルーツです。庭の日当たりの良い場所にスペースがあればぜひ植えてみてくださいね。きっとたくさんの実を付けて応えてくれますよ。
七尾びび
GreenSnap編集部