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カモミールの名称ではいくつか種類が存在し、単にカモミールといわれた場合は、一般的にジャーマンカモミールを指すことが多いです。今回はジャーマンカモミールの育て方や収穫の時期などを紹介していきます。
ジャーマンカモミールは日当たりを好みます。
日当たりが悪いと茎が弱々しく徒長して、花の咲き方も悪くなってしまいます。そのため、よく日光が当たる場所を選んで植え付けます。
また、ジャーマンカモミールは、害虫がつきやすいという特徴があります。害虫は湿度の高いじめじめした場所を好むため、なるべく風通しのいい場所で育てる方が良いでしょう。
また、エアコンの室外機などの周辺は温度が変化しやすいため、ジャーマンカモミールが調子を崩してしまう可能性があるのでおすすめしません。
ジャーマンカモミールの植え付けや植え替え時期は、秋から春にかけてが適期です。種まきから育てる場合は直まきか、ポットなどにまいてあげましょう。
苗の植え付けは元肥を混ぜた土に、株間30cm程度あけて植え付けます。
ジャーマンカモミールは基本的に1年で枯れるので、特に改めて植え替え等を行う必要はありません。
特に収穫率を上げるためにも、秋頃に苗を植えることをおすすめします!
ジャーマンカモミールは丈夫な植物なので、基本的にどのような環境でも育ちます。強いていえば、水分を好むため、ある程度保水性のある用土を用いて育てるのがおすすめです。
鉢植えで育てる場合は、市販の花と野菜の培養土で十分です。
地植えする場合においても、植え付ける前によく耕し、苦土石灰と腐葉土をよく混ぜ込んで置いたほうが、後々生育が良くなります。
肥料を与えたほうが植物としては大きくなり、元気に育ちますが、葉や茎ばかり生長して花の数はむしろ減ってしまいます。
ジャーマンカモミールは栄養分が多すぎると、花の香りが弱くなってしまうという性質があります。そのため、肥料を与えすぎるのはよくありません。
肥料を与える場合は、ジャーマンカモミールを植え付ける際に、ゆっくり作用するタイプの肥料、もしくは牛ふん堆肥など、自然由来の成分からできている有機肥料を少し混ぜ込んでおきましょう。それ以降は肥料を与える必要はありません。
ジャーマンカモミールは夏の前に花が咲き終わり、枯れるため、全て引き抜きましょう。
寒い時期に関しても、水やり方法は夏場と基本的に同じですが、乾燥が遅いため水やり回数を減らして大丈夫です。
ただし、冬場は水分が多すぎると土が凍結してしまうおそれがあるため、午後(特に夕方)の水やりは控えた方が無難です。
ジャーマンカモミールは一年草なので、「種まき」で増やす方法が一番簡単でおすすめです。
秋頃に苗床をつくって種をまき、水分を切らさないように気をつけて管理します。葉がある程度生えそろったら、植木鉢に植えるか地植えを行います。
ジャーマンカモミールは基本的に夏になると枯れてしまいますが、一度植えるとこぼれ種から秋頃に勝手に発芽するため、再び植え付ける必要はありません。
ただし、年月が経つにしたがって近親交配が進み、次第に弱々しく育つようになって、花の香りも悪くなるため、定期的に新しい苗を買ってきて、元からある苗に混ぜて植えるなど、近親交配を防ぐ工夫を行った方が長く楽しめます。
ジャーマンカモミールに発生しやすい害虫としては、アブラムシが挙げられます。アブラムシは風通しが悪くて湿度が高い場所や、窒素を含む肥料を与えすぎた場合に発生しやすいです。
アブラムシは特に新芽や葉などの柔らかい生長点の部分を好んで養分を吸い取ってしまうため、アブラムシが増えると植物が成長できずに弱ってしまいます。発見した場合は、速やかに駆除することが重要です。
また、アブラムシは葉の裏側に潜んでいることもあるため、葉の表面だけでなく裏側もよく観察する必要があります。
ジャーマンカモミールは花が咲いたら、それを随時摘み取って利用します。花を摘み取ったとしても次々に花を付けるので、摘みすぎを気にする必要はありません。
ジャーマンカモミールのうち香りを発するのは花だけであり、茎や葉は香りを発しません。このため、ジャーマンカモミールは基本的に花のみをハーブとして利用します。
ジャーマンカモミールには、腹痛や胃の保護、生理痛の改善などの消化器を保護して、そのはたらきを整える効果があるといわれています。
また、皮膚や気管支などの呼吸器を保護するはたらきがあるため、花粉症などにも効果を発揮したり、血流を良くする効果もあるため、貧血や冷え性の改善に対しても効果があると言います。
ジャーマンカモミールの香りにはリラックス効果があるため、寝る前にジャーマンカモミールを摂取することによってより上質な睡眠を取ることができます。また、抗菌・殺菌作用もあるため、食品の保存の際に活用することができます。
ジャーマンカモミールを利用する際の注意点としては、ジャーマンカモミールはキク科の植物なので、キク科アレルギーの方が摂取することによってアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
そのため、キク科アレルギーの方がジャーマンカモミールを摂取することは危険です。また、妊娠中の方に関しても、あまりいい効果は発揮しないため、摂取を避けた方が無難です。
古今東西問わず昔から広く親しまれてきたジャーマンカモミールの育て方のポイントを紹介しました。
ジャーマンカモミールはハーブとしての凡庸性が高く、栽培の難易度もそれほど高くないために、初心者の方にもおすすめのハーブです。
特にカモミールティーはハーブティーの中でも飲みやすく、リラックス効果も絶大なため、特におすすめの利用方法です。ジャーマンカモミールに興味を持たれた方は、ぜひ一度育ててみてください。
出口利昭
GreenSnap編集部